恋愛失敗-中学生編- vol.6(美術部同期)
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受験が本格化した中3秋頃
志望校を一番手校に焦点を定め、受験が近づいてきた中3の秋頃。この頃からお互いの距離は徐々に近づいていきました。
筆者も美術部同期も、合格ラインには既に達していましたが、とはいえ油断ならないのが受験です。中3秋頃になると、スポーツ推薦組が受験し出すため、「いよいよ受験が近づいてきたな」とソワソワする空気になっていきます。
「よしおは余裕だもんね~~」と美術部同期が話しかけてきます。そう、筆者は美術部同期よりも少しだけ成績が常に上だったので、このように絡まれることも増えてきました。
滑り止め受験
筆者が育ったのは、北陸地方のとある田舎です。都市部(特に首都圏)出身者は驚くかもですが、地方の高校受験では基本的に「公立校>>私立校」の構図ができあがっており、大多数は公立校を第一志望に見据えています。スポーツ推薦組を除き、私立校は滑り止めでしかありません。筆者の地元も、例に漏れず公立校第一志望の生徒が大半であり、まずは私立を受験して、合格してから公立受験に臨みます。
そんな滑り止め受験がやってきた中3の1月、筆者含め受験生は皆、初めての入試に緊張していました。
筆者は、とある共学の私立校を滑り止めにしており、美術部同期も同様でした。その高校は、県立一番手校・二番手校の受験生御用達の滑り止め校だったので、筆者の中学からも多数の受験生が受験します。筆者は、(美術部同期に会えないかな~)と少々浮かれた気持ちで受験に臨みました。
当時、筆者は、クラス内で微妙な立ち位置にいてナーバスになっており、このような「非日常」を味わえるイベントが単純に楽しかったのです。
会場に到着すると・・・
教室は性別で校舎ごとに分けられていて、美術部同期には会えませんでした。
少々がっかりしていると、突然「マタニティ!!!!」と大声で叫ぶ男子生徒が現れました。真相は分かりませんが、彼は目立ちたかったのだと思います。他の中学には変な学生がいるなあ、このひとと同じクラスにはなりたくないなあ、、と考えながら受験しました
さて、後日。
ある授業終わりに担任が封筒を渡してきました。滑り止め校の結果が届いたようです。
結果は・・・
合格してました。やったー!
美術部同期も合格です。美術部同期とハイタッチしました。
受験って楽しいなあ・・・
と筆者はそんな浮かれた気持ちで第一志望の入試に臨むことになるのでした。
第一志望受験
いよいよ、中3の2月末。第一志望校の受験日です。
筆者も美術部同期も、緊張していました。
前日、美術部同期から、「がんばろうね!!」と声をかけられました。
(受験っていいなあ・・・)と筆者はのんきに考えていました。
第一志望受験当日、筆者は電車で会場に向かいます。その高校は県庁所在地にあるので、筆者からしたら、それもウキウキなポイントでした。
というのも、筆者の地元は田園地帯のなかにあるので、県の中心である県庁所在地に行くのは、「地方から東京に遊びにいく」くらいにインパクトがあるイベントだったのです。
よく遊びに行くときも、僕らは「市内にいく」と言っており、県庁所在地は憧れの場所でした。地元の公立校に行く同級生をやや蔑んだ目でみていた当時の筆者は、振り返れば結構嫌な奴だったかもしれません。
とまあ、前置きはこの辺にして、第一志望の高校に向かいます。高校最寄りの駅が近づくにつれて、ビルの高さはどんどん高くなります。
「いよいよ受験だ、頑張ろう」という気持ちと「美術部同期はいるかな?」という浮かれた気持ちと半々でした。
会場に到着すると、、美術部同期は別教室でした。
まあ、これは仕方がありません。
切り替えて、最後の追い込みをしていました。
受験は、それなりに順調でした。
もともと合格圏内にいたので、(たぶん受かるだろう)とは思っていましたが、何が起きるかわからないのが受験です。(最後まで頑張ろう)と気を引き締めました。
そして・・・
受験が終わりました。手ごたえは(たぶん受かったかなああ・・・)でした。絶対的な自信がある状態ではありませんでした。
合格発表の日
筆者は、ひとりでその高校まで結果を見にいきました。県立校は同日に発表されるので、各々が各高校に見に行く感じです。
発表時刻は14:00頃でした。
筆者は緊張しながら、最寄り駅を降りました。
高校までの道を不安な気持ちで歩きます。
