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ダークな世界観に過激なアクションという韓国映画の十八番が十分に発揮されていた『ただ悪より救いたまえ』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:86/271
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【要素】

アクション
暗殺者
殺し合い

【元になった出来事や原作・過去作など】

なし

【あらすじ】

東京での任務を最後に、引退するはずだった暗殺者インナム(ファン・ジョンミン)。ところが、かつての恋人がバンコクで殺害され、別れた後に生まれたインナムとの娘が行方不明だと知らされる。

インナムはバンコクに飛び、関わった者を次々と拷問にかけて娘の居所を突き止める。そして、インナムに兄を殺された殺し屋レイ(イ・ジョンジェ)も、復讐のためにバンコクに降り立ち、死体の山を築きながらインナムに迫っていた。

絶対に出会ってはいけなかった2人の男の暴走は、どちらかの息の根が止まるまで終わらない―。

【感想】

ここ何年か、韓国映画もよく観るようになってきたんですけど、やっぱり韓国映画はアジア映画の中でも抜きん出ている気がするんですよね。特に、世界観とアクションの作り込みがさすがだなって思います。

<突き抜けてた殺し屋の残酷さ>

この映画は、2人の殺し屋による命の取り合いがメインです。インナムは、誘拐された娘を助けるためにバンコクへ。レイは、そんなインナムに兄を殺された復讐のためにバンコクへ。2人とも、あれこれ手を使って目的に近づくんですけど、その過程で生じる拷問に一切の躊躇がないんですよ。平気で指を切り落とし、平気で腹をかっさばく。話し合いよりもまずは肉体的苦痛という問答無用の姿勢や、相手を手にかけるときの平然とした表情に、サイコっぷりを感じますね。。。そんな2人が対峙したときの戦いは、まさに"とびっきりの最強vs最強"です。

<ハリウッドもびっくりの超過激アクション>

韓国映画のバトルアクションって本当に凄まじいんですよ。今回も格闘から銃撃戦、カーチェイスに至るまで、その激しさに圧倒されました。銃撃戦も、ハンドガンだけじゃなくて、マシンガンや手榴弾まで、戦争かってぐらい武器が揃ってて。邦画じゃ出てきても普通の拳銃ですからね。ここは銃社会かどうかっていうのも関係あるとは思いますけど。でも、それだけじゃありません。近接戦も拳とナイフの応酬がすごいんですよ。兵役があるのと関係があるのかわかりませんが、役者もスタントマンも動きがキレッキレ。しかも、車まで平気で吹っ飛ばすし、その派手さだけで興奮できちゃうのが韓国映画の好きなところです。

<レイ役のイ・ジョンジェの演技に脱帽>

イ・ジョンジェっていう名前だけ聞くとピンと来ないかもしれませんが、『イカゲーム』のソン・ギフン役の人と言えばわかる人も多いのではないでしょうか。僕はあれまだ途中までしか観れていないんですけど、当初の情けないだらしない印象が強いんですよね。それが今回は残忍な殺し屋。首に入れ墨を施し、気分で人を殺しまくる残忍極まりない性格です。もうね、『イカゲーム』と違いすぎてビビりますよ。目が怖いし、脱いだら筋肉すごいし。「こんなに違う役できるの?」っていう驚きです。

<インナムの娘のくだりはちょっと弱いかも>

メインは2人の殺し屋の戦いではあるんですが、インナムは誘拐された娘を命がけで守ろうとします。そりゃ自分の娘なんだから当たり前かもしれませんが、これまで殺し屋として散々人の命を奪ってきて、しかも突然別れた恋人の死と子供がいたという事実を突きつけられて、そこまで助けようって思いますかね。その恋人をどれだけ愛していたかもわからないので、ここは少し唐突というか、動機があまり伝わってこないかなって感じました。

<その他>

上記のように、ちょっと気になる部分はありますが、ダークでシリアスな世界観と激しさMAXの超絶アクションが観たければ、ぜひ映画館へ。一部日本が舞台となっていて、日本からも豊原功補と白竜というベテラン俳優さんも出てますので、要チェックです!


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