【古民家リノベ㉙】とにかく48枚との闘い(中二階ができるまで編)
1階、2階、、、、は馴染みがあるし、海外の映画や小説が好きだったから時折出てくる「地下室」も聞き馴染みがある。
聞き馴染みがあると言っても実際には地下室的なものとの接触は皆無だし、なんだったら映画や小説の個人的な趣向の問題で、地下室はほぼほぼ怖い場所と言うイメージしかない。
急なピエロは置いておいて・・・・
「中二階」なるものとはほぼ無縁の生活だったから、初めて古民家で出会った時はとても新鮮だった。
そういえば、ちょっと違うかもしれないがアパートなどの物件を探している時もロフトがあると、なんだかワクワクした。あれもちょっとした中二階なのか?住んだことはないが。
今回はそんな中二階の改装編。
秘密基地めいた玄関上の個室
まだ空き家だった時に見学に行った際、一番「この部屋おもしろい!」と思ったのがまさに中二階となるこの部屋だった。
土間側の玄関の上にあって、他の部屋と少し独立しているところ。
階段も数段しかなく、天井も低い。
なんかこじんまりとしているところが、ちょっと「秘密基地」めいていてワクワクした。
階段と言うと部屋の中にあるのがほぼ当たり前だけど、旧玄関のある土間から直接上がれる場所にあるのがなんだか面白かった。
中二階は途中から増設されたのか(だとしてもだいぶ昔だけど)壁は数種類の板がツギハギに貼られ手作り風。
それにしても室内に急にスノーダンプがあったり、寝室?なのに鍋だの食器だのがたらふくあったり、電気の配線も本来なかったのだろうから、無理やり引っ張ってきた感があったり、かなりカオスな現場。
昔は老夫婦部屋だったらしいが、その後は多分長い事物置として使われていた雰囲気だ。
春になり、片付け解禁
冬の間はできなかった片づけを、ここぞとばかりに始めた2018年春。
⇩片づけの様子はざっとこちらでも紹介⇩
⇩
流石にこのまま使うなんて事はないけれど、あのゴチャゴチャをスッキリ片づけ、掃除しただけでもかなりの達成感。
大量の物たちは、急こう配な階段で行ったり来たりするのは危ないので、、、と言う理由をつけ、窓から投げ出せるものは投げ出す作戦。
good-by秘密基地
ここは孤立した秘密基地にしたいけど(いつまでも言う)室内の一部にするので内壁も何もかも解体する事に。
穴が開いて、押し入れの役目をこよなく果たさない場所は「直す」のではなくいっそ窓にしてしまおうと壁はもちろんオール撤去。
ここを開放する事で明るさもだいぶ変わる。
ツギハギの壁も、ツギハギと言えど結構しっかり貼ってあって、解体も一苦労。はがすと太い梁や柱、茅葺屋根の内側が真近に見える。
低い天井もはがして、高さを確保。
48
2020年の7月の終わりくらいから、中二階の「作る」工程へ。
新たに取り付ける窓はFIX窓にして(貰い物)できるだけ光が入る様に。沢側の景色が見えるようにした。
正面側にもともと付いていた古い窓は外して、もうすこし高い位置に、新たにサッシを入れた(これも貰い物)
窓関連についてくわしくはこちらへ⇩
この部屋の天井は梁の他に垂木もいい感じの色が出ていて隠してしまうのはもったいない!
