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伸びる子の育て方   漆 紫穂子著

選んだ理由
最近、教育者の書かれた本を集中して読んでいるので、その流れで手に取ってみました。

①親にして欲しいこと・親にしてもらったことについて
ただ、傍らに寄り添うということ。著者がなぜか成績の伸びるクラスの担任を見ていて気が付いたこと。子どもに「やる気になった親の言動は?」の質問の回答は「大変そうだね。一緒にやろうか」「(疲れた頃に)お茶をいれようか?」「いつも頑張っているね」とある。やる気がなくなった言葉としては、上から目線。命令口調。
受験生が、親にしてもらって良かったことは「生活リズムのフォロー」「気持ちのフォロー」であるそうです。
生活リズムのフォローとは、生活環境を整える事。三点固定の法則、起床時間・食事時間・就寝時間。これが固定されていると勉強時間が確保されやすいと著者は言う。これが、生活リズムのフォロー。「どうしたの?」とか迫ったり、「頑張れ、大丈夫だ。」とやたら励ますのではなく、子どもの必要な時にだけ手を貸し、後は見守るという姿勢を子供たちは望んでいるという。そして、食生活の管理が大事と著者は30年の校長生活の経験から、保護者さんに話しているという。

②一流人について
一流の人が持つ特徴について「勘違いの自信」「素直さ」がある事という。
そして、相手の視点から考えられる人、第三者の視点を持つ社会性を育てていくことが大切という。
そして、これからはグローバル化の進化が益々加速化するので、隣の人と気が合わないというレベルなどは、ほとんどないに等しいという。
そんな中で「共感力をつけること」まずは、自分自身に共感する。嬉しさ、喜びだけではなく、怒りや悲しみも自分のものである。自分に共感。次に人の気持ちを知り、他者との共感もできるようになってくる。
自分をいかす仕事を見つける為に、キーワードは組み合わせ。今の子供たちが大学を卒業した時点で、現時点では存在しない職業についている…と、アメリカのデューク大学の研究から言われている。今は子どもの短所と言われていることも、長所になっていくかもしれない。スキル+αで、仕事の幅はどんどん増えていくと著者は言う。

③自己肯定感について
子どもが生まれてから色々な事があったと思うが、幼い頃の想い出を映像で見せてあげたりして「こんなに大切にされたんだ。」ということを伝える事は、子ども自身の自己肯定感を育む種になるはずと著者は言う。
親が子どもに出来ることが二つあると著者は言う。一つは、子どもの成功体験を認めて褒める事で、未来の為に自信や達成感を貯金しておくこと。もう一つは、子どもの自信が揺らぐときに、心の奥にある達成感を思い出させてあげる事で、自己肯定感の芽が育つとある。
親は無条件の愛情を子どもに持ち続けていくことで、子どもにとっての安心が与えられる。

気付き
我が子も中学生になると、育時から手が離れてやっと一安心…と思っていましたが、まだまだ心は幼いわけで、親の保護下にいても心の中では色々な不安や葛藤があると言うことに改めて気がつかされました。
そして、子育ては一度きり。リミットのある宝の時間。大人として、親として、個人としてやりたいことがあるのですが、子どもとの時間も大切にしていこう…と改めて思いました。
この著書は、とても文章が心に絡まってくるというか、日頃のあるあるに対して、どういう風に位置付けしていけば良いのか、参考になる書き方で伝えてくれていてとてもお勧めです。
勉強などよりも、もっと人間の根底の基本部分、そして私たちも子どもの頃に、ドキドキしたり不安に思ったことを思い返すことが出来る大切な文章が沢山感じられました。わたし自身には今ピッタリの本でした。

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