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ストーリーの起伏は少ないけどやたらとキスが生々しい"花束みたいな恋"だった『明け方の若者たち』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:242/285
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】

ラブストーリー
ヒューマンドラマ
花束みたいな恋をした

【元になった出来事や原作・過去作など】

・小説
 カツセマサヒコ『明け方の若者たち』(2020)

【あらすじ】

東京・明大前で開かれた学生最後の退屈な飲み会。そこで出会った<彼女(黒島結菜)>に、一瞬で恋をした。

下北沢のスズナリで観た舞台、高円寺で一人暮らしを始めた日、フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり…。

世界が<彼女>で満たされる一方で、社会人になった<僕(北村匠海)>は、"こんなハズじゃなかった人生"に打ちのめされていく。息の詰まる会社、夢見た未来とは異なる現実。夜明けまで飲み明かした時間と親友と彼女だけが、救いだったあの頃。

でも、僕は最初からわかっていた。いつか、この時間に終わりがくることを…。

【感想】

これが2021年最後の映画です!今年の映画締め!あんまり締まりませんでしたけどね(笑)ちなみに、原作小説は未読です。

<花束みたいな、、、恋、、、をした、、、?>

物語の始まりは明大前。偶然飲み会で同席した人に一目惚れ。サブカルの話なんかしちゃったりして。そこから始まる幸せな日々。全体的に『花束みたいな恋をした』を彷彿とさせる物語でした。

<果てしなく感じる他人ののろけ>

全体の3/4ぐらいは、僕と彼女ののろけ話だったでしょうか。ちょっと長く感じました。他人ののろけほど退屈なものはないですが、それが延々と続くように感じられるのはちょっと辛かったです。

あと、ストーリーの起伏はないのに、やたらとキスシーンが生々しく、長いんですよ。その割には不自然すぎるベッドシーン。あのぎこちなさはあえてですかね、、、?それでも飽きずに観れたのは、「いつこれが壊れるんだろう」という期待から。性格悪い(笑)

<まさかすぎる破局の設定>

意外な設定で訪れた終わり。初めからわかっていたことだし、それを知った上での付き合いだったから、自業自得だよねとしか言いようがないんですけど。とはいえ、登場人物は20代前半。もし同じ年頃の自分だったら、やっぱりびっくりしたでしょう。でも、30代半ばも過ぎた年齢からしたら、「まあ、そういうこともあるよね」って思っちゃいました(笑)

<若者向け、もしくは若い頃を思い出したい人向けの映画>

原作者が自分と歳が近いこともあってか、飲み会の雰囲気や、若い頃に考えていたことなど、共感できる部分は多かったです。物語冒頭で、内定者飲み会みたいなのがあるんですが、"電気を通したような広告代理店"の内定者の女の子が、自分の名刺を持っていたところとか、「ああ、こういうやついたな」って思いましたし(笑)

すごくドラマチックだったり、ロマンチックな話かと言えば、そういうのではないですね。20代で誰もが感じたようなもどかしさとか、自分は何にでもなれる気がする感とか、そういう若い頃あるあるがベースです。そこに、ちょっと訳アリの女の子に引っ掛かって、勝手に好きになって、勝手にメンヘラになった<僕>の“日記”っていう感じがする映画でしたね。

<その他>

同じような雰囲気の映画だったら、秀逸なセリフに溢れている『花束みたいな恋をした』の方が断然面白いと思います、個人的には。この映画は、恋愛よりも、自分の人生の振り返り的な側面もあるので、友達の話として聞くならいいんですが、映画として観ると、イマイチハマりきれない自分がいました(笑)


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