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マーケティング先進企業のマーケティングスタック(Marketing Stack) - 前編

貴方の組織では今どのようにマーケティングデータを管理しているのでしょうか? 

持続的な利益を生み出す為に"マーケティング"は、"革新"と共に企業にとって最も重要な機能だとピーター・ドラッカー先生も口酸っぱく話しました。

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これほど重要な"マーケティング"の"データ"ですので、海外はもちろん、日本国内でもマーケティングが上手い企業は、既にBI(ビジネス・インテリジェンス)などを導入し自社のマーケティング活動をデータ化しながら、インサイトを得て、それをまた自社のマーケティング活動に活用するループで行っております。
一方、まだ多くの企業が未だにエクセルでマーケティングデータを管理していると見受けます。競争環境やそれによる戦い方が激しく変わっている時代で、AIや様々な有効な技術が出回っているにも関わらず、まだ変化してない企業は沢山いるのではないでしょうか。
これは予算の問題よりは思想の問題かと個人的には思い、このnoteにはマーケティングデータ管理に対する、多少なりのtipを記載したいと思います。

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マーケティングスタック(Marketing Stack)とは、マーケティング活動にレバレジを掛る為に使用される技術のグループを意味しますが、アプリビジネスを行っている多くの企業の場合、ほとんどがアトリビューションツール(トラッキング)のみを利用しているのではないでしょうか。5~6年前を考えると、このアトリビューションツールさえ定着されて無かったので、意味のある進化ではありますが、マーケティング先進企業は更に進化されたマーケティングスタックを組み込み、そうで無い企業より有益なインサイトと効率高い手法にて競争に優位性を持ちながらマーケティング活動を行っております。中身は企業によって多少異なるものの、一般的には下記のように構成されています。

マーケティング先進企業のマーケティングステック
1. 広告費用の自動集計ツール (Imp, Click, Costなどの上位ファネル)
2. アトリビューションツール (Install, Revenue, Eventなどの下位ファネル)
3. データの単一化(上位ファネルと下位ファネルの結合)
4. データのビジュアリゼーション(インサイト発見)

まず、"広告費用の自動集計ツール(Cost Aggregation)"について。

 - WHAT?
 "マーケティング=投資活動"である為、自社のマーケティング投資費用がどのように使われているかに対する理解は必須です。これを、システムを用いて正確、かつ効率よくする為のツールが、広告費用の自動集計ツールです。

 - WHY(背景とメリット)?
 全世界的には2,000以上の媒体(広告ネットワーク、DSPなども含み広告トラフィックを販売する企業を広く言いました)があると言われていますし、日本での主要媒体もパッと数えて20社以上はあります。各媒体社はそれぞれ特立された会社である為、マーケターは毎日、各媒体社が提供する管理画面にそれぞれ接続し、先日までの費用を含むマーケティングの上位ファネルに関するデータをエクセルで纏めるのですが、大変な作業です。よって、これらをシステムで解決し、"マーケターには本来の役割である、人の心を動かす仕事とその戦略及び実行に集中してもらう為"に設計されました。日本では広告代理店側で代理店が運用してる媒体のレポートをまとめて送ってくれるのが一般的ですが、海外では自社での広告運用がほとんどである為、これは避けては通らない課題です。
 メリットとしては、データ取得の自動化による"大幅リソース減少"です。一般的にマニュアル集計作業で、15時間/週の時間が使われていると言われています。加えて、"媒体のデータ更新にも対応"できます。Facebook, Twitterなどの場合、費用以外のImpression, Clickに関する過去のデータが日の経過によって少しずつ更新されます。これを毎度マニュアルで対応するのは地獄ですね。ただ、これまでのメリットだと効率だけの話として捉えかちで、マーケターがもっと頑張れみたいな話になりかちですが、最大のメリット、
"マニュアルではできない、システムであるからこそ出来る部分は、データの粒度"です。マニュアルでは作業の量から、媒体単位での集計を行うのが殆どです。一方システムであれば媒体が提供する、キャンペーン、サブキャンペーン、クリエイティブ、パブリッシャー、キーワードなどのデータまで取得が可能です。マシンラーニング基盤広告の場合、キャンペーンを細かく分類せず、出来るだけ多くのコンバージョンデータから学習させた方がベストですが、そうで無い広告の場合、運用側でしっかりとキャンペーンの仮説を立て、有益・無益のキャンペーンを見極ながら運営を行う必要があります。それ以外のメリットとしては、誤入力を防ぐのもあります。

 - HOW?
 自社のエンジニアチームより構築して貰うパターンと、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)を利用するパターンが二つあります。前者はデータの取得頻度、定義などを自由にできるメリットがある一方、後者は社内のエンジニアリングチームのサポート無しに解決できながら、新規データ連携やメインテナンスなどを全て任せるメリットがあります。
データの取得にも幾つかのパターンがあります。
 1) レポーティングAPI (Reporting API) - Facebook, Google Ads, Twitterなど規模が大きく、技術的にも進化されている媒体社は、データの閲覧だけではなく、広告主が自由にデータを取得し、自社の社内サーバーなどで保存できるようにAPIを提供していて、このAPIを活用し上位ファネルデータを取得する方法です。
 2) 管理画面のスクレーピング (Web Scraping) - 媒体社の管理画面にデータがどのように表示されるかを把握し、システム的に必要な項目を自動的に取得する方法です。違法などの声もありつつ、表示されるデータは広告主のデータであり、媒体社はID/PWにて各広告主のデータを厳重に管理しているおり、他広告主のデータが盗まれる事は無いので、グレーゾンではあります。
 3) トラッキングリンクを活用 - 媒体からImpressionやClickの度にTracking Linkに広告費用の情報を載せてアトリビューション側に送る方法です。
 4) CSVファイル - 自社が利用する自社内では対する理解を正確、かつ効率よくする為のツールです。

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広告費用の自動集計ツールに関しては、ここまでです。気になる部分や質問などある方は、下記までご連絡ください。
email: kwoo819@gmail.com
Facebook: https://www.facebook.com/keunwoo.kim.mars.jr
Linkedin: https://www.linkedin.com/in/keunwoo-kim-13b7372b/

次回はアトリビューションについて、アトリビューションについては、既に必須品となっている為省略し、次回のnoteにはデータのデータの単一化、データのビジュアリゼーションについて、記載致します。一方、まだアトリビューションについてよく分からない新卒の方や職種変更された方達の為に、知っておくべきアトリビューション編についても別途記載致します。

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