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ゲーマーからレーサーへの奇跡の転身!ゲームが現実を超えたとき、そこには夢を叶えた主人公の興奮と感動の人間ドラマがあった『グランツーリスモ』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:15/128
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:Gran Turismo
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
 上映時間:134分
 ジャンル:伝記、ヒューマンドラマ、カーレース
元ネタなど:テレビゲーム『グランツーリスモ』シリーズ(1997-)
      レーシングドライバー「ヤン・マーデンボロー」(1991-)

【あらすじ】

世界的大ヒットのドライビングゲーム『グランツーリスモ』のプレイに夢中なヤン(アーチ―・マデクウィ)。父親(ジャイモン・フンスー)からは「レーサーにでもなるつもりか、現実を見ろ」とあきれられる日々。

そんなヤンにビッグチャンスが訪れる。世界中から集められた『グランツーリスモ』のトッププレイヤーたちを、本物の国際カーレースに出場するプロレーサーとして育成するため、競い合わせて選抜するプログラム「GTアカデミー」だ。プレイヤーの並外れた才能と可能性を信じて「GTアカデミー」を立ち上げたひとりの男(オーランド・ブルーム)と、ゲーマーなんかが通用する甘い世界ではないと思いながらも指導を引き受ける元レーサー(デヴィッド・ハーバー)、そしてバーチャルなゲームの世界では百戦錬磨のトッププレイヤーたちがそこに集結。

彼らが直面する、想像を絶するトレーニングやアクシデントの数々。不可能な夢へ向かって、それぞれの希望や友情、そして葛藤と挫折が交錯する中で、いよいよ運命のデビュー戦の日を迎える───。

【感想】

レーシングゲーム(厳密にはドライビング&カーライフシミュレーターというジャンルらしい)が実写映画化するっていうからどんな話かと思いきや!夢を叶えた主人公の興奮と感動のヒューマンドラマになるなんて!!しかも実話ベース!!メチャクチャ面白かったです!!

<ゲームそのものではなく、そこから派生した物語>

グランツーリスモ』といえば、ゲーム好きなら知らない人はいないんじゃないかってぐらい有名なレーシングゲームですよね。僕はその1作目だけ、発売当時に少しだけプレイしたことがあります。ただ、あまりにもリアルなので逆に操作しづらくてですね、、、すぐに辞めてしまったんですけど、、、(笑)

テレビゲームの実写化というと、そのゲームの物語をアレンジしながら映画にしていくっていうのがこれまでの手法ですが、この映画に関しては違います。そもそも、ストーリー性のないレーシングゲームをどうやって映画化するんだろうって思っていたら、本作はゲームそのものではなく、そこから派生した"GTアカデミー"にまつわる実話を映画にしているんですよね。そんなところがあるなんて初めて知りましたけど。これ、SCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント、現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)と日産自動車が主催していたレーシングドライバー養成プログラムのことなんですよ。映画の通り、『グランツーリスモ』のトッププレイヤーをガチのレーシングドライバーに育て上げるという前代未聞の取り組みです。「いくらゲームがうまくたって、実際のレースはフィジカルがモノを言うから絶対フィクションだろ」って思っていたんですけど、主人公のヤンは本当にゲーマーからレーサーなってしまったんですよ!ヤバくないですか?!

<夢を追う主人公の逆転劇が感動的かつ爽快>

この映画で特に面白かった点が2つあります。まずは、ヤンが夢を叶えるべく邁進していく過程です。オーソドックスな成長譚といえばそうなんですけど、ゲームばかりして父親から将来を心配され続けている中で、小さい頃から夢だったレーサーに、まさかゲーマーから転身するなんて思わないじゃないですか。まわりから無理だと言われ、ライバルからバカにされ、親からもあきれられる始末。でも、ヤンはレーサーになりたいという夢を叶えたいがために、ただひらすらトレーニングを積んでいきます。座学から肉体トレーニング、本物の自動車に乗っての練習など、やることは山積み。でも、彼には何千時間もゲームに費やした経験があります。「ゆーてもゲームでしょ?」って思うなかれ。コースは熟知しているし、なんと自動車の不調まで当ててしまうんですよ。これ、『グランツーリスモ』があまりにもリアルであるがゆえに、実戦に使えちゃうってことなんですよね。いや、ここまでゲームが現実に活きるなんて僕自身も思いませんでしたが、それでわだかまりのあった父親に自分を認めさせるところは感動的でしたし、「ただのゲーマー」だとバカにしてきたやつらを見返すところは、イチゲーム好きとしてとてもスカッとする瞬間でした。

<スピード感満載の映像に大興奮>

もうひとつ面白かったのは、やっぱりレースシーンです!圧倒的なスピード感を感じられる映像の数々に大興奮でした。撮影にはリアルのヤン本人もスタントとして参加したそうですが、時速300kmを超えるレーシングカーの競い合いがものすごい臨場感なんですよね。ドローンによる空撮もかっこよかったですし、ゲームのエフェクトを取り入れた表現も、原作へのリスペクトを感じられてとてもよかったです。僕は普段、F1とかまったく観ないんですが、コンマ何秒の差で勝つか負けるかというスリリングさにハラハラしっぱなしでした。僕も水泳というタイムを競う競技を長年やっているので、やっぱりこういう速さを競うスポーツには人一倍思い入れが強くなりますね。

あと、予告でも観られますが、実際のレースシーンから自動車が分解されて、家でゲームをしているシーンに変わっていく演出があって、これもすごくかっこいいんですよ!この映画の中で一番好きなシーンでした。言葉じゃ伝わりづらいと思うので、予告で確認してみてください(笑)

<そんなわけで>

これはゲームを知らなくてもまったく問題なく楽しめるので、ぜひ映画館で観てほしい映画ですね。興奮と涙とスピード感が揃った極上のヒューマンドラマでした!こういう乗り物系の映画はIMAXや4DXと相性がいいと思うので、お近くに対応した映画館がある方は体験してみてください。最近、ハリウッドによる日本のゲームの映画化が面白いから、この流れどんどん続きそうですよね。いや、続いてくれ(笑)


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