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老人喰い

「老人喰い」は詐欺師の日常や、なぜ高齢者を狙うのか?などの詐欺の仕組みについて詳しく書かれた本です。そして犯罪とはわかっていても詐欺師達に憧れを持ってしまうほど、魅力的な内容でした。


私が憧れてしまった部分は2つあります。

”社会的に意義のあるものとして詐欺をしていること”
”理想の上司像が犯罪グループの中にあったこと”


社会的に意義のある詐欺

詐欺にも研修があり、そのなかである説明がされます。

「300万を持ってる人間から200万をとったら、とられた方はさぞ困るだろう。でも2000万を持ってる人間から200万をとったら300万の人間よりダメージはずっと少ないだろう。この2000万を持っている人間は、日本で言うと定年を迎えた人たち、つまり老人。そしてその老人が持っている2000万が、亡くなるまでにいくらになるか?平均で3000万になる。つまり、この日本の貧富の差を是正するのは俺たちだ。詐欺は社会的に意義がある」

というくだりがありました。正直説得力があり、他国では個人の資産を国が没収したりするので一理あるなと思ってしまいました。



理想の上司像

私は社会人を10年ほどやっていますが”この人みたいになりたいな”っていう上司には会ったことがありません。

たいていの上司は擦れていて、諦めていて、背中が曲がっていて、事なかれ主義な人が多かったように思います。


しかし、詐欺師のリーダーは、出所してきたときの生活資金を積み立ててあげたり。事あるごとに盛大に乱痴気パーティーをしたりしています。もちろんリーダーの奢りです。


お金の面だけでなく、人生相談や稼いだお金で事業を起こしたい部下に対して人脈を紹介してあげたりもします。


一言で言えば「目をかけてくれる人間」そしてその人間が犯罪とはいえ、稼ぎも多い。部下から見たら強烈な成功者像に見えると思います。


そしてそんな人間がすぐそばにいる環境と言うのは「モチベーションが上がるだろうなぁ」と思ってしまいました。



以上になります。最後まで読んで頂きありがとうございました!


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