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キングダムから学ぶ「やりたい事」の見つけ方~河了貂編~

キングダムから学ぶ「やりたい事」の見つけ方~渕副長編~
を書いた勢いそのままに、河了貂(かりょうてん)編も書いてしまおうと思います。

キャリアコンサルタントとして20代の方のキャリア相談を日々お受けする中でお悩みぶっちぎりNo1の「やりたい事が見つからない」に対する処方箋である「計画的偶発性理論」というクランボルツ先生が提唱したキャリア理論を、漫画キングダムを通して考えてみよう。という企画。

キャリア理論にも、クランボルツ先生にも、キングダムにも興味がない。
という方は読まないことをオススメいたします。

計画的偶発性理論??

「計画的偶発性理論」は、
スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって20世紀末に提唱されたキャリア理論です。

キャリアに関する理論は星の数ほどあるのですが、このクランボルツ先生の「計画的偶発性理論」さえ知っておけば、他は必要ない。というくらい絶対的なキャリア論だと思っています。

簡単に言うと、
❶個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定されるぜ!
❷だから偶発的な出来事に常にアンテナ張っておこうぜ!
❸予期しない出来事をただ待つのではなく、計画的に起こそうぜ!
これだけの理論です。

たったこれだけの理論なのですが、
「やりたい事が分からない病」に悩める20代男女の悩みはほぼこの理論で解決する。という優れものです。

この記事では、大人気漫画キングダムの「飛信隊」の河了貂(かりょうてん)を題材に「やりたい事の見つけ方」を考察していきます。

河了貂のやりたい事

西の山民族で生まれた河了貂ですが、部族が滅びて孤児となり、盗賊や犯罪者が住む黒卑村で、人が通る情報を黒卑村の住人に伝える事で小遣いをもらう。という暮らしをしていました。

毎日を生き抜いていくために、
やりたい事もくそもなく、ただ生きていくために生きている。
そんな河了貂ですが、信・秦王政との偶発的な出会いにより大きく人生が変化していきます。

秦王政や信と行動を共にし、王都咸陽への帰還や、呂氏による政暗殺計画を防いだりしているうちに、河了貂の中で「やりたい事の芽」が芽生えてきます。

それは、信と一緒に戦場に行きたい。という想い。

暗殺集団・蚩尤の末裔として育ってきた羌瘣(きょうかい)の圧倒的な戦闘力の高さを見て、
・女性でもこんなに強くなれるんだ!
・自分も強くなれば信と一緒に戦場に行ける!
という淡い考えから弟子入りを志願しますが、あえなく却下。

しかし羌瘣(きょうかい)のアドバイスや力添えもあり、
結果的に河了貂は「軍師になって信と戦場に行く」という明確な目標=やりたい事に辿り着きます。

そしてその目標を実現するために、政の敵である呂氏陣営の昌平君が主催する軍師養成所に潜り込むことに成功します。

昌平君の下で軍略を学んだ河了貂は、飛信隊が1,000人の隊に成長を遂げたのちに軍師として飛信隊に加入します。

飛信隊の立上げメンバーとして、信とずっと一緒に戦い会社の業績を上げるためにガムシャラに頑張ってキャリアを積み上げてきた渕副長に対し、
河了貂は飛信隊で軍師として信と一緒に戦う為に、軍師になる道を逆算して自らのキャリアを作ったわけです。

つまり、
信や政との偶発的な出会いによって渕さんも河了貂も「やりたい事スイッチ」が入ったわけですが、目標を決めずに飛信隊の中でガムシャラにやるべき事をやり続けた渕さんに対し、河了貂は「軍師になる」と目標を定め、学校に通って学ぶという道を選んだわけです。

営業未経験で入社してたたき上げで副社長にまで上り詰めた渕さん。
海外の大学でMBAを取得して経営企画としてコミットした河了貂。
という感じでしょうか。

20代の方のキャリア面談でも、
転職するにあたって資格を取ったほうがいいのでしょうか?
というご相談をよくいただきます。

目指す場所が決まっており、そこに進むために必要であれば資格は取ったほうがいいし(河了貂パターン)、目指す場所が決まっておらず何となく資格があったほうがいいかな?位なら、まずビジネスの最前線に飛び込んでガムシャラに頑張る(渕さんパターン)をオススメしています。

河了貂キャリアモデルから学ぶべき3つのこと

今回紹介した河了貂パターンのキャリアモデルから学ぶべきことを整理してみます。

❶ 偶発的な出来事をチャンスに変える大切さ

黒卑村で通行人情報を報告して小遣いを稼ぐという生活を送っていた河了貂は、その生活から抜け出すチャンスに対して常にアンテナを張っています。信・政との偶発的な出会いを「チャンス」と捉え、二人の脱出の手助けをし、政の咸陽帰還をフルサポートし、その後も信と生活を共にしていきます。

この出会いが自分の人生を大きく変えるチャンスであると直感で捉え、その直感に対して積極的に自ら行動していくわけです。

「やりたい事が見つからない病患者」の多くは、偶発的出会いが起きる場に計画的に身を置いていない、自分から行動を起こさず相手からの誘いや働きかけを待つ。という傾向があります。

偶然の出来事が起こる環境に計画的に身を置き、アンテナをしっかり張って、チャンスかも?と感じたら積極的にまず行動してみる事。その行動の先に「やりたい事」を見つけるチャンスが眠っているのです。

❷ 「自分はどうありたいか」から「やりたい事」を決める

河了貂は最初から軍師を目指していたわけではありません。軍師を目指すという決断をした背景は、「信と一緒に戦場に行きたい」という自分の中に湧き出てきた想いです。

その「信と一緒に戦場に行きたい」という想いを実現する手段として「軍師になる」を選択したわけです。

自分は何がやりたいんだろう?と悶々と考え、
ミュージシャン?デザイナー?マーケティング?企画職?といきなり職種から考えていても答えは見えません。

様々な出来事に偶発的に触れ、様々な体験を通して自分の中に芽生える強い想いや感情の声を聴く事。何がやりたいか?ではなく自分はどうありたいのか?を追求した先に、目指すべき場所(職種や業界)が見えてくるのかもしれません。

❸ やりたい事が明確になった後の道筋

河了貂は「軍師になる」と決めて、昌平君が主催する軍師養成所で学ぶことを決断します。経営に近いポジションで働く事を目指して海外MBAを取得しに行きました。

営業職や販売職のように経験のない人材を積極的に活用する職種もありますが、技術職・エンジニア・デザイナーなどの専門職に就く為には、やはり専門知識と専門スキルが必要です。

渕さんモデルでキャリアを積み上げていくのか、河了貂モデルで学びの時間を挟んで専門的なキャリアを目指していくのか。

自身の目指す場所が決まれば、その場所に到達するための複数の道筋が見えてきますし、その道を提示してくれるキャリアコンサルタントに頼ってみるのもありでしょう。

結論、
やりたい事が見つからないと焦っている20代の方は、焦らず慌てず、しっかりとアンテナを張って、まずは目の前の道をガムシャラに進みながら、明確な想いや目指す場所が決まれば、その時に改めて道を考える。そんな渕さんと河了貂のキャリアの重ね方を参考にしてみてはいかがでしょうか?

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