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サスペンスよりもパニック感が強い『サイレント・トーキョー』

【基本情報】

製作年:2020年
製作国:日本
 配給:東映

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:111/186
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

12月24日、東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたとTV局に電話が入る。半信半疑で中継に向かった来栖公太(井之脇海)は、そこにいた主婦・山口アイコ(石田ゆり子)と共に犯人の罠にはまり、実行犯へと仕立てられてしまう。

その様子を朝比奈仁(佐藤浩市)が静かに見つめる中、爆発は起きた。そして次の犯行予告が動画サイトに上げられる。「標的は渋谷・ハチ公前。要求は首相との生対談。期限は午後6時」。

独自に捜査を行う刑事・世田志乃夫(西島秀俊)と泉大輝(勝地涼)、不可解な行動をとるIT企業家・須永基樹(中村倫也)、イヴの夜を楽しみたい会社員・高梨真奈美(広瀬アリス)、そして一帯を封鎖する警察、事件を煽るマスコミ、騒ぎを聞きつけた野次馬たち。

様々な思惑が交差する渋谷に“その時”が訪れる。それは、日本中を巻き込む運命のXmasの始まりだった。

【感想】

ポスターはちょっと盛ってる感じはするものの、邦画にしてめずらしく(と言ったら失礼かもしれませんがw)、かなりスリリングな映画で楽しめました。特に、前半がね、かなりハラハラドキドキで。渋谷で爆破テロが起きたらあんな感じになるんだろうなっていうのがリアルに伝わってきます。

この映画、犯人は誰なのかというサスペンスよりも、爆発に逃げ惑う人々によるパニック映画という印象が強く、『シン・ゴジラ』以来、こういうのあまり観てないなと思いました。

個人的には、ハチ公前の大爆発に人々が巻き込まれていくシーンが一番好きです。とにかく表現が秀逸で、ここだけで僕の評価は高いですw(とはいえ、CG感メッチャ出てるので、ハリウッドだったらもっと自然な形なんだろうなと、洋画好きの人は感じるかもしれませんがw)

後半は犯人を追い詰めてのやり取りになりますが、前半と比べると落ち着いた雰囲気になるのと、犯人の動機がややわかりづらいので、けっこうトーンダウンしちゃうんですよねー。あと、エンディングテーマがジョン・レノンの『Happy Xmas (War Is Over)』のカバーなんですが、ここもちょっと違和感あるかなと思いました。

舞台となってるのはクリスマスだからそこはいいとしても、戦争のくだりがちょっと引っ掛かりますね。作中での戦争の扱いが実体験よりも概念みたいな感じが強く、さらに今は直接戦争と関係ない日本からすると、共感度が低いのかなって気がします。これがガチの戦争映画なら、もっと親和性高いんですけどね。まあ、そこは軍隊を持っていない日本は海外のように戦闘に参加しないので難しいところはあるんですが。

今回、撮影された渋谷の街って栃木県に作られたセットとのこと。再現度高すぎてびっくりしましたが、そのおかげで圧倒的なリアリティがありましたね。平和ボケした日本人に対する制裁というか、自業自得というか、なんかいろいろこみ上げてくるものがあります。

正直、クリスマスにピッタリの映画という感じではないんですけど、常に爆弾の恐怖に怯えながら進んでいくスリリングな展開は面白いので、個人的には推せます!


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