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暴力がモノを言う荒廃した世界を爆走・激走・暴走しながら復讐に燃える女戦士フュリオサのキャラが立ちまくりな世紀末リベンジムービー『マッドマックス:フュリオサ』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:7/63
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:Furiosa: A Mad Max Saga
  製作年:2024年
  製作国:アメリカ
   配給:ワーナー・ブラザース映画
 上映時間:148分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:映画『マッドマックス』シリーズ(1979-)
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuriosa/

【あらすじ】

※映画.comより引用。
世界の崩壊から45年。暴君ディメンタス将軍(クリス・ヘムズワース)の率いるバイカー軍団の手に落ち、故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)は、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョー(ラッキー・ヒューム)が土地の覇権を争う、狂気に満ちた世界と対峙することになる。

狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む。

【感想】

マッドマックス』シリーズ第5作目にして劇場公開作品としては初のスピンオフ作品!もうね、アニャ・テイラー=ジョイ演じるフュリオサが最高すぎました。復讐に取り憑かれ、美しくも狂気なほどに憎悪と殺意に満ちた表情にごはん何杯でもいけちゃうって。美人は正義。

<よくこんなの思いつくなっていうぐらい世紀末すぎる世界>

この映画、というかシリーズ通してなんですけど、とにかく世界観がヤッバいんですよ。核戦争によって荒廃した世界が舞台になっているんですが、「文明ってこんなに荒廃するの?!」ってぐらい廃れまくってます。見渡す限りの砂漠で人も街もほとんどないんですが、一応、大きな集落というか要塞みたいなものが3つほど出てきます。ひとつは、イモータン・ジョーが支配するシタデル。富はすべて彼が掌握し、人々は奴隷のように扱われ、若い女性は「子産み女」としてイモータン・ジョーの所有物となっています。もうひとつは、人食い男爵(ジョン・ハワード)が治めるガソリンを精製しているガスタウン。最後に、武器将軍(リー・ペリー)が治める武器や弾薬の工場であるバレット・ファームです。人食い男爵も武器将軍も名前はおっかないですが、劇中での扱いが小さいため、そこまでヤバい感じはしませんでしたけど、そうは言っても3つとも平和や安全とはかけ離れた環境だと言うのは一目瞭然です。もともと、ジョージ・ミラー監督が1979年公開の第1作目を作ったときは、オーストラリアで暴走族が社会問題化していたことが背景にあるそうだけど、それでもイチからこの世界観を作り上げるのは相当トチ狂ってるんじゃないかと思います(笑)いや、誉め言葉ですよ。

<フュリオサのぶっ飛んだキャラに身も心も捧げたくなる>

そんな中で、フュリオサは幼い頃にバイカー集団を率いるディメンタス将軍にさらわれ、助けに来た母親を殺されてしまいます。フュリオサはディメンタス将軍とイモータン・ジョーによる資源の取引でイモータン・ジョーの所有物になりながらも、虎視眈々とディメンタス将軍への復讐の機会を狙っていました。最初の1時間ぐらいは幼き日のフュリオサ(アリーラ・ブラウン)がイモータン・ジョーのところへ行く経緯が描かれており、ようやく彼女の人物背景を深く知ることができます。

大人になってからのフュリオサはもうかっこよすぎるのなんのって!男勝りというか、もう男とか女とか関係ないですね!フュリオサはフュリオサですよ!メカに強く、ドライビングテクニックも高く、武器の扱いにも長け、人を殺すことに躊躇がないという、さすが復讐の鬼。それでいて、坊主頭に義手(義手になる経緯も今作で明らかに)というインパクトの強い出で立ちにはメチャクチャ惹かれました!この映画は前作の『マッドマックス 怒りのデスロード』(2015)の前日譚でして、そのときにフュリオサを演じたのはシャーリーズ・セロンだったんですが、今作での続投は叶わず。そこで白羽の矢が立ったのがアニャ・テイラー=ジョイです。見た目もだいぶ違うのでどんな感じになるのかなってずっと思っていましたが、いやいや、フュリオサそのものでしたよ。美しさとかっこよさと怖さの3つを兼ね備えた奇跡の顔立ちにひれ伏したいぐらい(笑)

<こんなにまで狂気に満ちたカーバトル、他にないだろって(笑)>

先にも書きましたが、この映画は最初の1時間ぐらいがフュリオサの幼少期を描いていてアクションが少ないので、シリーズの十八番である圧巻のカーバトルを求めている人にとっては少し退屈に感じてしまうかもしれません。でも、安心してください。フュリオサが成長した後はその渇望をしっかり潤してくれます!フュリオサを演じるのがアニャ・テイラー=ジョイになってからがこの映画の本領発揮です!改造に改造を重ねたバイクや車が荒野を爆走しまくり、フュリオサたちの乗るウォー・タンクに次々と襲い掛かるシーンはとにかく最っ高でした!!銃や火炎放射器、槍などを駆使した攻防戦は、もはやカーチェイスではなくカーバトル!中でもウォー・タンクの破壊力が凄まじくて、邪魔な車やバイクをどんどん轢き潰していくんですよ。さっきまで走っていた乗り物が瞬時に鉄塊になる様子は極上のストレス解消でしたね(笑)こんなの広大な砂漠でもない限り実写で撮影なんてできないですよ。当初は「なんでこんなにデカくて強くて速いタンクローリーを作る必要があるんだろう」なんて思っていましたけど、こんなにも敵に襲われるんだったらそりゃ作らないとこっちが死ぬよなとその必要性を痛感しました。個人的には、そのウォー・タンクの車体後部に地面と垂直になるようについているボミーノッカーなる武器が好きでした。鉄球を鎖で繋ぎ、スイッチを入れると台座が回転して、まわりの敵がその鉄球でグッチャグチャになっていくんですよ。よくこんなの思いつくなと(笑)このちょっと笑っちゃうぐらいありえない武器もこの映画の見どころのひとつです。

<そんなわけで>

暴力と狂気が支配する世界観と、インパクトの強いキャラ、そしてとんでもないカーアクションが眼福すぎる映画ですね。暴力性は高いんですけど、現実離れしすぎているせいか怖さがまったくなく、ただひたすら異様な光景に包まれるのが楽しいひとときでした。過去作を観ていなくても全然問題ないんですけど、終わり方が『怒りのデスロード』に続く形なので、予習しておいた方がベターではあります。この世紀末な世界をぜひ堪能してください!

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