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「複業まちづくり銀行員」の自己紹介の話

みなさんはじめまして。
「複業まちづくり銀行員」をやっております齋藤浩文(さいとうひろふみ)と言います。
私は鳥取県の県庁所在地、鳥取市で地方銀行に勤務しながら、民間まちづくり会社(株式会社)を経営しております。


生活の基盤となっているのは「鳥取銀行」での仕事

 私は鳥取県鳥取市生まれ。
幼少の頃から高校生まで鳥取市の中心地で暮らし、大学は建築やまちづくりを学びたくて鹿児島大学の建築学科、そしてその流れで大学院に進み、計6年間生まれ育った鳥取市とは環境の違った南国鹿児島で過ごしました。
 そして、大学院ではPFI(Private Finance Initiative)やBID(Business Improvement District)などまちづくりに関わるファイナンス制度の勉強をしたこともあり、「民間資金を活用したまちづくりを地元で進めたい」と考え、鳥取に戻り、新卒で鳥取銀行に入行しました。
 そこから約17年間、銀行の仕事では直接まちづくりファイナンス制度に関与してはいませんが(最近ではプロジェクトファイナンスやPFIを担当する専門部署もあるものの業務では縁が無く)、鳥取銀行で仕事を続け、気がつけば完全に中間管理職の仲間入りです。

 学生時代に考えていたような仕事が銀行でできている訳では無いですが、地元の中小企業支援に関し、本部のコンサルティング部署や営業企画部署で長年関与させていただいており、やりがいと意義を感じながら、そして良い仲間に恵まれながら今も毎日銀行で働いています。

プレーヤーにもなりたくて、「まちづくり会社」を起業

 銀行員になって7年が経った2013〜2014年ごろ、街の先輩方から鳥取市で開催される「リノベーションスクール」に誘ってもらい、少し人生が変化しました。金融業として間接的に事業者支援は続けていたものの、もっと主体的に、”プレーヤーとして「街」に関わりたいな!”と思ったんです。
 参加した2泊3日のスクールはすごく熱を帯びていて、「俺もなんかやるぞ〜」と漠然と思えて行動を起こそうと思いました。
 スクールの題材だった鳥取大丸(現・丸由百貨店)屋上のリノベーションは、事業と呼べるほどではなく「まちづくりプロジェクト」の枠を出ないものだったと思いますが、街の皆さんにクラウドファンディングで200万円以上支援していただいたり、”動けば変わる!”という感覚を得ることができた経験となりました。
 そして、そこから約10年が経過する現在までの間に、鳥取駅前徒歩5分に位置する遊休ビルのリノベーション(Marching bldg.)を事業として行うことになり「株式会社まるにわ」を設立。複業で民間まちづくり会社を設立したことで注目もいただき、色々な機会にお声がけいただく機会が増え、2021年からは鳥取市中心市街地活性化協議会のプロジェクトマネージャーも拝命しています。少しづつ、学生時代に想い描いていたような「まちづくり」のフィールドで生きている実感がある今日この頃です。

パラレルワークのバランスとポイント

 そんなわけで私は現在、「鳥取銀行」と「まるにわ」の2つの仕事を掛け持ちしてるわけですが、その生活のバランスをご紹介して、初回の自己紹介を終わろうかと思います。
 まず、この生活ができている最大の要因は、鳥取銀行の「地方創生起業チャレンジ支援制度」です。この制度は、僕が会社を起業して、本気でまちづくりに取り組もうと決意した2021年に鳥取銀行が制度化した制度であり、今現在、私はこの制度を利用してパラレルワークを続けています。

<地方創生起業チャレンジ支援制度>

  • 給与は制度活用前と変わらない(通常の行員として適用)/自身に課せられるミッション(目標)もフルで働いていいる場合と変わらない

  • 勤務時間の一定時間は重ねて兼業に取り組んで構わない(昼間まちづくりの仕事をしてもOK)

  • 本業の時間を圧縮して成果を出せれば、自身の(地方創生に資する)会社を経営していてもOKな制度

 私は今現在、本業(銀行業)は一部成果ベースで判断してもらえて、兼業を本業時間中に重ねることができるという、金融業界では珍しい人事制度に支えられて、楽しく仕事をしています。基本は毎朝8:30までに出勤し、17:30の定時まで銀行で勤務しています。仕事が立て込めば相応の残業が発生することも当然あります。一方で、まちづくりに取り組む株式会社まるにわの仕事は、アフター5や休日に取り組むことも多いですが、上記の銀行制度を使って、昼間にまちづくりの仕事にも取り組んでいます。その場合、銀行勤務時間中であれば、まちづくりに割く時間は概ね1/4以下に調整しています。文字通り「出たり入ったり」、オンラインも活用しながら、最適にパラレルワークができるよう、スケジュール調整なども日々工夫をしながら働いています。銀行の制度制定も大変にありがたいですが、これが続けられているのは、職場・同僚の理解の賜物だなぁと感じています。

 僕はこの制度を活用するタイミング(2020年ごろ)で管理職となりましたが、管理職が日中にしばしば居なくなって(自社の仕事に行ってしまって)、時にテレワークベースで各種業務が成立している、部署と同僚の理解ある環境が、現在のパラレルワークを支えてくれています。

 これから働き方はもっと自由になっていくこと間違いなしですが、銀行員という”お堅いイメージ”のある業界も、辺境(ローカル)から変化し始めています。この変化を若い世代にも伝えて、多様なキャリアデザインが生まれてくることが、人口減少期における地方の活力向上になるのではないかと考えています。

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