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下々の者たちの心の声をひたすら聞かされるだけで尺の2/3も使う独特な映画『ベルリン・天使の詩 4K レストア版』

【個人的な満足度】

「午前十時の映画祭14」で面白かった順位:5/5
  ストーリー:★★☆☆☆
 キャラクター:★★☆☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆

【作品情報】

   原題:Der Himmel uber Berlin(Wings of Desire)
  製作年:1987年
  製作国:西ドイツ・アメリカ合作
   配給:東北新社
 上映時間:128分
 ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
元ネタなど:なし

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
ベルリンの街は天使たちに見守られている。彼らは人々の心の声を聞き、それぞれの苦悩に寄り添っていた。だが天使の一人ダミエル(ブルーノ・ガンツ)は、永遠の霊でいることに嫌気が差し、人間になりたいと悩んでいた。

ある日、サーカスに迷い込んだダミエルは、空中ブランコを練習中のマリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)に恋をしてしまう。天使としての“死”を意味する事と知りながら、ついにダミエルは天界から降りることを決意する。

【感想】

午前十時の映画祭14」にて。1987年の西ドイツ・アメリカ合作映画。ニコラス・ケイジとメグ・ライアンの『シティ・オブ・エンジェル』(1998)の元となった作品です。

<独特な構成が観る人を選ぶ>

役所広司が渋谷区のトイレの清掃員を演じた『PERFECT DAYS』(2023)のヴィム・ヴェンダース監督の映画です。なので、ある程度は文芸的というか詩的な雰囲気は想像していたんですが、いざ蓋を開けてみたら想像以上に謎な構成でしたね(笑)よく言えば独特、悪く言えばバランスがよろしくないというか。。。ダミエルはもともと人間になることを望んでいました。そんな中でマリオンという女性に恋をして、天使であることを辞める決意をするんですが、そこに至るまでがとにかく長いんですよ。最後の30分ぐらいですかね、話が進んだのって。それまではもうずーっとベルリンの街に住む人々の心の声に耳を傾け続けるだけで。そのほとんどが日常に対する不満や不安ばかりなんですが、天使たちもそれを解決するかというとそんなことはなく、ほぼ何もせずに寄り添うだけ。一応、天使が触れると前向きな考えになれるような描写はありましたが、扱いが小さすぎてわかりづらいです。なので、ほとんど人々の心の声が垂れ流されているだけでした。それを90分以上も聞かされるのはけっこうしんどいですね。しかも、セリフがちょいちょい詩のようでわかりづらかったですし(笑)

<設定自体はすごくいいのに。。。>

よくよく考えれば、人間の女性に恋をした天使が地上に降り立つってかなりロマンチックな話ですよね。実際にダミエルが人間になってからマリオンと出会うまでは面白かったです。まあ、なんでマリオンはダミエルのことがわかったのかは不明ですけど(笑)どうせなら、ダミエルがもっと早く人間界に降り立って、慣れない人間生活に戸惑うみたいな要素があっても面白いんじゃないかなあと思いますが、まあ、そうしたらもうこの映画じゃないですよね(笑)設定がいいだけに、個人的には理解しづらい内容だったのが引っかかりました。

<そんなわけで>

世間的には大絶賛されている映画らしいですが、個人的には刺さりませんでしたね。エンタメ系の映画が好きな人には向かないかもしれません。ちなみに、『シティ・オブ・エンジェル』はかなり大幅にリメイクされているようなので、そっちも観てみようかなと思いました。


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