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会社が歳を取るということ

総務部総務課 マモたろう氏が「ゆでがえるの入口」という記事を書いていた。

会社も人間の集まりだから、歳を取る。
新陳代謝が必要だ。
今回はこの辺りのことを書き綴っていく。


従業員の平均年齢

よく採用情報などに「従業員の平均年齢」という項目がある。
求職者は、その情報を見て、何かを判断することだろう。

しかし、会社を経営する側からすると、この数値は非常に重い意味が含まれている。

簡単な算数の確認。
平均年齢が下がる時は、以下の場合のみだ。

1.平均年齢より、下の人を採用する
2.平均年齢より、上の人が退職する

当たり前のことだ。

しかし、中小企業、特に零細企業においては、毎年必ず新卒を採用するという会社は少ない。

さらに言えば、自分で創業した経営者の場合。
定年退職が近い年齢の人を採用するケースは稀だと思う。

そんな場合。
誰かを採用しない限り、毎年平均年齢が1歳ずつ上がっていく。

それもまた当たり前のことだが、実は深い。

例えば、従業員10名程度の会社。
新しく採用することは殆どなく、逆に退職する人も殆どいない。
こんな状況の会社は、全く珍しくない。
ある意味、安定しているとも言える。

冒頭で紹介した総務部総務課 マモたろう氏の記事にある「ゆでがえるの入口」は、まさにこのような状態と言える。

私の会社もまさに「ゆでがえる」だ。
新卒の採用枠はない。
数年に一人、中途の採用をする程度。
退職者は滅多に出ない。
最初の定年退職者が出るのは、15年以上後のこと。
おおよそ毎年、平均年齢が1歳ずつ上がっている。

ジェネレーション・ギャップ

おおよその人は、自分の年齢のプラスマイナス12歳程度がジェネレーション・ギャップの閾値だと思う。
私は2024年現在で42歳なので、30~54歳までが簡単に感覚を共有できる限界値だ。
それを超えると、いろいろな所でギャップを強く感じてしまう。
実際、社内のスタッフの年齢は、その30~54歳に収まっている。
下は36歳、上は49歳だ。

――― このままで大丈夫なのか?

経営者なら、誰しもが考えたことくらいはあると思う。

会社の経営を続けていくには、時代に合わせた最適化をする必要がある。
新しい情報、技術、発想。
そういったものを若い世代は、どこかから見つけて来て、自然と使う。
「ゆでがえる」からすると、喉から手が出るくらい、羨ましい。

だからと言って、いきなり若い人材を採用するのは難しい。
これがジェネレーション・ギャップの最も恐ろしい点だ。

例えば、50歳の社員しかいない会社があったとする。
40歳の社員を雇うのは、それほど難しくない。
しかし、25歳の社員を雇うのは難しい。
ジェネレーション・ギャップに阻まれ、その社員は長く定着しない可能性が高い。

50歳、40歳、30歳の社員がいれば、状況は変わる。
ジェネレーション・ギャップは、年齢の近い者同士で中和される。
年齢の輪は、滑らかにつながり、若い世代が定着する可能性が高まる。

会社を若返らせる方法

若い世代を継続的に採用できるのが一番だ。
しかし、多くの会社とって、これがなかなか難しい。

私が意識していることは、以下の通り。

・若い会社、若い世代の人と一緒に仕事をする
・若い世代が使うSNSを使ってみる
・若い世代が集う店に行く
・新しい人気商品に飛びつく

一番重要なのは、若い世代の人と一緒に仕事をすることだと思う。
顧客の選定は難しくても、外注先の選定はできるはずだ。
そこで、様々な情報、技術、発想が得られる。
積極的に、新しいものを試せば、必ず何かを得られる。

SNSも馬鹿にならない。
何となくだが、各世代の考え方の特徴を知ることができる。

若い世代に人気の店は、必ず行くようにしている。
特に、呑み屋が良い。
そこは、ジェネレーション・ギャップを知る穴場だ。

若い世代の中で新しく話題に上がった商品やサービス。
これも、可能な限り、試すようにしている。
何が良いのか全く分からなかったものでも、実際に使うと良さが分かることは往々にしてある。

――― 満足して止まらず、飢えて足掻く

若い世代に媚びる必要はない。
しかし、「全く話が繋がらない」というのは、困る。

ジェネレーション・ギャップといつまで戦えるか?
これは、私と私の会社の大きな課題だ。


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