練習してきた技が本番で出せない…そうならないための正しい練習法について

練習は一生懸命やっている。綿密に作戦も練ってきた。

そして今回の大会のためにとっておきの秘密兵器を用意しておいた。

それを出すベストなタイミングが巡ってきた。よし、出そう!

しかし…出せない!何故?練習ではちゃんとできたのに…

そうやって悔しい思いをしたことはありませんか?

今回はそういう何故練習ではバッチリできたことが本番ではできないのか?そして本番で練習の成果を発揮するために正しい練習法について紹介したいと思います。

バーミンガム大学卓球部でおこなった対照実験について

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練習の指導の方法が異なるふたつのグループにわけて対照実験をおこないました。

サーブの打ち方の指導方法によって練習の習熟度と本番での成果を比較したそうです。

ひとつのグループでは、サーブの打ち方について具体的に打ち方の手順を教えたそうです。動きを分解してポイントを区切り区切り教える方法ですね。これは明示的学習法と呼ばれるやつです。

そしてもうひとつのグループでは、「相手のコートをなぞるように打て!」というように、打ち方のイメージを教えて練習させたそうです。これは暗示的学習法です。

さてさて、これで如実に成果の違いが表れたそうです。

明示的学習法では練習の習熟は良かったが本番で力が発揮できなかった

具体的に手順を指導したグループでは、全体的に練習の習熟度が高かったそうです。

やはり、動きの順序を具体的に教えてもらったほうがわかりやすいですよね。そのためほとんどの部員がサーブの打ち方を身に付けられたそうです。

しかし、いざ試合になるとこの練習したサーブを使うことができなかったそうです。

試合のときはどうしても緊張するため、頭がはたらきません。加えて試合中は状況が目まぐるしく変化するため、いちいちサーブの手順をおさらいしている余裕などなかったそうです。

もしサーブの手順が3段階あるとするならば、そのうちの1段階目を思い出せれば良い方でしょう。どうやら技を反復練習で覚えるだけでは足りないようです。

暗示的学習法では習熟はいまいちだったが本番では成果が出せた

一方暗示的学習法で指導したグループでは、練習の習熟度はあまり良くなかったようです。

イメージの捉え方は人それぞれです。たまたま指導者と感性が似ているならば、すぐに良いサーブが打てるようになるかもしれません。が、その指導者の感性がいまいちわからない人のほうが多いかもしれません。

「ウナギみたいに手を使うんだよ!」とか、「ここでグッと踏み込んでバン!って打つんだよ!」、「ズキューン!ってパスじゃねぇ!シュルルってパスをよこせよ!」とか言われても「???」ってなります笑 しょうがないです。

ところが、本番では多くの部員が教わったサーブを繰り出すことができたそうです。やはりイメージができているならば大変な状況下でもすぐに実行できるようです。

これなら試合前に「○○の状況になったら○○サーブを打て!」とさえインプットしておけば出せるでしょう。

このように明示的学習法と暗示的学習法にはそれぞれ長短があります。

では最良の練習法とは何ぞや?

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