焦る私とストリートピアノ

会社近くの駅に用事があって降りた。

下を向いて誰とも目を合わせないように歩く。

全く、いつまでこうしてるつもりなのだ私よ。

今日は病院の日でカウンセリングの日でもあった。

カウンセリングは高いので、月に1回だけお願いしていた。

今日は３０分だけ。時間があっという間に過ぎるので、話したいことをノートにメモしていった。

私はカウンセリングの時間が好きだった。

ここ最近、内省を繰り返してやりたい仕事、というのが微かに浮かんでいた。

それをカウンセラーさんに話すと「いいですね」と言われた後、こう続けた。

「でもスパッと今辞めるのはまだやめた方がいいかもしれない。

まるさんの会社の休職で使える期間はまだあるわ。まだ曖昧な時間を使って、その間に新しく始めたい仕事のスキルを学ぶの。そして、ちゃんといけそうって思ったら、その時初めてやめた方が良いと思う。

勢いでスパッとしても、後悔しても戻れない。

でも辞めるのはいつでも出来る。

まるさんは占いとかいくって言ってたよね。占いってその瞬間はよし！やるぞ！ってなっても、次の日あれ？ってなったりするじゃない？」

「はい、魔法が解けます」

「だよね。今もしその状態だったら危険だから、まだやめる決意はしない方がいいと思うよ。

まるさんの性格上、責任感とか、白黒はっきりさせたいタイプなのはわかるけどね」

カウンセラーさんは優しく微笑んだ。

私はうつむいた。

たしかにやりたいことは、将来性がわからないし、今の会社とは全然違う系統だからやったことない職種で不安しかない。

自分でも怖がっているのがわかった。

でも焦るよ。

焦らないで、って先生やカウンセラーさんに言われても焦ってしまうよ。職場近くの駅を顔をあげて堂々と歩きたいよ。

お金も目減りしてきた。でもスキルを学ぶにはいい金額を払わなければいけない。なにか仕事をして対価を得たい。

どうして私の心はこんなんなっちゃったんだろう。一生懸命真面目に仕事してたはずなのに。

なんで。

もやもやうつむきながら駅ナカを歩いていると、今だけ期間限定で、中心にストリートピアノが置かれていた。人だかりになっている。コロナ過の中珍しい。でも久しぶりに見た光景にわくわくした。

中心で、ピアノを弾いてる人はきらきらしていて。

それをぼーっと眺めていて、私は、

そうだ、noteを書こう。

となぜか思った。

自分も表現がしたくなった。

今私が夢中になっている、文章をかくこと、動画を作ること、

自己表現すること。

うつむいている暇があるなら、文章を書く練習と、動画のスキルをあげようと思った。没頭したら、なにも考えられなくなるいつもの自分がいるから。

冷静に考えると、

焦らないで、

と言ってくれる方がいる私は恵まれていた。

だから今は、

まだ自己表現しながら、気持ちを落ち着かせて、

視野を広げる努力をしようと思う。