【体験談〜再婚シリーズ〜9】タロット的に見る、継子とのトラブルと夫2への爆発
数ある記事の中からご訪問いただきましてありがとうございます。
マルソルです。
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(前回までのお話)
前回までのお話を読んでから続きをお読みいただくと、わかりやすいかと思います。
Bちゃんとのトラブル
缶バッチ
再婚し2年が経とうとしていました。
Aくんは中学3年生。
BちゃんとCは小学6年生になっていました。
ある日の夜のこと。
それはいつもの光景です。
私は洗濯カゴの前でため息をついていました。
AくんとBちゃんはポケットによく物を入れていて、そのまま洗濯カゴの中に脱いだ服を入れていました。
とくにBちゃんは、細々としたものが好きなこともあり、何かしらポケットに入れていることが多くありました。
父子家庭の頃は夫2がポケットの中身を取り出し、そのことを特に注意している様子はありませんでした。
そのため再婚後は、私が口を酸っぱくしてポケットの確認は自分でするようにと言っていたのです。
その日も脱いだズボンのポケットを見てみると、当時Bちゃんが気に入っていたキャラクターの缶バッチが入れられたままになっていました。
この日の私は、繰り返し繰り返し注意しているにも関わらず、いつまで経ってもいくら言っても成長しないことに、少し苛立ちを感じたのです。
まるで「ペンタクルの7」のカードのように、これまで自分がしてきたことは実りに繋がることだったのかと、過去の行動の見直しを余儀なくされるような結果が目の前にありました。
これまでどうしていたかというと。
洗濯を回す前に脱いだ服の持ち主を呼び、中身を取り出すよう促したり。
ポケットにある物を取り出し、洗濯を回した後に注意したり。
けれど毎日同じことが続くと、私も煩わしくなり、結局ポケットの物を取り出し注意するのも面倒で何も言わなくなる…という状態になっていました。
ただその時は、「大事にしている缶バッチなのにどうして出さないの?」という思いと「これだけ言っても気を付けようって気にならないの?」という2つの思いが私の中で芽生えその行動を起こさせました。
私の育児方針は、「大きくなった時に子どもが困らないように、自分のことは自分でできるように教える」というものです。
それは再婚後も変わりません。
けれど夫2はそういう考えはないようで、これまでなんでもやってあげてきたところがありました。
「誰かがやってくれると思っているせい」
「自分が困らないから、いくら注意されても直さない」
そんな思いが湧いて来た私は「ソードの5」のカードのように、自分の考えを曲げることができず、育て方に頑固になりすぎて強行手段に出たのです。
洗っても大丈夫なものだとわかった上で、缶バッチをポケットに入れたまま洗濯機を回しました。
殴り書き
我が家は、洗濯物を干す作業は子どもの当番制にして任せていました。
そして、その日はAくんが洗濯物を干していました。
洗濯物を干すときに気づいたAくんが、缶バッチをBちゃんに渡したのでしょう。
それによって、ポケットに入れたままだった缶バッチが洗濯されてしまったことを知ったBちゃんは、泣きながらリビングにやってきました。
缶バッチのピンの部分が、洗濯の際に少し歪んでしまったようです。
夫2が、ポケットの中身を確認しなかったからだと諭しましたが泣いて怒っている時のBちゃんは人の言葉に耳を貸しません。
洗濯する時、ポケットを確認しなかった私も悪いけれど、気を付けなかったBちゃんにも責任はあるよ、という私の声も届いていないようでした。
さすがに心苦しくなった私は、次の日オリジナル缶バッチが作れるお店を探し、Bちゃんが持っていたものと同じキャラクターの缶バッチを作るため、仕事後車を走らせました。
私は「ペンタクルの2」のカードのように、自分の正当性を保とうと、繰り返しどうどう巡りの考え続けることでバランスを取っていました。
自分の思いと起こした行動は最善の方法だったのか。
自分はどうすれば良かったのか。
自分を正当化したい気持ち。
でも、自分の非を認めたい気持ち。
それが行ったり来たりしていました。
「子どもの成長を促したい」
「でもなかなか成長しない」
「強引にでもした方がいいのか」
「それでも成長は促せない」
