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脱炭素胡散臭い 気候変動問題胡散臭いと思っている人への話

凝り固まってしまったおじさんの価値観

カーボンニュートラルや脱炭素をネットで調べると、カーボンニュートラルのビジネス利用、脱炭素経営といった「ビジネス」と結びついたワードが目立ちます。なにせこの脱炭素というワードは特に日経新聞でよく飛び交っていますので、その媒体を愛読しているビジネスパーソンや経営者さんたちにはまさに商機といったところなんでしょう。

ある銀行がGHG排出量算定サービスと提携した。ある企業がCO2を吸着させる素材を研究している。ある企業がCO2を貯蔵する仕組みを開発した。ペロブスカイト。蓄電池。SGDs…。

カーボンニュートラルや脱炭素を取り巻く情報は多岐にわたります。

いままでこの分野に特に関心の薄かった私は、これらの点の情報を渦に巻き込まれ、馴染みのない用語の嵐に中に身を置くことになります。そこで先ず思ったのはカーボンニュートラルって結局のところ誰かがそれで美味い目に遭いたいだけなんでしょう。

企業のトップが地球のためにとか、政治家さんが環境のためにとか言っても、商売の仕掛け以外の何物でも無い。そんな斜めの見方しかしていませんでした。

一度その考え方を持った人間というのは、なかなかその軌道修正をすることが出来ません。カーボンニュートラル胡散臭い。脱炭素胡散臭い。こういう考えで凝り固まっていまいます。

これがまだ若ければ良いんです。物事に柔軟に対応するキャパありますから。
ですが私のようなおじさんは厄介で、もう半分陰謀論で頭が固まってしまっています。

そんなとき偶然です。
私の友達がこんなことを言いました。

自ら進んでやらないことを敢えてやる

「俺、最近決めたんだ。今度、競艇に行こうと思う。」

彼は私と同じ46歳。家庭を持ち、子供さんも高校生というそこいらの普通のサラリーマンです。その彼が突然はじめて競艇に行くというんです。

ーとうとう山師になった。やばい。なんとか思いとどまらせなければ。

ぶっちゃけ私はそう思いました。

彼は私の表情をみてすぐに察したのでしょう。
続けてこう言います。

「正直、自分は競艇自体に何の興味も無い。ただ職場にそれに詳しい人がいて、その人の話を聞いていたら、一度、経験してみるのもいいかなと思って。」

内心、彼のこの言葉にほっとしました。

続けて彼はこう言います。

「この年になると、正直新しいことってやらなくなるだろ。やらないどころかその情報すら拒否するようになる。何が原因か分からないけど、自分の凝り固まった価値観みたいなものが、そういったものをはねつける。するとどんどん視野が狭くなっていく。気づくと自分が嫌いだった老害に自分が成り下がってしまっている。だから、最近こう決めたんだ。自分だったら絶対経験するのと選択しないことを敢えて経験するようにしようと。」

私はこの言葉に金槌で頭を叩かれた感じがしました。
自分はまさにこれでした。老害に成り下がっています。

こいつはいかんと考えを改め、まず私はカーボンニュートラルのそもそも論。気候変動問題についていろいろ情報を収集しはじめます。

気候変動問題を正しく理解するための優しい動画に出会って老害っぷりを自覚する

そこで触れたのが東京大学の江守正多先生の動画です。

https://youtu.be/Zsw2TJ006mc

大変わかりやすく気候変動問題に関する解説をされていらっしゃいます。この動画は3部構成になっていますので、気候変動問題の基本を知りたいという方にはご視聴をおすすめします。
私が思っていた疑問にくまなく答えられています。

気候変動とかカーボンニュートラルとかふわついたこと言ってんじゃねぇ。一発逆転とか考えずに地道に商売しろや。なんて先駆者に対して斜めに構え、そして唇の皮を噛みながらひがみ根性むき出しだった私はこの動画で一撃の下に斃されました。

いつの間にか自分が一番になっていたんです。気候変動問題に関してはずぶの素人であるにも関わらずにです。老害です。

もちろん気候変動問題に懐疑的な言論があることも私は承知しています。それは各人の受け止め方次第。個々人が自分の責任でその真偽を判断すれば良いと思います。

敢えてやるのは筋トレと一緒

人の情報処理能力には限界があります。その中で情報の取捨選択というのは極めて重要な能力です。ですがこれも筋トレと一緒で鍛えないと、その能力はどんどん低下していきます。なので時には「ああっ無理!」っていうくらいの負荷を与えてやる必要があるんじゃないでしょうか。

それでも理解が薄い気候変動問題

気候変動問題。知れば知るほど待ったなしの状況だと言うのが分かります。
しかしこの認知度の低さは一体なんでしょうか。

つい先日、こんな記事がありました。

この記事の中に興味深い内容がありました。
カーボンニュートラル実現に向けた取り組みが必要と答えた人の割合です。

1400人を対象に実施された調査です。10代から70代にわたってその関心度がグラフで示されていました。

そこで明らかになったのはカーボンニュートラルという言葉の認知度が2021年4月の調査と比較して1.5倍になったというのです。結構な話です。

ですがどうでしょう。私の周りではまだまだな感じが大勢を占めています。

これはもちろん弊社が中小企業であると言うことと深く関係しているでしょう。
なんだかんだ言って、やはりカーボンニュートラルに関する取り組みは大企業を中心としたものですから。

言葉の浸透は着実に出来ている。
となれば次は実体を伴った理解の促進。これが大事になってくると思います。
カーボンニュートラルはあくまでも手段です。目的は気候変動問題の解消、影響低減です。

このあたりの意識も広がってくれると、世の中の雰囲気は結構変わってくるじゃないでしょうか。

そのためには胡散臭いと拒絶したり、どこかの意識が高い人がやってれば良いでしょと一線を画すのではなく、ちょっとでいいから先ほどの江守先生のような動画をご覧いただくのが良いと思っています。

そこで刺さればお友達や知り合いに、その知識をちょっとでいいので披露してください。

そのちょっとのことがこのままの自分とは随分と違った未来を作ってくれる気がします。

来月、私は友人と一緒に競艇に行ってきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。