京王線の乗り換えが難しい話

元々ラジオが好きで、通学や、家の中で暇なときはほとんどと言っていいほどラジオを聞いていました。ピッツァーカレッジに編入してからもそのクセは変わることなく、教室移動や、就寝前の時間に現地のラジオを聞いています。日本でいうradikoのようなアプリをスマホにダウンロードして聞いているんですが、各局ジャンル別の特色があったりするので、(HIPHOP専門局とか、カントリー専門局とか、最新TOP40専門局とか)ラジオ局の数がめちゃくちゃ多い。

自分がよく聞いているのは、「昔のヒット曲から、最新曲まで満遍なく流しますよ」という様な局なのだが、1日のうちに何回も同じ曲が流れてくる。ジャスティン・ビーバー、アデル、エド・シーランでほとんどが構成されていると言っても過言ではない。そして、Twitterでリツイートすると現金もらえるチャンス、みたいなのを毎日やっている。現金な放送局だ。

ダラダラとアメリカのラジオ事情について話しているけれども、結局のところ何が言いたいのかというと、「全然コミュニティに馴染んでないよね」ということです。まずい。まずすぎる。イヤホンを差している時間が長すぎて、耳の軟骨みたいな部分から血が出るくらいラジオ聞いちゃってる。

そもそも、私は日本にいた時から人見知りで、日本の大学に入学した際は友達作りに大失敗した。しかしながら、アホではないので、失敗から何も学んでいないわけではない。「なんで、あいつは自分から話しかけにいかなくても周りに人だかりができるのに、俺は「友達欲しいなら自分から話しかけにいかないと」とか、大して仲良くもない奴に説教されなきゃいけないわけ?」などと、めちゃくちゃ高飛車で卑屈になって、自分で自分の首を絞める様なことはしない、と決めている。

なので、時々グループで飯を食べているテーブルに自分から向かっていって「一緒に食べていいですか?」なんてことをやってみているし、いわゆるサークルの様なものにもどんどんメールを送って体験させてくれないか聞いてみている。しかしながら、なかなかうまくいかない。

グループで飯を食べている人から、一緒に食べるのを断られたことは一度もない。だけど、仲良くなれてもいない。圧倒的に「話題提供力」と「自分のエピソードに持っていく力」が足りてない。せっかく混ぜてもらったのに上手く会話の波に乗れず、気まずさを紛らわすためにムシャムシャ音を普段の倍くらいにしてサラダを食べたりしてしまう。「フレンドリー」なのかもしれないけど、それは「受け入れてはくれる」という意味でのフレンドリーなだけであって、「フレンド」になるための関門をなかなかクリアできない。

同じ春入学生としてオリエンテーション等を受けて、顔を合わせたら話す程度の人達も何人かいるが、グループで話していると、自分がいてもいなくても変わらないという感覚に陥る。待ってても喋るチャンスがある訳ではないのはわかっているし、話している内容もなんとなくは分かるんだけれども、というか、完璧にはわからないからこそ、「こんなこと言ったら変かも」「話の流れ壊すかも」とか思ってしまう。顔色を伺いながら生活することが癖になっていて、なかなか抜けない。だから、春入学生の「なんとなく同期」みたいな感じの人たちに会うのは嬉しいし、部屋で話したりするのは楽しいんだけども、「3人グループ×2と自分」という構図になったりするので、とても歯痒い。ひとりきりになるのが寂しくて、なんとなくどちらかのグループの会話に入っているふりをしている時間の無駄さと虚しさが、帰り道にイヤホンを耳に挿す原因になっている。

昨日初めて会った知り合いの友達。友達がトイレかどこかに行っていて1人にしていたので、話しかけてみた。「専攻は?」「地元は?」「なんかクラブ入ってる?」と色々聞いてみたけれども、自分でも分かるレベルに会話が盛り上がらない。質問の弾が切れると、スーッと遠くへ行ってしまいました。

「日本のアニメとか、漫画とかちょっと調べてから行った方が話題が盛り上がるからいいと思うよ!」と留学前に言っていただいた皆様、すいませんでした。「いやいや、アニメとか漫画とかそんな飛び道具使わずに、ナチュラルに入っていくから。そもそもそんなにアニメも漫画も好きじゃないから、わざわざ迎合する様なことしなくても…」なんてものすごく高飛車な考えをしていたので、全く調べませんでした。大失敗でした。

「同じ失敗はしない」なんて書いてしまったけれども、「入学→高飛車→失敗」という全く同じレールに乗っていることにこれを書きながら気付きました。京王線で言えば、新宿→明大前→調布まで来てしまっている。前回と同じように諦めて高尾山口に行ってしまうのか、多少の待ち時間を辛抱して橋本行きに乗り換えるのか、それとももう一度明大前まで戻って吉祥寺に行くのか。

せめて橋本行きには乗り換えます。

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