「強引なやり方で傷つけたことは謝りたい」
「でもやっぱり成長してほしい」
様々な思いを残したまま、私は自作した2つの缶バッチを封筒に入れて、彼女の机の上にそっと置いておきました。
この時の私は、自分の中に残っていた正当化したい気持ちのせいでBちゃんに直接謝る勇気が出なかったのです。
その数日後の朝、いつものように私は各部屋に掃除機をかけて回っていました。
Bちゃんの部屋の掃除をしているときです。
机の上に置かれたままの紙が目に入ってきました。
びっしりと文字が埋め尽くされた紙には、私への罵詈雑言が書き綴られていました。
缶バッチを壊されたことへの怒りを紙に書いて、自分の気持ちを吐き出していたようです。
そしてそこには、私と一緒にCへの悪口も書き連ねられていました。
小さい頃からBちゃんの心に奥にある、愛情を求めてやまない気持ちや愛情の欠乏感からくる寂しさはとても強いものがありました。
それは、夫2の父親という役割だけでは埋まらないものでした。
Bちゃんは、私がCに対して抱く母性からの愛情を敏感に察していたのかもしれません。
それは、いくら3人平等に扱おうと意識してみても、AくんやBちゃんの前でCとベタベタしないようにしていても、私とCを見て微妙な違いを感じていたのかもしれません。
崩壊
Cのカギ
Bちゃんの部屋で殴り書きの紙を見てしばくしてから、Cに持たせていた家の鍵が紛失しました。
Cには小学校入学時から家の鍵を持たせてきましたが、これまで無くしたり落としたりしたことはありませんでした。
珍しいなと思いながらも、学校や行き帰りで落としたかもしれから探してみてと話していました。
鍵を紛失して1週間程した頃でしょうか。
Bちゃんの部屋の掃除をしていた時です。
普段使っていないペンケースの口から、見覚えのある青色のチェーンが見えました。
中をのぞくと、それはCが無くしたはずの家の鍵でした。
「もしかして、隠してた?」
そんな疑惑が頭に浮かびました。
ここ数日の出来事を振り返ると否定しがたい状況です。
とりあえず私はこのことを夫2にメールで伝えました。
Bちゃんが私に怒って、その怒りのはけ口にCの物を隠して憂さ晴らしをした。
私には、そう思うのが自然と感じましたが、もちろん事実はわかりません。
でも意地悪をする云々以前に、そんな行動を取ってしまうBちゃんの気持ちの方が私は気になりました。
この鍵の件にしても、前回の怒りの発散に書いた紙にしても、私への怒りがCに向かうあたりに、普段Bちゃんが隠している「羨ましい」という気持ちと「憎たらしい」という気持ちが混在しているように思いました。
その不満は、なにかをきっかけに爆発してしまうかもしれません。
私は夫2に、Bちゃんの話を聞いてあげてほしいと伝えました。
私に頭に来た気持ち。
それを私にぶつけられない気持ち。
変わりにCを困らせてやりたいと思った気持ち。
Bちゃんの中でくすぶっている感情があってそれを吐き出せない苦しさ。
悪いこととわかっていながら、もしそれをしたのなら、私やCの前では絶対に言えないはず。
もちろん本音も言わないでしょう。
だから私ではなく、実親である夫2にだから言えること、聞いてほしいことがあるはずです。
それを、Bちゃんと2人の時間を取って聞いてあげてほしいと私は思ったのです。
引き金
鍵が見つかったその日の夕暮れ時。
私は出先から少し遅れて家に向かっていました。
もうすぐ日が落ちようとしています。
夫2は仕事を終え、先に帰宅している頃。
Bちゃんと話し合えているんだろうか…。
少し不安な気持ちで私も帰宅しました。
「~!」
聞こえてきたのは夫2の怒鳴り声でした。
私は急いでリビングのドアを開けました。
「答えろっ!!」
「はっきり言え!聞こえん!」
私の目に飛び込んできたのは、怒鳴り声をあげる夫2の姿。
と、その夫2の前に並んで椅子に座らされたBちゃんとCの姿でした。
「なにやってんの…」
想定外のことに茫然としました。
なぜ2人同時に、しかも脅すような尋問をしているか。
私はBちゃんの話を聞いてやってほしいと伝えたはずなのに。
荷物を置く私の背中に向かって夫2が言います。
「2人とも正直にどっちが隠したか言わん」
それは時間にすればほんの一瞬だったでしょう。
私の脳内で様々な怒声が噴出しました。
(2人に鍵を隠したか聞いてる?)
