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「オチ」のない物語を書く

「2019年ももうすぐ終わるなあ」
なんて考えていたら、もう明日になれば2019年が終わってしまうようだ。

2019年は、世間にとっては「令和」が始まった年で、「One Team」が叫ばれた年で、タピオカがどうにかなってしまった年である。
僕にとっても令和は例外なく始まるし、ラグビーだってテレビにかじりつきながら見ていて、文字通り「One Team」だったし、タピオカも彼女と一緒に飲んだら、存外悪いドリンクではないことを毎度実感していたものだった。

僕は世間と、寸分違わず接続されていて--いや、どちらかといえば僕は世間に溶けていた側だったのかもしれない。

世間を作っているのは僕ら人間で、当然僕らの物語が「流行」を作る。流行は大企業やプレスが事前に作っているだなんていうけれど、それはマクロレベルの広報的な話であって、それがどういう動きかたを見せていくかは、やはり僕らの紡ぐ物語に託されている。

「物語」というのはたいてい、面白くて、それでいておかしいくらいに切ない。ありえないほどの必然的偶然が重なって、結末へと糸がまとまっていく。ある意味でそれは、読者がそうあってほしいから、そうなるのかもしれないし、そういう意味で、「オチ」が見える物語は、読者の必然的偶発に対するリテラシーが上がりすぎたことによる弊害なのかもしれない。

逆にそれを利用して、大どんでん返しを起こしたりするのもまた、大きな視点でみれば「オチ」を見せるために存在する物語だったりする。

僕らの日常には、目をこらすと面白いオチはたくさんある。オチがあると話は面白い。関西人は本当にオチを求めるし、オチのない話は大抵面白くないらしい。

僕の日常にもおそらく、たくさんのオチがある。
でもそれとは別に、全く面白くなくて、かつ人に話すようなことでもなくて、もっといえば人に言うくらいなら自分の中に閉じ込めておくような、そんなかわいげもオチもない、どうでもいいショートショートがある。

そんなショートショートをわざわざ言葉にする必要なんてあるのかな。
言葉にするだけ無駄で、むしろ自分のオチのなさ、加えてオチのないことをこねくりましてしまう虚しさと、顔を合わせ続けるだけなんじゃないかと怖くなることもある。

とりわけ、かつての僕は意味を求めていた。意味は自分の内側にあると思っていた。意味は僕に価値を与えると思っていた。だから面白い自分を探した。自分を、周りをコンテンツにすることに必死だった。なんでもコンテンツにして、なんでも消費させようとしていた。それがクリエイターだと思っていたからだ。

でも、たぶん違った。意味なんて自分にはなかった。自分らしさもそこにはなかった。そもそも自分らしさなんて、認識していることがおかしな話だともたぶん気づいた。そして、面白いコンテンツを探すことはクリエイターの仕事ではないことに今更気づいた。

だから僕は、意味のない物語を書くことにした。
毎日、毎日、僕の物語を書くことにした。
僕の物語は、誰かの物語に比べたら面白くもなんともない。今日も面白いオチのあるコンテンツはいくらでも生産される。わかりやすいコンテンツはどんどんわかりやすくなって、わかりやすく説得的なものこそが本質だと叫ばれる。

僕は本質的なものが何かを考えるのは好きだけれど、最近は本質的なものではないこと、つまり細胞で言うならDNAのある「核」ではない部分に興味が湧いている。
そういう、「輪郭」のような物語を、薄く、滑らかに、紡いでいけたらいいなと思ったり、思わなかったりしている。

ショートショートは、斬新な設定と華麗な物語展開と予想もできない謎の結末によって、結果的に全てがうまく着地する、簡単なようで難しい小説のジャンル。

その全てを失った、つまるところ「オチのないショートショート」は、言うまでもなく、僕にとって全て日記になっていく。

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本日よりいつまで続くかはわかりませんが、毎日投稿にて「オチのないショートショート」のマガジン内に、僕の徒然なるぼやきや考えごとなどを文字にしていきたいと考えております。
今日から始めたのは、単純に「来年から始めます!」とかにしてしまうと気づいたらもう死んでいると思ったので、思い立った瞬間に始めることにして実際始めました。元々何かを習慣化することは得意ではなく、最近ではようやく保湿したり日焼け止めを塗ることが習慣になったり、水を2L飲むことが習慣になった程度であります。相変わらず禁煙はできません。1月からやります。禁煙外来いきます。

そんな信頼度ゼロの宣言につき、あまりあてにしないでほしいのですが、僕としても先ほど申し上げた通り、「オチのない」日記を書き記していく予定です。
「マクドナルドで飲むコーラってなんか知らんけどめちゃうまいよな」みたいな話がしたいです。

ではまた明日。
Special Thanks: @beard_syun (写真)


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