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あのモラハラ全開な教授は現代だったら社会的に抹殺されていただろうなと思う『マイ・フェア・レディ』

【個人的な満足度】

「午前十時の映画祭13」で面白かった順位:4/4
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:My Fair Lady
  製作年:1964年
  製作国:アメリカ
   配給:ワーナー・ブラザース
 上映時間:173分
 ジャンル:ミュージカル、ヒューマンドラマ
元ネタなど:ミュージカル『マイ・フェア・レディ』(1956)

【あらすじ】

ロンドンの下町生まれのイライザ(オードリー・ヘプバーン)は、粗野で下品な花売り娘。言語学専門のヒギンズ教授(レックス・ハリソン)は、偶然知り合った彼女を立派なレディに仕立てられるか否かの賭けをする。

教授の家に住み込み、正しい発音から礼儀作法まで徹底的に教育されたイライザは、遂に社交界デビューを飾る。だが、ヒギンズの賭けの対象になっていたことを知り、ショックを受けたイライザは彼のもとを去ってしまう。

【感想】

午前十時の映画祭13」にて。1964年のアメリカ映画。名作とされていますけど、個人的には歌のパートが長すぎて冗長だと感じる映画でした(笑)

<言葉遣いだけでそんなに変わる?という違和感>

この映画、設定自体はなかなか斬新だとは思うんですよね。音声学者であるヒギンズ教授がイライザの言葉遣いや礼儀作法を正して立派なレディに育てるというもので。でも、正直、言葉遣いだけでそんなに変わるんだろうって思うんですよ。それは、僕が日本語しか使えないので、英語だとまた違うのかもしれませんし、本作の最終目標である社交界デビューにおいては、そこで交わされる会話も一般人には理解できない部分もあるとは思います。ただ、それを踏まえてもねぇ。。。言葉遣いよりも単にイライザのヴィジュアル的な素材がよかっただけなのではって思ってしまいました(笑)

<歌が長い>

本作はミュージカル映画でもあるんですけど、現代のミュージカル映画と比べると、あんまり"歌"って感じがしなかったんですよね。バックで音楽は流れていますが、歌自体は発しているセリフがちょっとリズミカルになっているだけで、普通のセリフを話すときと大して変わらなかったような。。。それでいて、その歌を何度も繰り返すんですよ。「さすがにもうよくない?」ってぐらい歌うので、映画のテンポが悪くなっている印象さえ受けました。

<ヒギンズ教授のヤバさ>

そんな中で、僕がこの映画で一番印象に残ったのはヒギンズ教授の人物像です。音声学者ってことで、彼のような専門知識のある方に英語を教えてもらいたいと思うものの、ヒギンズ教授自身は人間性にかなり難ありすぎだろっって。もちろん、イライザを立派に育てた功績は認めますよ?でも、そのモチベーションは賭けの対象だったからっていうだけですからね。しかも、女性を軽視する発言がメッチャ多いんですよ。「なぜ女性は男性のように振る舞えないのか」と歌にしちゃうぐらいで、とにかく女性は男性よりも劣っていて邪魔な存在とみなしている傾向が強いんです。イライザを育てていくうちに彼女に恋心が芽生えるも、彼女に対する失礼な態度は一向に変わらないクズですよ。どんなときであれ自分が一番正しく、崇高であるという認識を変えないんですよね。この教授が本当に胸糞でした。

最後もイライザはヒギンズ教授の家に戻るべきじゃなかったんじゃないかって。愛想を尽かして別れを決めたはずなのに、なんで戻るかなあ。これじゃヒギンズ教授の自分が一番正しいっていう考えが一切改まらないじゃないですか。それに、イライザはヒギンズ教授の母親に助けを求めていましたけど、そんな彼を育てた母親にも責任はあるんじゃないかって思うんですけどね。まあ、時代的に今よりも男性優位な社会ではあったかもしれませんが、当時の人はヒギンズ教授の人となりをどう見ていたのかが気になります。この映画、イライザの成長を見守る映画でもなければ、レッスンを通じて芽生える教授と生徒の恋愛映画でもなく、単に独身主義者な男性教授はこじらせたクソ野郎ばっかりっていう皮肉を込めたものなんじゃないかと(笑)

ちなみに、本編とはまったく関係ないんですが、ヒギンズ教授を演じたレックス・ハリソンは6回も結婚歴があるらしいです。あまりにも多すぎて衝撃を受けたのでつい書いちゃいました(笑)

<そんなわけで>

不朽の名作と名高い映画ですが、個人的にはそこまでハマれませんでしたね。とにかく、ヒギンズ教授が時代錯誤すぎます。あんな人が現代にいたら炎上どころの騒ぎじゃなかったでしょうね。。。撮影現場にいる女性スタッフとかどういう気持ちだったんだろう。。。なお、撮影秘話を読むと、現場の雰囲気もいろいろ最悪で、撮影自体はかなり大変だった模様です。。。(笑)


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