「北陸/冬」と言えば寿司 今回は北陸の寿司は美味いぞという記事を書きます
皆さんご機嫌いかがですか。お元気ですか。
突然冬になった感がありますね。秋がなくなったという声もよく聞きます。
かくいう私もこの急激な気候の変化について行くことが出来ず、風邪を引いてしまいました。(現在熱は下がりましたが、今次風邪はどうも咳が残るタイプのようで、咳をするたびに胸が痛みます)
いよいよやってきた冬将軍。ここ石川ではこの時期に雷が多発します。この雷が雪を呼ぶものであるため「雪起こし」と呼ばれています。
一方この雷は冬の幸の寒鰤が獲れ始めるときに鳴ると言われており、「鰤起こし」とも言われています。いよいよ冬の味覚の美味い時期到来です。
鰤料理といえばいろいろありますね。脂がのった刺身は別格のうまさ。鰤大根はあのほくほく具合が絶品。塩焼きはこれまた非常識なうまさです。
そんな中、石川、鰤と言えばそうです。寿司がありますね。
そこで今回は突然冬らしくなったことを口実に、寿司をテーマに記事を書いていこうと思います。
え?サステナブルとかカーボンニュートラルについてはどうなんだって?
そんな堅い記事ばかりじゃ嫌になるでしょう。そこで今回は思いっきり寿司に降った記事にします。(といってももちろん最後には少し言及しますよ。)
日本人として当たり前の食事、寿司。この歴史を今一度振り返ってみましょうか。
寿司の起源と歴史の紹介
寿司。その起源はなんと奈良時代にまで遡ります。
当時の寿司は「なれずし」と呼ばれ、魚を塩と米で発酵させて長期保存するための方法でした。
この伝統的な保存技術は、日本の食文化の基盤を築く重要な役割を果たしました。
この「なれずし」ですが上記米穀機構のウェブサイトに以下のような言及がなされています。
おお。かぶらずし。
こいつはまさに金沢の冬の名物です。こいつはこいつで非常に美味いのですが、今回は純粋な寿司の話なので、かぶらずしはまた今度。
さて時代が下ると、寿司はさらに進化を遂げます。
江戸時代に入ると、今日私たちがよく知る「江戸前寿司」の原型が誕生します。
新鮮な魚介類を酢飯の上にのせるスタイルで、現代の寿司の直接的な先祖と言えます。江戸(現在の東京)の発展と共に、寿司は庶民の間で人気を博し、日本全国に広まっていきました。
明治時代になると寿司はさらに変化します。
この時代には、寿司がより手軽に楽しめる「押し寿司」や「ちらし寿司」などのスタイルが登場しました。
また寿司職人たちの技術も進化し、より洗練された味わいを追求するようになります。
現代において、寿司は日本国内のみならず世界中で愛される料理となりました。
世界各国で寿司はその国の食文化に合わせてアレンジされ、多様な形で楽しまれています。カリフォルニアロールなんかがその典型ですね。
寿司の多様性は金沢という日本の裏側でも進行しました。
そう今日では当たり前のように知られた、金沢の「回転寿司」文化でございます。
金沢で独自に発展した回転寿司文化
「金沢の回転寿司って本当に美味いよな。」
私が大学生の時、群馬県出身のなんだかよく分からないけどお金を持っている先輩がいまして。その先輩が言っていた言葉です。私が大学生のときですから、いまから25年前。
ネットも何もない、情報ソースはテレビかラジオか紙媒体。そういった時代に県外の人の声を聞くって、今よりも本当に貴重な事だったなぁと改めて思い返します。
さて、その謎の金を持っている先輩は、当時珍しいイタ飯の味も知っていたし、タイ料理とかベトナム料理とか、一部の特権階級が愛用する町中華など、まぁひととおりのグルメ道を齢20そこそこで網羅していたわけです。
その彼をして「金沢の回転寿司って本当に美味いよな。」と言わしめるのです。
正直、当時の私は「はて?」といった感想でした。
「それほどのものですか?(゚Д゚)」
回転寿司といっても回転寿司はそれ以上でもそれ以下でもありません。
回転寿司は回転寿司。
先輩がありがたがる意味が分かりませんでした。
それから時を経て令和の現在。ひとたび金沢特集なるテレビ番組があれば「回転寿司」がやたらとフィーチャーされているではありませんか。
あの金持っている謎の先輩は先見の明があったのです。
地元民にはその価値が分からなかったんです。当たり前すぎて。
