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「竹取物語2023」

春がゆく
竹の枯れ葉を
散らせては

一面に竹の枯れ葉

ことしは
雲紋竹の花が咲いた
六十年、百二十年に一度と言われ
稲の穂のような花

花を咲かせた年だけ
一斉に枯れるなんて
最初で最後の花で
終えていくなんて

雲紋竹(うんもんちく)の花 重くて垂れ下がる

美しく潔いな
人の命の周期とも重なり
見習いたいような
先人のような存在

裏年や
恨めし舌は
満たされぬ

たけのこが食べ足りない
去年ありあまるほど 
長くたくさん食せたのに
今年はあっと言う間

昨日最後のたけのこを売ってしまった
食べる間もなく売り切れた
みんなも足りない
今年のたけのこ

里山で
取れぬ竹の子 
にらめっこ

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