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たった1日で30センチほど積もった雪は、私の心を衣のように覆った。

感覚のなくなっていく指先と心。

雪の一欠片には何が詰まっているのだろう、と考える。

あの、美しく繊細な結晶の中には一体何が詰まっているのだろう。

一見美しく見えて、酷く私を傷つけるものかもしれない。

はたまた、美しい見た目の通り、私を包み込む母性のようなものかもしれない。

人は分からないものに対して一番恐怖を覚えるんだ、とある友人は言っていた。

だから私はこんなにも怯えているのだろうか。

得体の知れず、身体と心の感覚を失わせ、自身は一切の正体も明かさない雪に。

それでも、否応無く雪は降り続ける。

私の存在など一切気にも留めずに、深々と。

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