ということで
急遽大変大変面倒な事に、垂木を見せるために一か所ずつ枠をはめ
石膏ボードを張るというとてつもなく気の遠くなる作業に取りかかる。
石膏ボードを貼る前に、枠を設置するのが一苦労。
なんせ同じように見えて、皆微妙に幅、長さが異なる。
この枠を我々が正確に造作出来る訳もなく、いや詳しくは頑張ればそれらしきものは作れるかもしれないが、鬼のように時間がかかる。
という事で
今回もwith棟梁(ボランティアの粋を越えすぎている扱い)
そんな棟梁に作ってもらった枠を、ひとつずつひたすら垂木と垂木の間にはめてビスで止める事×48回。
そうこの垂木と垂木で仕切られた?枠組みは全部で48か所ある。
ただ垂木の上にペターッと板を貼るだけ、もしくは石膏ボードを貼るだけなら、そこまで手間はかからなかったのに、ただ「垂木見せたい」というよく分からぬこだわりのせいで48枚。
上の方は脚立や台を使ってはめているのだが、またしてもこんな時に限って
猫が計ったように後ろから頭突きをしてくる。
落ちても大したことはないが、是非やめてもらいたい。
そしてなぜ邪魔して欲しくない時に限って邪魔するのか??(考えても無駄な永遠の謎)
そんな攻撃に耐え、何とか次の工程の石膏ボード貼りへ。
当たり前だが石膏ボードも、一つずつ微妙に異なるサイズにカットし固定する事×48枚。
この頃は夏真っ盛りの8月上旬。
ただでさえ暑い上に、高いところはさらに「熱い!!」
扇風機もフル稼働中。
そんなこんなで、なんとか48枚貼り終える。
壁のこだわり
中二階の壁は石膏ボードにするべきだったのかもしれないが、なにせ天井の48枚で石膏ボードを嫌になるほど加工&取付しまくったので(自業自得)
ある種の石膏ボードアレルギーを発症し(心的に)・・・
いう訳でもないのだが、天井も石膏ボード壁も石膏ボードはなんだか
「しつこい」気がして、かといって1階の「ピクチャーウィンドウROOM」みたいに古材を貼るにも、この時点で使えそうなものはなく、外壁の時に使ったのと同じ板を使うか。という事になった。
外壁で使ったものと同じ杉板をここでも使用。
結果、石膏ボードを貼るより、なんとなく山小屋チックに。
逃れられない48の呪い
自ら招いておいて、呪いも何もないのだが
石膏ボードを48枚貼り終えたからとて「ハイ終了」ではない。
石膏ボードをビスで止めたからにはビス穴たちが存在する(失敗した穴あきもあり)
ペンキ塗りをする前に、ビスの穴をパテを塗って隠さなくてはならない。
48枚×ビス穴12個(およそ)=計算不可(したくない・考えたくないと言う意味での不可)
このまたしても途方もない作業に失神寸前だったが(誇張)
当時月一くらいで手伝いに来てくれる友が一緒にその作業をしてくれる事に。
天井のパテ塗り、いう初心者には(初心者じゃなくても)ハードルが高い場所にもかかわらず、サクサクかつ丁寧に作業を進めてくれ、ひたすら感謝!!
歓喜のペイント天国へ
どの工程の何よりも好きなペンキ塗り作業。この作業のために48枚耐えたと言っても過言ではない(自ら招いたくせに)
48枚を塗る!って言ったら
「また48~!!??_(:3 」∠)_」
ってなるところだが、クレイジーペインターなので、これに関しては「喜」しかない。
むしろ100枚でも1000枚でも、よい!!(そしたらあの工程も100、、、ゾッ)
折角1枚ずつ苦労して貼ったのだから、全部一緒の色はなんだかつまらない!ていうのと、何色にしようか決めかねていたのでいっそ色々使ってしまえ!!と、色を迷った時の再びの解決法を採用。
まずはパープル系。この色を多めに配置し、そこに違う色を指し色的に一枚一枚塗っていく。
本来垂木にマスキングテープでペンキが付かない様に養生するべきだが、テープが剥がれてちっとも貼り着かないので、とても注意しながら塗る事に。
途中経過写真が無く(とても注意して塗る事に必死だったから)ほぼ完成写真だけどこんな感じに。
ロイヤルブルー、ターコイズブルー、レモンイエロー、ティーオレブラウン、赤系(ペンキの名前不明にて急におおざっぱ)が加わった。
順番は多少前後しているが、床も塗っていく。
床貼りについてはこの前のリノベ記事参照。
床の塗装は台所でも使った自然素材のステインを使用。
確かこの頃はペイント素材(ステイン系)を迷っていて、試しにこちらの物を購入し、中二階の比較的面積の狭いところで試してみたんだっけ。
で、残ったのを台所に使用したはず。
結果的にものは良いが、やはりお値段が結構かかるので、1階全体の広い面積を塗る時は別のものを買う事になったのだが。
壁はウォールナット色に。明るい色より落ち着いた色にしたくて。
階段の位置は、反対側に移動して、廊下だった場所と階段だった場所の一部は小上がりに。
その奥のスペースは押し入れとして使用する事に(もともとちょっとした物置スペースだった)
それから一年・・・
中二階は無事完成したものの、押し入れは手付かずで、なんとなく1年が経過してしまい、流石に掃除などはしたものの、床も壁も未完成な押し入れがあるのも、そもそも物も入れるに入れられないしいい加減作らねば!と
今回はオール自力で仕上げる事に。
床も廃材で頂いたフローリングの床材がちょうどあったので、ありがたく再利用する。
既に暮らしながらの作業は、床や壁を傷つけない様に配慮したり、粉塵をやたら飛ばさないようこまめに掃除しながらだったり、ただただ「作業現場」だった頃に比べると、だいぶ気を遣う作業だった。
とは言えここは自宅。住みながらコツコツ改装、修復、はきっとこれからも随所に出てくるのだろうし、それはそれでいつまでも家を構って遊べる楽しみも味わえるのだから、いい事だ。
完成後中二階♪
人間の秘密基地ではなくなったけど、結果的に猫の秘密基地になったかも。