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「夏眠から目覚めて」

涼やかな
風に誘われ
夏眠へと

ヒエッヒエの冷蔵庫から
小松菜出してザクザク切れば
断面にうす茶色いもの
あ…ナメクジ切っちやった?

切れ端ないか探したら
それらしきもの 
けれど色が肌色で 
個体のような?

大きい方は変な形
ナメクジじゃないような
殻の取れたカタツムリのような
何もかもが謎めいて

じっと見つめても
わからないけれど
貝殻の名残りを感じるから
カタツムリにしてみよう

寒さから一変
暑さ感じて
じわじわと動きだす
生きている

でもそっとしておいたら
小さい方は溶けていて
大きい方は死んでいた
なんでだろう…

眠りから起こさせなければ
生きていたのかな
でも殻がなければ
生きられない

涼しげな冷気の中で
夏眠していた
カタツムリ
目覚めて永い眠りの中へ

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