公園写真記
花の名前も知らない。
いつもの公園でまたカメラを構える。同じところを撮影していると、自分のカメラの癖に気づいて、つまらない写真ばかり撮っているという気にさせてくれる。どうしたら、異化できるのか。それを考えながら撮影することで、一歩踏み込める領域があるのかも知れない。だからいつもの公園に没頭してみることにしている。
春ですね。この公園でいちばん人の目を惹く桜。花を背景に自撮りしている女性に遭遇する。東南アジア系の方のように見えた。その写真はインスタに上げるんだろうか、それとも故郷の人に送るんだろうか。
この花輪は人工的だ。頭上に桜は咲いているがこの花が咲いているのは丘の下にしかない。人が来て、落ちた花をここへ持ってきたのだろう。さっきの人が自撮りのためにしたのかも知れない。人の影が見える。帽子は数日観察しても消えることがなかった。
別日、花は散らされ帽子は移動していた。別の人がここに来たらしい。
この間、父の抽斗から発見した未現像のフイルムを現像した。それは私の作品ではないからここには載せない。一緒に見つけた当時のフイルム。有効期限は2010年となっている。フジのSUPERIA Venus 400というカラーネガである。期限切れだからと使わないのも勿体ないから、NikomatELに装填してサクサク撮影してしまうことにした。
夕方の日陰で、露出はやや抑えたので青みが強いが、フイルム自体はそれほど劣化していないようだ。
公園は港と隣接していて、また元々入江の小島を埋め立てて造成しているので、色々な表情がある。
ベンチはあれど、人が座ったところをついぞ見たことがない。後ろの小山にはオオヤマツミ神社がある。
マジックアワーという時間帯の呼称はダサいと思うけど、たしかにこの夕刻の写真は印象的なものになる。今の私の限界は1/15秒まで、1/8秒を手持ちでブレさせないだけの身体制御をしたい。
このベンチは正面の配列を楽しむために設置したのだろう。
樹木の枝には躍動感がある。ほんとうに舞踏のようだ。
ふたたび海のほうを見てみると波と光がつくる模様がとても美しい。
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