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わたしが出会った統合失調症の女性

先日、
私が出会った精神を病んで自死してしまった人達のことについて書きました。

過去のことを振り返ったことにより、

私が人生の中で身近に出会った、
1番強烈に精神を病んだ女性
のことを
思い出しました。

彼女のことについて書こうかどうか
少し悩みました。

いろんな問題が含まれてるように
感じたからです。


自分の中の汚い差別意識や偏見も
書かなくてはいけません。


過去のブログに、
統合失調症でも投薬治療を拒否して、
その症状を受け入れてノーベル賞を
受賞した
ジョンナッシュのことを書きました。

私は
統合失調症でも向精神薬で治療をせず、
症状を受け入れて生活できる!

みたいな美辞麗句に酔ってましたが、

その彼女のことを思い出すと、
わからなくなりました。




それは、
前に住んでいた千葉県での話になります。

当時私の子供達は幼稚園児。

普通の閑静な住宅地で、
一戸建て住宅を借りて住んでいました。

周りには幼稚園児や小学生、
子供がいる家庭が多く住んでいる環境でした。

私が住んでいた家の3軒横に、
そのエリアでは特に立派な大きな家が
空き家でありました。

貸家に出されていました。

ある日、
その家に50前後くらいの中年女性が、
1人で住むようになりました。

その日から、
私が住んでいた近所一帯は大騒ぎになりました。

彼女は家の周りを鉄格子で囲み、
家の外壁に貼り紙を何枚も貼り付け始めました。

詳しくは覚えてませんが、

自分はCIAとFBIに追われている。
日本の警察にも追われている。
電磁波の攻撃を受けている。

といった内容でした。

ちょうどその家の角が、
幼稚園のバスが停まる場所でした。

私達幼稚園児のママさん達は、
その家の前に、
子供を連れて集まらなければいけませんでした。

「変な女が引っ越してきた」

近所の人達は不穏になりました。


そして彼女は
家の中で、
昼も夜中も近所中に響き渡るような
大声で叫び始めるようになりました。

夜中に驚いて近所の人達が、
外に出てくることも
何回もありました。

まだ家の中で叫んでる分にはいいのですが、
時々家の前の道路にまで出てきて、
叫んでることもありました。

そして
時々近所の人を捕まえては、
話しかけてくることもありました。

もちろん皆怖くて避けてます。

とある人は、

「あなたの旦那さんが夜な夜な私の家に忍び込んで来て、私に何か注射をしてレイプするんです。」

と訴えられて激怒していました。

とある人は、

「私の家の天井の梁に男が潜んでいて、
 夜な夜な私をレイプする、
 助けてくれ、
 その男を追い出してくれ」

と訴えられて怯えてました。

私も一度だけ捕まってしまい、
話すハメになったことがあります。

わたしには

「私はFBI、CIAに追いかけられてる。
 家には盗聴器がしかけられ、
 電磁波の攻撃を受けてる。
 FBI、CIAの奴等を見なかったか?」

と聞かれました。

私は真面目に

「このあたりで金髪碧眼の人すら
 見たことない」

と答えました。

幼稚園児や小学生、幼い子供達を抱えてる
私達母親は震え怯えました。

キチ○イが引っ越してきた!
いつ何時、自分達や子供達に危害が
加えられるかもしれない!

何人かのお母さん達で、
市役所、保健所、警察に訴えにいきました。
私もそのメンバーに加わりました。

訴えの内容は

「危ないキチ○イが近所にいる。
 どうにかして欲しい
 病院に入院させて下さい」

みたいな内容でした。

警察は一応調査はしてくれました。

答えは

彼女は統合失調症であること。
両親と弟がいる。
過去に何年間も精神病院に入院はしていた。
両親に連絡してみたが、
もうどうにもならないと匙を投げてる。

そして、

その彼女が私達住民に直接暴力や怪我を負わさない限り、
警察にはその女性を入院させる強制力は
ないとのことでした。

保健所でも同様な返答でした。

今では、
本人の同意もしくは保護者の同意なくして、
強制的に精神病院に入院させられないとは知ってます。

そして今の私は、

保護者の同意のみで入院を強制させることができる医療保護入院制度にも、
批判的な意見を持っています。

でも、
ふとこの女性の件を思い出してしまいました。

当時私達は、
こんな危険な人間を放置する行政に
心底怒っていました。

そして
彼女を放置している両親と弟にも怒ってました。

誰かが刺されでもして犠牲にならないと
国は動いてくれないのか!!

そう言って
警察に詰め寄る強気なお母さんもいました。



その家は鉄格子で囲われ、
家の外壁は怪しい内容の貼り紙で覆われました。

私は賃貸住宅でしたが、
大半の人は持ち家の人達です。

家の資産価値が下がったと嘆いてました。

それだけが理由ではありませんが、
私はそこに住んでいるのが心底嫌になりました。

そんなこともあり、
急いで現在の場所に家を建て
引っ越してきました。

その後、
そのエリアでは
彼女が原因かは知りませんが、
家を売り引っ越す人達が増えました。

今の私は、
日本の精神医療の問題を多々知り、
表面的には綺麗事を言ってるだけなのではないか?



彼女のことを思い出すと感じます。


精神医療は精神障害者を
排除することから
始まった医療です。


「排除」ということにも批判を感じてました。

「排除するなんて酷いことだ」

精神医療の歴史を本で読み、
そう思ってたのです。

でも
もし
また、

近所にそんな人間が引っ越してきたら、、

そんな綺麗事を言って、
そのような人間を気持ちよく受け入れることが
できるでしょうか?

特に幼い子供達を持つ保護者は、
単純に恐怖しか感じないでしょう。

私はどうか?

真剣に自分に問うと

「どこか他所に行って欲しい
 精神病院に閉じ込めて欲しい」

排除して欲しいと思ってしまう気がします。。。


それにしても、
統合失調症という病気は本当に
怖い病気だと思いました。

どうして人間があんなことになってしまうのか!

単純に恐怖しか感じませんでした。

そういえば、

一度彼女の両親が来て、
近所を訪問して謝罪してました。

もちろん、
近所の人達は謝罪なんか必要ないから、
入院させてくれと訴えました。

その両親は年老いて小さく弱々しく見え、
そして
誰よりも自分の娘に怯えきってる様子でした。


「精神に病はあるのか!」

症状はあっても、病気はない!
精神病はない!」


という意見が私には理想に感じました。

でもやはり、
ビョーキとその他大勢に感じさせてしまう人は
いますよね。

池田小学校児童殺傷事件の宅間守。
相模原障害者殺傷事件の上松聖。
秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大。

精神病の人達です。


でも、
ここでまた深い問題にぶち当たります。


彼ら犯罪者レベルの精神障害者、
向精神薬の投与治療で治ってたのか?
向精神薬治療をしていたら犯罪など犯さず、
善良な市民へと回復できてたのか?



結局は
抗精神薬を多剤大量処方して、
鎮静させ大人しくさせて精神病院に
閉じ込めておくしか解決策はないのかもしれません。

そして結論

向精神薬では本当の意味で、
精神病は治せない!!


今回は少し重い真面目なテーマでした。
精神医療問題って難しいですね。

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