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カフェの効能

外出自粛の最中、一番欲していたことは、「カフェに行きたい」だった。

 流行りのおしゃれ女子のように、
せっせとカフェの聖地を巡るとか、
カフェご飯が好きでたまらないとか、
 行きつけのカフェがあるとか、
 そういうわけではなかったのに。 

自分でも不思議なくらいカフェを欲していて、自粛が空けて以来、毎日のようにカフェに足を運んでいる。

 何をするわけでもない。 ただひたすらにぼ〜っとしている。
お店の人がコーヒーを淹れるのをただ眺めていたり、
窓越しに見える行き交う人を見ていたり、
なんとなく聞こえてくるBGMに耳を澄ませたり。 

そんなとりとめのないことをしている。  

いや、もはや「している」のではなく、何もしていないのだろう。  

個人事業をしている私は、自宅とオフィスが重なっている。
自宅で仕事をすることに違和感も不都合も感じていなかった。
仕事時間とお家時間を上手に切り分けられていると思っていたし、
それを満喫できていると思っていた。  

きっとそれは、外での仕事が適度にあったからだ。

オンラインセッションをはじめ、
ほとんどの仕事を自宅でするようになって、
オフィス机に座ることがかなり増えた。
そうすると、「何かをしよう」としてしまう。
「何かをしよう」とすることで、自分を納得させようとしてしまう。

だからカフェに行きたくなっていたんだろう。

何もしない時間を過ごすために、私はカフェに行きたかったのだ。

きっとそれが、私にとってのカフェの効能。
これから、行きつけのカフェをつくってみよう。

何もしない時間のために。  

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