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映画 「EIGHTH GRADE 」

この映画、観ている間中胸が苦しくて苦しくて堪らなかった~

主人公のケイラちゃんは日本で言うなら中学3年生のいわゆるイケてない女の子。
本当の自分とイケてない現実。その葛藤がとても上手に描かれていて、それだけに、同じような思いや経験をしたことのある者にとってこの映画は、古傷が疼くような、なんとも言えない切ない想いに駆られます。

誰にとっても多感な中学・高校時代。
学校という限られた狭い社会ではトップのイケてるグループから始まる独特のカーストのような階層が出来上がってしまいます。

子供たちはそこでうまく自分の居場所を見つけて、その居場所でうまく馴染まなくちゃいけない。それ以前に居場所を見つけられない子だっている。

そんなこと考えたこともない!という幸せ?な子だってもちろんいるだろうけど、不器用な性格だったり、何か人と違うことへコンプレックスを抱えていたり、そういう子供たちにとってはかなり過酷な社会…しかも3年ないし6年間はその環境の中で生きていかなくてはいけないのですから子供は大変です。

その中でもがいて頑張る主人公ケイラちゃん。変わろう、変えようと勇気を出して行動するのにいつも空回ってしまう自分への情けなさ、虚しさ。私には痛いほどその気持ちが分かりました。

私は子供の頃、家で一人で絵を描いたりしてるのが好きで、友達と遊ぶのを億劫に感じていました。流行ってる歌を知らなかったり、好きなテレビ番組は「大草原の小さな家」だったり!。日々の生活の中でも大勢の子供達の中で違和感を感じることが多くて、自分でも「私は一般的ではないんだな」って感じていました。ただ、私はまだ子供で、自分の個性を貫いて一人で過ごす強さなんて持ってなかったから、周りから浮かないように、お友達と遊ぶ時は何をするのか、どう振る舞うのが正解なのか?、そればかり気にして過ごしていました。

今となってはすっかり気楽なおばさんになってる私だけど、子供の頃に色々自分を調節しながら過ごした「歪み」みたいな思いは、今でも自分の一部として残っています。

 当初公開されたのは三つの劇場だけだったのが、どんどん話題になって全米ヒット作品になっていったというこの映画。

もちろんこの主人公への「共感」以外にもヒットの要因はたくさんあると思うけれど、なーんだみんなもこんな切ない思い知ってるのね?って思うと胸が軽くなるような気がしたし、窮屈な子供時代の思い出をいまだに抱えていた自分にも、「今が幸せなのだからいい加減手放せば?」っていう気持ちにしてもらえました。


「え?中学生の頃?親友がいて、毎日遊んで、あの頃はただただ楽しかった」

「何この主人公、めっちゃ痛いー」

そういう風に言える楽しい学生生活を送れた人も一方でいるんでしょうけれどね。

それはそれで羨ましい限りです 笑。



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