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恋愛失敗-中学生編- vol.2(卓球部のあの子)

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前方のあの子に一目惚れ。

「一目惚れ」まさにこれです。

中学校の登校初日、筆者は緊張しながら自席にたどりつきました。

入学式のときは周りをみる余裕がなくて、誰一人顔を覚えることなく帰宅したのですが、その日は多少は心の余裕があったのでボケーっと前のほうを眺めていました。

前のほうでは、同じ小学校同士と思われる騒がしい連中がはしゃいでいます。「うるさいなあ・・・」と思いながら目をやると、ふと前方右斜め前の女の子と目があいました。

「あ・・・かわいい」そんなことを思いながらも、あまり見つめすぎると気まずくなるので目をそらしました。

特にその時はなにも思わなかったけど、気づいたらまたその子を目で追っていました。完全に一目惚れしたのだと思います。

クラスの注目の的に

筆者は友達のつくり方がわかりませんでした。

小学校の時は、自然と「みんなで仲良くしましょう」みたいな空気になるのでいつの間にか仲良くなったけど、知らない人とどうやって仲良くなれるのか皆目見当がつきませんでした。

クラスに同じ小学校出身のひとはいたけど、あんまり仲良くない子だったので特に仲良くする感じにもならず、登校初日の休み時間はひとりでぼーっとしてました。

すると、みるからにうるさそうなお調子者が話しかけてきました。
「おい!お前、小島よしおに似てるな(笑)(笑)よしおってよんでいい??」

僕はテレビを見る時間が厳格に決められた家庭で育ってきたので、小島よしおがだれかしりませんでした。

筆者が似てるとされた小島よしお

筆者「小島よしお??」
お調子者「そう、よしお!!ハイ!!おっぱっぴー!ギャハハハハ」

こんな感じで騒がれていると、筆者の周りに人だかりができ始めました。
「たしかにめっちゃ似てるな!」「よろしくね~~」「てか、眉毛ふと(笑)」「似てるの8割くらい眉毛のせいじゃね(笑)」

ここで、僕は生れて始めて自分の眉毛が極太であることに気が付きました。
この日は、クラス中に僕の名前と特徴が知れ渡りました。

正直、気分がよかったです。
あと、実際は小島よしおの眉毛の3倍くらい極太で激濃でした。

一躍、時のひと

クラスの注目の的になった後は、その週には学年中に筆者の名前が知れ渡りだしました。小学生時代から、勉強がよくできたので、ついでにその情報も流れ始めました。

「1年4組にやたら眉毛が太いやつがいるらしい」「小島よしおに似てるらしい」「頭がいいらしい」

登校初日に一目惚れしたあの子も話しかけてきました。
「ねえ!ほんとに小島よしおに似てるね」
すると、お調子者が割り込んできました。
「モノマネやって!!モノマネ!ハイ、おっぱっぴー」
筆者は嬉々としておっぱっぴーをやりました。
あの子に見えるように。

他のクラスの連中も話しかけてきました。
まさに時のひとでした。

筆者は破竹の勢いでその名を学校中にとどろかせていきました。いじられキャラとして。ヤンキーの先輩も話しかけてきました。
「やっほーよしお!眉毛ふといな(笑)抜いてやろうか??(笑)」

完全にいじられキャラになりつつありましたが、それでも友達ができないと思っていた筆者は安堵しました。

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