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【社畜】とは属人化を解消した結果の成れの果て

特定の人の能力に依存する性質のことを属人性と呼ぶ。
今回はその属人性と社畜の関係性について書き綴っていく。
社畜になりたくないという人は最後まで読んで欲しい。


社畜が生産されるまでの過程

企業の経営者というのは、経営を安定させたいと考える。
また、効率化して利益を最大限に増やそうと考える。
そこで多くの経営者は「属人化した業務」を無くしたいと考える。

属人化された業務を他の誰かでもできるようにしたい。
誰でも一定以上の品質の成果を出すようにしたい。
そのために、まずは業務を分析する。
品質を定量化する。
業務を定例化する。
作業をマニュアル化する。
そして、マニュアル通りに行うことをルールにする。

優秀な人は、自分の仕事の成果をフィードバックして、マニュアルの改善へ勤める。
これを繰り返し、マニュアルは確固たるものになっていく。
次第に業務のテンプレートが開発され、誰もが一定以上の品質の成果を出せるようになっていく。

一方、マニュアル通りの仕事をしているだけでは、マニュアルに進化は起こらない。
マニュアル以上のことに挑戦しなければ、新たな発見や新たな成果は発生しないからだ。
そのマニュアル以上のことに挑戦しなくなった人が「社畜」だ。
社畜は会社に自分の労働力しか提供する気がない。
時間と引き換えに給与をもらうことを選択した人たちだ。

もちろん、社畜が悪いというわけではない。
社畜でいられる環境をつくったのは経営者だ。
社畜の方が心地よいと感じる人だっている。

昔の大工に社畜はいない

私の祖父は大工かつ経営者だった。
一番多い時期で従業員20名ほど雇っていたと聞く。
55歳でリタイアし、会社は解散した。
しかし、弟子たちはそれぞれ独立し、今もなお仕事を続けている人もいる。
2代目に会社を渡して、2代目が活躍していることもある。

そんな祖父からこんな言葉を聞いたことがある。
「一人前とは、自分の頭でどうやったら良くなるかを考えられるようになることだ」というもの。
また「親方は弟子を一人前にしなければいけない」というもの。
さらに「小僧(駆け出しの弟子)が一年経って芽も出ないようなら、辞めさせてあげなければいけない」とも言っていた。

つまり、昔の大工の親方の元に、社畜は残らない。
適性がなかったり、社畜になって独立できなくなりそうな人は、愛を持って解雇する。
しかし、現代は解雇規制がある。
解雇できないから、社畜化したまま飼殺し状態になってしまうこともある。

ちなみに、今の大工は社畜が多い。
分業化、専門化が進み、自分が考えなければいけないことが減った。
材料は規格化されて、木材はプレカットで現場に直接届く。
のこぎりや金づちを使うことも減り、工具はドリルドライバーやエア釘打ち機へと集約されていく。
軽トラ一台で現場に行く大工が増えた。

社畜が欲しい経営者たち

世の中には、社畜制度を望む経営者がいる。
安く雇えることが条件だ。
マニュアル化された作業をたくさん行うことが利益になる会社は社畜を好む。
マニュアル通りにやってもらえば良い
独立なんてしてもらっては困る。
高い給料を求められるのは嫌だ。

社畜は要らない経営者たち

世の中には、社畜制度を許さない経営者がいる。
いつか独立してしまう人でも、今は自分の会社にフルコミットして欲しい。
マニュアルなんて、参考程度の資料に過ぎない。
新しい価値を生み出して欲しい。
マニュアルがないと動けない人は要らない。

社畜になりたくない人へ

社畜になりたい人は、大手企業の中から可能な限りホワイトな企業を選ぶのが良い。
これが一番安定する。

しかし、社畜になりたくない人は、小さい企業の中から可能な限りホワイトな企業を選んだ方が良い。
若いベンチャー企業をイメージすれば分かりやすい。
そんな会社には、まだルールもマニュアルもない。
創業間もなければ、ブラック率は高く、仕事は厳しいかもしれない。
それでも、給料さえもらえれば、それ以上のリスクなどない。

逆に社畜になりたくない人は、大手企業へ入ってはいけない。
大手はマニュアルとルールのピラミッドで構成されている。
超上層部にでも入らなければ、社畜感を完全に払拭することはできないだろう。

もし、自分に合う会社がなければ、自分で会社を興せば良い。
そうすれば、100%社畜になることはない。


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