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「反抗期ってありましたか?」と聞かれて返答に困った話

2022年から関わっている居場所事業の事務所内での雑談中、中学生のお子さんがいるスタッフから「後藤さんって反抗期ありましたか?」と聞かれて、過去の自分を思い返していると、あったとも無かったとも言えず「うーん」としか答えようがありませんでした。
思春期にはその時期特有の親と距離を取りたい期間はありましたが、それは成長の段階で訪れるごく普通の反応だと思います。
これを反抗期というのかな?

“反抗”のコントラストを強くするのは、そもそもの親子関係があると思うのですが、そのスタッフ親子の関わり方や本人の特性を聞き出せた分だけ挙げて、後藤家と比較してみようと思います。
※あくまでも違いを比較するだけで、優劣をつけるものではありません。

【スタッフ親子】
・一人っ子(男の子)、母子家庭
・おばあちゃんが食事を作ることが多い
・好き嫌いや料理への注文(文句)が多い
・甘えん坊(べったり)
・友達の前では親と距離を取る
・部活等はしていない
・趣味はゲーム(課金もなかなか)
・おこづかいはあるだけ使う
・「頭がいいから」と勉強をしない
・夏休みの宿題などもやらず、最終日に親とやる
・弁当箱や上靴は親が洗う

【後藤家】
・三人姉妹(私は末っ子)、両親
・母親が食事を作る(自営業なので売上により食卓の内容が変わる)
・好き嫌いは多いが残さず食べる
・親にべったり甘えることがない(逆に甘えてはいけないと思っていた)
・誰の前でも親への態度が変わらない
・運動部所属(負けず嫌い)
・趣味はジグソーパズル、エレクトーン、インスタントカメラで写真を撮る
・貯金が好き(できるだけ使わない)
・勉強は好きではないが、成績が上がるのが嬉しい
・夏休みの宿題を計画的にやるのは苦手だが、親に手伝ってもらったことはない
・上靴や弁当箱は自分で洗わなければ、翌朝そのままになっている

こうして羅列してみると、環境や親子の関わり方がが全然違いますね。
特に私の家族は姉2人が絶対的に強く、私が自分の役割をさぼると「自分のことは自分でやれ」、服を買ってもらったりすると「甘えんな。自分でやれ(買え)」と鋭く重たいツッコミが入るのです。
元々両親も祖父母も甘やかすタイプではなく、なんとなく大人には甘えちゃいけないものだと思い込んでいて、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントでさえも、自分なりに金額の上限を設定してリクエストしていました。
(誕生日→2000円、クリスマス→5000円みたいな)
それが、小学校に上がる前からの話です。

なので、とても大人びている子どもでした。
いわゆる“子どもらしさ”があまりなく、過去の自分を振り返っても「可愛くないなぁ」と感じます。
そして、両親とはスキンシップもなく常に付かず離れずの距離を保っていたからか、過度に干渉も期待もされることはなく、「勉強しなさい」とも「将来こうなってほしい」とも言われたことはありませんでした。
ここだけ聞くと、愛情不足の子どもかな…なんて印象を持たれそうですが、私を一人の人間として認めてくれている感覚はあったので、愛情が足りないと感じたことはありません。
両親に対して尊敬と感謝の気持ちはありますが、好きかと言われたら、それはちょっと違うような気がしています。

一方、息子さんが反抗期で手を焼いていると感じている職場のスタッフは、これまで子どもが困らないように、失敗しないように手助けをして(何でもやってあげていた)、子どもからも愛情を注いだ分だけ可愛い反応が返ってきていたのでしょう。
子どもは親との距離を取りたい年頃になったけれど、これまで何でもやってもらってたから急に様々なことが自分の責任になることに戸惑うだろうし、親も自立を促したいけれど、どこからどこまでを許せばいいのか境界線がわからない。
急速に変化していく親子関係のコントラストが強いほど、子どもの反抗期を強烈に感じるのかもしれません。

親と子の関わり方は、家庭でも違うし、同じ家庭でも兄弟で違います。愛情をたっぷり注いでも、受けとる側次第なところもあります。

ただひとつ言えるのは、子どもは親(身近な大人)のことをよく見ていて、真似します。
だからこそ、子どもと接するときは“かっこいい大人”でいたいけれど、“カッコ悪い部分も受け入れている大人”でいたいとも思っています。
子どもから見て「だっさ、、」な状況をどう乗り越えていくのか、それを見せられる大人でいたい。
よく見とけ!と胸を張っていられる自分でありたいなと常々考えるのでした。

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