「TAR(ター)」(2022年)は、世界最高峰のオーケストラの常任指揮者に起きた悲喜劇を描く映画である。限りなく黒に近いグレーな主人公を演じるケイト・ブランシェットの存在感の前では、昨今巷間を賑わすジェンダー問題など霞んでしまう。快作か怪作かは観客次第といったところだろう。

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