「半夏生の風」
風うけて
流れる涙
何処へいく
半夏生の風が
高尾の廿里古戦場を
吹きながれる
優しく時に激しく
虫食いされた木の葉のあなを
蜘蛛の巣のあいだを
古戦場跡の木々のあいだを
通りぬける
喜びと哀しみが
頬をつたう
風が同時に
運ぶから
風は歌う
良く来たねと
風は語る
哀しみの物語を
サラサラ
そよぐ風
ザワザワ
揺れる風
心地よさと厳しさが
相まみれて
はんぶんこ
今日はそういう日
喜びは鳥や虫と共に
歌い
哀しみは沢流れと共に
流そう
果実で甘いひと時を
味わって
花があれば
人も虫や鳥たちも集うだろう
そのくり返しが
癒やしとなり
消えてゆく
そしてまた静かに…
風となり始まる
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