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第八釜 : お兄様が三代目 J SOUL BROTHERS よりうどんが好きなはずがない。

お世話になります。MARUNOUCHI MUZIK MAGAZINE 編集長 Sin でございます。

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今日は美しき丸亀城を頂く美しき中野美奈子アナ生誕の地、丸亀市を中心にうどんの旅を続けます。私はカトパン派ですが。

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今日の運転サウドントラックは VAI の "Sex & Religion"。1993年発売当時 Guitar World 誌のインタビューでスティーヴ・ヴァイはこう語っています。

セックスは愛の神聖な行為。でもその裏には倒錯した欲望があって殺人にも発展しかねない。宗教の基本は純粋な霊感。だけどそれがエゴや関係者の都合のいいよう捻じ曲げられてしまうんだ。すべての宗教の根幹には愛があり、すべてのセックスの根幹には愛がある。それがどう変化していくのかって興味深いよね。宗教は歴史上で戦争の最大の原因の一つ。 宗教を非難しているわけではないんだよ。霊感を持った真の伝道者がいるとさえ僕は思っているからね。だけどそこには金儲けをしようとしている人たちがいる。お金のために希望という約束を売っているんだ。信じて欲しい。神の美しい青い地球には、宗教的な変態ほど危険なものはないんだよ。とにかく、この二つの概念はとても興味をそそられるね。  それに、多くの人がセックスと宗教にこだわっている。

あれから30年近く経過した現在、様々な歴史的事件を鑑みればスティーヴ・ヴァイが預言者であることは間違いないでしょう。

ともあれ、スティーヴ・ヴァイももう1人の主役デヴィン・タウンゼンドも、以降このアルバムを凌ぐ作品を生み出しているかと問われれば私にとって答えは否です。それほどド変人二人の共闘は奇跡の瞬間だったわけです。

そこに現在は闘病中と報じられている T.M. スティーヴンス, テリー・ボジオのリズム隊が加わるわけですから、これはもう全員がリード楽器の闇鍋アヴァンメタルを期待するなという方が無理でしょう。余談ですが、当時T.M. スティーヴンスを囲んでいたスティーヴィ・サラス、リッチー・コッツェン、アトマ・アナーといった凄腕たちがファンクやモータウンとメタルを繋げ、おかげで新たな扉を開けたリスナーも多いはずです。

作品はたしかに闇鍋アヴァンメタルなのですが、それでも野心溢れる若きヴァイはやっぱり歌モノへの執着も捨てられず、結果として奇妙にキャッチーなお化けアルバム、魑魅魍魎メタルが完成してしまいました。ALCATRAZZ のころから、キャッチーを完全に履き違えているのが鬼才。「Here and Now!! ドンチャドンチャバラバラン!」とか 「In My Dreams With you〜ア〜ウワァーギャー」とか「Still My Bleeding Heart〜ギャッギャッギャワタタタタタタタアオーンwtfjik」みたいな怪奇現象をヤバイと思った少数派はおそらく今でも謎メタルを聴いているし、ムリと思った多数派はきっとステキな家庭を築いているはずです。家は大丈夫、円満ですよ…デヴィンはやっぱり FAITH NO MORE 聴いてたのかな。いつか尋ねてみたいですね。

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一軒目は山とも。旧11号沿いにあるので入りやすいですが、駐車場が狭いのでスルッと隣のビデオ100に停めましょう。

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ブラタモリや鶴瓶の家族に乾杯で絶賛されたお店ですが、お店を切り盛りするまだお若いご夫婦は三代目にご執心の模様。自分も VON HERTZEN BROTHERS にならインタビューを行ったことがあります!と言うべきかしばらく迷いましたがやめました。

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冷やかけを注文。機械を一切使わずすべて手作業で拵えるうどんは、もはや芸術品です。澄み切ったダシからふんわり立ち昇るいりこの香りを、流行りの細麺が絶妙のコシで彩ります。ダシまで飲み干しました。震えますね。やっぱり最高のダシを味わうなら、冷やかけですね。

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二軒目は讃岐製麺所。丸亀城の少し西、かなりの街中に位置しながらこのバラック小屋。完全にアヴァンギャルドです。

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店内は電灯もついているのか微妙なところで真っ暗。突然、闇の中からオジイが座って足を組みながら「何にすんな?」と問いかけてきます。Ozzy ではなくオジイ・イン・ザ・ダークです。何にすんなもなにも、メニューがない、あっても真っ暗で見えないのですからこちらは焦ります。ここで肉ぶっかけ!釜バター!という強気のベットに出られないのが私の残念なところで、1.0倍のかけを「かけを…」とトボトボ気圧されながら注文。気落ちしているところで椅子に座ると座席が自動で取れ、下から蜘蛛の巣がセイハロー。泣きっ面に蜂どころか、これではアヴァンギャルドにブラックメタルです。

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醤油やお茶、ネギなどもギトギトで非常に怪しいのであまり大量にはかけられません。夏ですし。店内だとおじいとマンツーマンになってしまうので外で食べることに。外で食べ始めるとおばあがギラギラとおにぎりを持って入ってきました。「人でも殺めて来たんか?」か「おばあもおったんか?」かで迷いましたが結局突っ込めず。こういったお店はたいてい、それでもうどんは絶品!となるはずなのですが、麺は伸び伸び、ダシもうすすぎて暗闇でお茶と間違えたのでは?!とまた焦りました。もう行かないでしょう。

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うどん旅を続けていると、時に哀しみを背負うこともあるのです。海に出ました。海はすべてを忘れさせてくれますし、何より海沿いにはたいてい美味しいうどん屋さんがあるんです。

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三件目は綿谷。うちわミュージアムの近くですね。高松にもお店を出している名店。ちょうど昼時に伺ったのですが、二つある大きな駐車場がほぼ満杯。常に長蛇の列です。さきほどの讃岐製麺所は夢か幻だったのでしょう…

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出ました。スペシャルぶっかけ。肉うどんにおける豚肉派と牛肉派の血で血を洗う抗争に決着をつけた偉大なメニューです。豚と牛が半分づつ、しかし目一杯盛り付けられています。ワカメと温玉、それにレモン。それに鷹の爪を少々。このうどんをかき混ぜている時が、人生で一番幸せかもしれませんね。

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高松に帰投して四軒目はうどんの田。高松で今一番クールなスポット仏生山に位置します。

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ここの売りは何と言っても角煮うどんなんですが、「こんな時間に来てもないで!(売り切れです)」と取りつく島もありません。平日は10時前、土曜日は朝の5時半くらいに行かないとありつけないそうです。私がありつくには仕事を辞めるしかないですね。

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それでもひやひやのめかぶうどんは絶品でした。めかぶのネバネバがところてんのようなツルッとした喉ごし、味わいを演出してくれます。しょうがを沢山きかせましょうね。インゲンを格子状に並べた天ぷらもダシ汁と抜群にあいます。

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誰だか存じ上げませんが、北野まち子さんも一推し

というわけで、もし第九釜があればお会いしましょう。シェイクちんぽ


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