途中にパン屋さんや書店がありました。
地元とは違う、ちょっとした都会的な雰囲気に筆者はワクワクしていたのを覚えています。
(この高校に通うことになったら、ここ寄り道してみたいなあ)と、そんなことを考えながら向かっていきました。
高校に到着すると、クラスメイトの男子がいました。
「お、よしお!今来たのか!」と話しかけてきました。このクラスメイトは合格の当落選上にいた子でした。
「合格してるといいなあ」「やっべー、、緊張してきた」そんなことを言いあいながら迎えた、合格発表の瞬間。
校舎入口に掲げられたボードに、教員が次々に紙を貼りだしていきます。先に声をあげたのは、そのクラスメイトでした。
「よっしゃ!!!受かってる!!!!!」
筆者は一気に不安になります。
(自分だけ落ちてたらどうしよう・・・)
とそんな不安な思いを抱きつつ声をかけます。
「まじか、おめでとう。僕のやつ見えないんだよね・・・XXX番なんだけど。」
クラスメイトが返します。
「おー!!あるぞ!!合格だね。」
自分が見つける前に見つけられました。
自分でも確認します。XXX番・・・
あった!!ありました。
喜びがあふれてきました。
と同時に安堵の気持ちがあふれてきました。
(努力が報われてよかった、、これで華の高校生活だ・・・)
合格発表の帰り道
合格をかみしめて、ふと目をやるとクラスメイトはもういませんでした。
おそらく親に報告しているのでしょう。
筆者も親から借りた携帯電話で親に連絡します。
「受かったよ!」「おお、。。よかったな」
そんな会話も、ふわふわした気持ちでどこか誰かの思考に入り込んだ感じで報告していました。
電車賃の余ったやつで好きに買っていいよ、と言われていたので帰り道に、さっき通り過ぎたパン屋さんでカレーパンを買いました。
すごく美味しいカレーパンでした。
こんな感じで、帰り道にパンを食べながら帰るの、最高にワクワクするだろうなあ・・・と4月以降の新生活に想いを馳せます。
卒業
中学校の卒業式は3月下旬でした。美術部同期も同じ高校に合格していました。筆者は、うれしい気持ちで一杯でした。
一方で、卓球部のあの子とは高校が離れ離れになります。最後まで和解できなかったことを残念に思いました。
筆者は、友達と4人で写真を撮りました。
美術部最後の日
卒業式の後、筆者は美術部の最後の集まりがありました。この日は、部室内の最後の点検と顧問の先生への挨拶の日でした。
この日は晴れていたので、筆者は自転車で学校に向かいます。
(美術部同期に会うかな~)と淡い期待を抱きつつ。
学校に到着しました。既に春休みだったので、(ここに停めればいいか)と校舎入口にチャリを置きました。
校内は静かでした。部室に行きます。
部室には美術部同期がいます。
「久しぶり!」と声をかけられました。
「久しぶり!」と返しました。
しばらくして、顧問の先生が
「○○先生があなたたち呼んでるから、玄関までいってきて!」と、筆者と美術部同期に言ってきました。
二人で玄関に向かいます。
道中、美術部同期が話しかけてきました。
「ねえ!高校一緒だね」
筆者は「そうだね、よろしく」と返します。
玄関に到着すると、〇〇先生が立ってます。
「こら!!玄関に自転車停めちゃダメでしょ!!」
みるとそこに2台の自転車があります。1台は筆者のもの、もう1台は美術部同期のもののようです。
「高校合格したからって、浮かれてちゃダメでしょ!!しっかりしなさい。」少し、いじわるな感じで怒ってきます。
傍からみれば、それは『2人で仲良く登校してきたのかな』と感じさせる停め方でした。筆者はまんざらでもありませんでした。
連絡先交換
筆者の中学生の頃はガラケー全盛期でした。そして、ちょうどiPhone4が登場した頃で、一部の先駆者がiPhoneを使い始めていました。
筆者の地方では、中学で携帯を持つのはほんとに少数派で大多数が高校入学と同時に携帯を持ち始めました。
筆者も携帯を・・・というところでしたが。
部室に戻ると、皆が連絡先交換をしていました。
校内には携帯持ち込み禁止だったので、番号とメアドを書いた紙を交換していました。
「よしおも教えて!!」とみんなが言ってきます。
筆者は携帯番号とアドレスを教えました。こうして筆者は1日にして数人の女子のメアドをGetしたのですが・・・
続きは次の記事にて解説します。
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