見出し画像

宣伝文句に煽られすぎて変に実力以上の見せ方をされてしまったのがもったいなかった『ドミノ』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:124/155
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:Hypnotic
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配給:ギャガ、ワーナー・ブラザース映画
 上映時間:94分
 ジャンル:SF、アクション、サスペンス
元ネタなど:なし

【あらすじ】

※映画.comより引用。
公園で一瞬目を離した隙に娘が行方不明になってしまった刑事ローク(ベン・アフレック)は、そのことで強迫観念にかられ、カウンセリングを受けるようになるが、正気を保つために現場の職務に復帰する。

そんなあるとき、銀行強盗を予告するタレコミがあり、現場に向かったロークは、そこに現れた男が娘の行方の鍵を握っていると確信する。しかし、男はいとも簡単に周囲の人々を操ることができ、ロークは男を捕まえることができない。

打つ手がないロークは、占いや催眠術を熟知し、世界の秘密を知る占い師のダイアナ(アリシー・ブラガ)に協力を求める。ダイアナによれば、ロークの追う男は相手の相手の脳をハッキングしていると言う。

彼女の話す“絶対に捕まらない男”の秘密に混乱するロークだったが……。

【感想】

世界観も好きですし、内容としては楽しめたんですが、改めて振り返ってみるとタイトル(原題も邦題も)がなかなか微妙な映画だった印象です(笑)さらには、「かつてない映像体験!かつてないギミック!かつてないどんでん返し!」という宣伝文句にかなり煽りが入っており、変に期待値が上がってしまった気がしますね。。。ネガティブな要素ばかり目についてしまいますが、作品自体はつまらなくはないですし、続編もあれば期待したいということだけは先に言っておきます(笑)

<原題はネタバレ感、邦題は的を得ていない感>

個人的には、タイトルにピンとこなかったんですよね。まず、原題の『Hypnotic』についてなんですけど、これは「催眠の」という意味の形容詞です。予告の字幕で「脳をハッキングする」というセリフがありますが、何のことはないただの催眠術です。そうなると、この映画の中で起こることは催眠術の中の出来事ってことになるので、映画の半分は解決してしまったようなものですね(笑)あとは、誰がどういう理由で催眠術をかけたのかって話ですが、それは最後の方できちんと説明されるのでご安心を。

次に、邦題の『ドミノ』について。あのドミノ倒しのドミノのことで、劇中でも重要な暗喩として出てくるんですが、一般的なドミノ倒しの性質がこの映画と密接に関わっている感じはしなかったんですよねー。「連鎖的に倒れていく様子が主人公の心理を表している」とかっていうならまだわかるんですけど。まあ、ドミノ倒しのように小さな一押しで大きな崩壊に繋がるというのが、終盤であるように「小さな存在が大きな意味を持つ」っていう意味合いだったのかもしれませんが、イマイチしっくり来ませんでしたね。。。どちらかと言えば、原題の方がよかったと思います。

<見せ方がちょっと雑な印象>

もはや本編のことですらないのですが、この映画で一番気になったのは宣伝文句です。これがかなり似て非なる感じが強くてですね。「かつてない映像体験!かつてないギミック!」ってありますけど、『インセプション』(2010)に似たCGがちょこっと出るぐらいで、そこまで映像がすごいわけではありませんでした。そもそもこの映画は「催眠」が重要な要素なので、全体的に『インセプション』っぽい雰囲気ではあるんですけど(笑)

「かつてないどんでん返し!」ってのも、まあ催眠術ですからねえ、自分の知覚している現実と実際の現実にギャップは出るんだろうなってのはわかってたので、そこまで驚きもありませんでした。ただ、先にも書いた通り、誰がどういう理由で何をしたのかっていうのは最後にちゃんと明かしてくれるので、あまりモヤモヤせずには済みました。

<そんなわけで>

これは何も事前情報を仕入れずに観た方が楽しめる映画でしたね~。全体的に尺が短めな上にテンポもよく、終盤ちょびっとスーパーヒーロー映画感あってよかっただけに、いろいろ煽られすぎて期待値だけ上がってしまったような形になったのがちょっともったいなかったです。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?