(いやいや、鍵を無くした本人が隠す?鍵がなくて困るのは自分なのに?)
(こんな状況で隠した当人が正直に言えるか?)
(Bちゃんと2人での話しは?)
(隠した本人となくなったって言ってる人間をそもそも並べるな!)
「いや、こんな状況で言えるわけないじゃん」
「で、なんで2人並べてるの?」
私は2人並んでいる様子を再度目にし、徐々に震えるほど怒りが込み上げてきました。
夫2は「鍵を隠していたらしい」という "結果" から、悪いことをした”犯人” をハッキリさせようとしていました。
私が気になったBちゃんの気持ちを聞いてあげることより、 "犯人" 探ししか頭にないようでした。
Bちゃんは、自分のペンケースに鍵が入っていたことについて「知らない」と答えているようでした。
結果しか見ていない私たちからすれば、その部分の判断はできません。
それでも夫2はBちゃんの言葉を信じたい気持ちの方が大きかったんだと思います。
それなら尚更、2人きりで話をし気持ちを聞いてあげればいいものを。
それはしない…。
「Bちゃんに聞いたら知らんって言うし、Cくんに聞いても知らないって言ってラチがあかん」
挙句の果てに
「2人で遊んでいて、急いで片付けた時に紛れ込んだかもしれないし」
「100%Bちゃんが隠したとは言えない」
だから2人とも並べて追及している、というのが夫2の言い分でした。
事実がどうなのかわからない状況で、子どもの気持ちを引き出す対話ができないこと。
これまでの経緯を繋げず、鍵が紛失した出来事だけ捉える短絡的なところ。
そこから予想して、本当の問題がどこにあるのか予測できないところ。
この夫2はどれもまるでできない。
2人を並べて、怒鳴りながら尋問することしかできないのです。
私が再婚に踏み切れずにいた時に感じていた夫2に対する不信感が、ハッキリとこれらの行動から見えました。
そしてCの「鍵が無くなった」という言葉を信じない夫2の態度は、これまでも今もそしてこれからも、Cとの信頼関係を育む姿勢にないことを容易に想像させました。
それが引き金となり、私の中で一気に感情が爆発しました。
私はAくんやBちゃん達に寄り添って、支えようと努力してきたのに。
家のことも学校のことも全部私にのしかかってきていたのに。
私の気持ちは誰にもわかってもらえず、誰にも相談できず1人で耐えてきたのに。
夫2はどうだ?
Cに寄り添う努力もせず、言い分も聞かず信じない。
自分の子どものことなのにAくんのADHDにも無頓着で何もしない。
Bちゃんの気持ちを聞いてあげることもしない。
これまでのことが走馬灯のように溢れ出し、歯止めが効かなくなりました。
泣きながら何かをわめき散らしていたと思います。
最後に、
「私の7年間を返せっ!!!」
と叫びながら、私は近くにあった籐のゴミ箱をリビングに向かって投げつけていました。
誰かに向かってこんなに激しく怒り狂って叫んだ事は、後にも先にもこれが初めてでした。
【このままだとCを守れない】
その強い思いが私の中で響いて、もうやっていけない、という決意をさせました。
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つづく…。
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