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第十二釜 : お兄様がバターよりうどんが好きなはずがない。

お世話になります。Marunouchi Muzik Mag 編集長 Sin でございます。

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遅ればせながら四国水族館に行ってきました。入館料2200円、嫁のぶんも合わせて4400円、駐車場600円、ごはんやお土産などを入れると諭吉氏がスーッと飛んで行きますが、夕暮れのイルカさんをふくめて魅せ方がとてもオシャレで大満足でした。

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一枚板のアクリル板を使った大きな水槽に瀬戸内海が再現されます。このアクリル樹脂の板は、世界で水族館の概念を変えたと言われる香川県三木町の日プラで制作されています。何枚貼り重ねても曇らない凄い技術。

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カブトガニを小脇に抱えて持って帰りたくなりました

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今日の運転サウドントラックは ZIGGY の "Zoo & Ruby"。とにかく ZIGGY が好きなんですよね。特に森重さんの、文字通りルビーのようなメロディーの煌めきが何十年も心を捉えて離さないんですね。

刷り込みと言われればそれまでなんですが、中1の時初めて組んだバンドが ZIGGY のコピーバンドだったんです。校内を原チャが疾走し、トイレにコンドームが散乱し、毎日消化器が爆発しているような田舎の学校なので、まだまだヤンキー文化が世界を支配していました。当時は、なぜか BOΦWY のコピーをするのは素人という評価がはびこっていて (実際には布袋さんをはじめとしたアイデアの宝庫で、グルーヴ感も半端なく全く簡単ではない)、かといって X JAPAN や LUNACY、ラルクは荷が重い。そんな時、友達の兄が勧めてくれたのが ZIGGY だったんですね。(KATZE や BACK-TICK も勧めてくれたので、どこからともなく原チャを調達してきたり他校の生徒なら誰にでも石をぶん投げるような人柄はともかく、音楽センスは良かったみたい)

最近何かで、13,4歳の時に出会った音楽を人は一生愛するという調査結果を読みました。間違っていないかもしれないですねえ。"Gloria", "Tokyo City Night", "La Vie en Rose", "I'm Gettin' Blue"...森重さんが奏でる美しき魔法のクリシェの数々は今でも全く色褪せることがありません。

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あの THE BEATLES も得意とした、コードのルート音の上昇下降に合わせた旋律の行進。クリシェ、それにサブドミナントマイナーを使わせたら、日本で森重さんの右に出るものはいないでしょう。"ズーとルビー"。実はこのアルバム、ビートルズのアナグラムになっているんですね。実際、"Zoo & Ruby" はリリックやメロディー、コード進化すべてにビートルズへの憧憬が詰まった作品なのです。

もちろん、このビートルズへの愛情は、作曲の天才であるベーシスト戸城氏の影響も大きく、新たな血を取り入れ続ける彼の好奇心はおそらく当時の先鋭 RADIOHEAD などにも反応していました。そうして2人の化学反応はとどまることのないメロディーの洪水、遂にハノイロックスの影から抜け出すドラマティックで温故知新な ZIGGY 劇場を完成へと導いたのです。

余談ですが先日、横を通ると、かつて中東の紛争地帯を思わせた母校もすっかり平和安全なオアシスになっていました。国連でも入ったのでしょうか?そして音楽室からたどたどしいバンドの演奏が。自分がはじめた学校でのバンド練習、文化祭でのライブがまだ続いていると知って、音楽室まで乗り込んで全員と握手したい衝動に駆られましたが通報待った無しなので思いとどまりました。こんな小さなことでも、人生で何かを残せたとしたらきっと幸せですよね。

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今日の一軒目はなりや。香川のうどん不毛地帯、東讃の三木町に位置しながら常に駐車場が満杯の大人気店です。

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釜玉とバターの組み合わせ "かまバター" はもはやうどん界のクリシェと言えるほどで、明太子やチーズなどバリエーションも増えてきましたが、かけうどんにバターを容赦なくブチ込むストロングスタイルは、私が知る限りなりやだけ。黒胡椒を効かせたこの "かけバター" が実は病みつきになるんですねえ。バターのコクといりこの旨味、それに黒胡椒の香りと塩味が完璧にマッチして思わずダシまで完飲してしまいました。

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ふわふわサクサクのアナゴ一本天がまたこの濃厚なうどんに素晴らしく合うんです。40円の大葉の天ぷらで彩りを添えれば完璧です。

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二件目は喰うかい。丸亀の港にこじんまりと佇み、中華そばもイケると評判のお店。

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ここの牛すじうどんは本当に絶品です。私は少し塩味が効いたダシが好みなのですが、ホロホロに煮込んだ牛すじと濃い目のダシが最高のマリアージュを実現。自家製唐辛子とおネギの相性も抜群です。一見コワモテの店主さんですが、これめっちゃ美味しいです!と告げると頬を赤らめ照れまくっていました。

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隣には丸亀がシェアの大部分を占めるうちわの博物館があります。素知らぬ顔で車はここに置きましょう。ほとんど誰もこないので、入ると横になってくつろいでいたうちわ職人のおじいが慌ててうちわを作り始めます

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うちわちゃん (知らんけど)

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三件目はすずむし。ラーメン屋です。高松の渋谷こと南新町、菊池寛通りに居を構えます。ライブハウス toonice さんのほぼ向かいですね。香川県民の9割が愛読しているナイスタウンラーメン投票で一位を獲得していました。(先日紹介したはまんどはたぶんベストジーニストにおけるキムタク的な存在)

新作の特製貝醤油ラーメン、美味しかったですねえ。貝の旨味が凝縮されていました。普段はいりこ醤油を愛食しているのですが、たまには冒険してみるのもいいですね。ただし、隣の新卒男女よ、ラーメン屋で合コンをすな!

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というわけで、もし第十三釜があればお会いしましょう。シェイクちんぽ!!


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