ですが県外の人からは「それほどのもの」だったのです。
どうして金沢の回転寿司は県外の人に指示されるのか。
回転寿司には欠かせないあのぐるぐる回るベルトコンベア。そのトップシェアを誇る石野製作所さんが金沢市にあります。
この会社の回転寿司コンベアは国内シェア60%を占めています。
1974年に自動給茶装置付きコンベアを開発し、瞬く間に日本全国に広がりました。このコンベアは「回転ずしの第1次システム革命」といわれ、業界に革命的な価格と価値をもたらしました。
こういった企業のお膝元であることが、金沢を「回転寿司大国」たらしめている一因だと思います。
しかしそれだけでは「美味い」と言わせられない。
「美味い寿司」の最高峰は、日本国内で最高の食材が集まる豊洲由来のものであるのは間違いないでしょう。ただ「美味さ」を基準にすれば金沢の回転寿司なんてたいしたことないのです。
ですが世の中の酸いも甘いもを若干20前半で知った謎の先輩は「金沢の回転寿司って本当に美味いよな。」と言いました。
そして4,5年に一度程度金沢にやってくる際に、今でも回転寿司をご所望なされます。(今でも謎の金持ちであるには変わりありません)
これはやはり漁港の近さがものを言うのではないでしょうか。(仮説)
石川県には漁港が69港あります。
富山県は16港、福井県は44港、新潟県は64港、山形県15港、秋田県22港…とざっと日本海側の府県の漁港数を調べてみると、石川県はトップなんですね。
新鮮なものを手に入れるには、冷凍技術とかも大切ですが、基本は近くから仕入れて直ぐ食べる。これが基本です。
その仕入れ先である漁港を数多く有する石川県。だから「美味い寿司」が身近にあるんじゃないですかね。
地元の漁港数なんてこんな記事でも書かないと調べることなんてありませんでした。勉強になりますね。
以下は水産庁にあった石川県の漁港一覧です。マニアックな資料ですが興味があったらごらんください。
この恵まれた水産資源に迫る危機
冒頭、北陸は鰤なるぞと書きましたが、実はその構図に変化が現れています。下記は水産庁の記事です。
ここに少し気になる下りがありました。
すわ気候変動のせいで、北陸の豊かな漁場に壊滅的な影響が!?と一瞬思いましたが、いろいろな記事を読むと、海水温が上がると鰤の漁場は北上するのはセオリーらしいですね。
一方で漁獲量が減り、一方で漁獲量が増える。北陸で鰤が獲れなくなってしまっても、別の漁場で獲れるようになる。確かに現業に与える影響は大きいですが、得られる水産資源に大きな変化はないとなれば、消費者としては別に大したことはないです。(実際の漁業関係者は大変でしょうが…)
ちょっと気になって気候変動による水産資源への影響を調べてみました。次のようなものがあります。
水温の上昇
海流の強まりと流路の変化
稚魚の隠れ場や餌場となる藻場の消失
これらの影響によって、水産資源の分布域が変化し、次の現象が起こります。
既存産地における漁獲量の減少
新たな産地の出現
漁期の変化
漁獲される魚が小型化
漁期の遅れ
生息域の減少
気候変動による影響が顕著になると、2050年頃には世界のほぼすべての海域で漁獲量が減少し、小さい魚しかいなくなると国連環境計画(UNEP)は発表しています。
本当かどうかは分かりません。
ですが、もしも気候変動問題は本当に手に負えない状態になっていて、この海水温の上昇が止まることなく進んだとしたら…。人間にとって素晴らしい未来になるかもしれないし、その逆かもしれない。
予測不能というのは本当に怖いもんです。
ただ、水産資源に大きな影響を与えている要因には、気候変動のほかに、水産資源管理の問題もありますので、制限なく採捕してしまう「乱獲」の方が人類が対処しなきゃいけないことなのかもしれませんね。
とにかく、金沢は「回転寿司」が美味いんです。いろんな理由で。
それはすべて自然の恵みがなせる技。
この水産資源をの恩恵を100年先も得られるように、気候変動問題に対応することは必要なのではないでしょうか。
100年先の対応は今から始めれば間に合うかもしれません。10年後、20年後だと…。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。