トムホのスパイディ感満載だった令和のインディ・ジョーンズ!『アンチャーテッド』
【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:14/29
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★★
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆
【ジャンル】
アドベンチャー
アクション
【原作・過去作、元になった出来事】
・ゲーム
『アンチャーテッド』シリーズ(2007-)
【あらすじ】
ネイサン・ドレイク(通称:ネイト)(トム・ホランド)は、海洋冒険家フランシス・ドレイクの末裔。幼い頃、唯一の肉親である兄のサム(ルディ・パンコウ)と生き別れ、今はNYでバーテンダーとして働いている。
ボトルを扱うその器用な手さばき、そして類まれなるスリの能力を見込まれ、トレジャーハンターのサリー(マーク・ウォルバーグ)から50億ドルの財宝をいっしょに探さないかとスカウトされる。信用の置けないサリーだが、消息を絶ったサムのことを知っていたことから、ネイトはトレジャーハンターになることを決意する。
早速、ネイトとサリーはオークションに出品されるゴールドの十字架を手に入れるため、会場に。この十字架は財宝に辿り着くための重要な“鍵”で、モンカーダ(アントニオ・バンデラス)率いる組織も狙っていた。
オークション会場での争奪戦の末、なんとか十字架を手に入れたネイトとサリーは、500年前に消えたとされる幻の海賊船に誰よりも早く辿り着く。しかし、その海賊船ごと吊り上げられてしまい、絶体絶命のピンチに!
アメリカ、ヨーロッパ、アジア、世界中を駆け巡り、果たして2人は50億ドルの財宝を手に入れることができるのか?そして、ネイトは兄サムと再会できるのか?
【感想】
原作ゲームは未プレイですけど、有名なシリーズですからね、どんな内容化ぐらいはわかります。そんな予備知識での鑑賞でしたけど、かつての『インディ・ジョーンズ』を思わせるザ・冒険映画って感じで、個人的には楽しめました。ゲームのような設定(もともとゲームだけどw)をガチで映画化しちゃうのは、ハリウッドの好きなところです。また、今回は冒頭の"プレイステーション"のロゴがエモいのでぜひ注目いただきたいですね。
<謎解き少なめアクション多めのお宝発見エンターテインメント>
古くからハリウッド映画では、こういう未知なる財宝を求めて冒険する映画ってよくあるんですよ。『インディ・ジョーンズ』シリーズが最も有名ですかね。他にも、『ハムナプトラ』シリーズや『トゥーム・レイダー』シリーズなどがあって、どれかひとつは観たことある人も多いんじゃないかと思います。
設定はどれも同じで、敵対勢力と競りながら、謎解きをしつつ、古代の秘宝を手にすることが目的です。今回もまさにそれで、ストーリーや世界観的な部分での差は特にありません。ただ、主演がMCU版『スパイダーマン』シリーズにおいて、絶大な人気を誇るトム・ホランドってのが大きいんですよ。ストーリー的に何度も焼き直されている中で、旬すぎる俳優を起用して、むしろそれしか差別化ポイントがないってのは、最近のハリウッド映画ではめずらしい気もしますけどね。今回の映画は、トムホあっての作品なんじゃないかなとも思いました。
テンポよく進む流れと、邦画じゃ観られないようなアクションの数々は、観ていてやっぱり楽しかったです。本格的なセットやVFX技術は、潤沢な予算あってこそだとは思いますが、それゆえに世界観の作り込みがしっかりしていて、観ている人を引き込む魅力に繋がっていると感じました。
一方で、この手のジャンルで必ずと言っていいほど出てくる謎解き(暗号やら仕掛けやら)は、だいぶ都合よくクリアしてる印象です(笑)大した苦労もなくトリックに気づき、パパっと謎を解いてしまう流れ。「都合よすぎでは?」と思ってしまう人も中にはいるかもしれません。でもまあ、ゲームならそういう謎解きでユーザーが頭を悩ますことで、クリアしたときの達成感があると思うんですが、映画の場合はね、サスペンスやミステリーでもない限りは、そこに尺を割いてもあまり仕方ないかもしれません。本作はあくまでもアクション・アドベンチャー映画なので、「とにかく先が早く観たいんだ!」というユーザー心理に基づいた作りにしたのかなとも思います。
<主人公のネイトはもはやピーター・パーカー>
演じているのがトム・ホランドで、しかも日本では『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』公開されて、まだ1ヵ月ちょいしか経ってないこともあり、本作の主人公ネイトは、ピーター・パーカーにしか見えませんでした。キャラにもあんまり差がないんですよね。好奇心旺盛でおっちょこちょいなところとか。
本作のアクションシーンを観ていると、まるで糸が出ないスパイダーマンっていう感じが強く、結局、スパイダーマンの延長っていう形に見えましたね。個人的には、それはそれで全然アリですが、人によっては新鮮味がないと感じるかもしれません。
これがもし、全然違うダークな殺人鬼とかっていう設定とかだったら、それはそれでトムホの役の幅の広さに注目が集まるとは思いますけど。
<そんなわけで>
テンポもいいし、スリルもあるし、アクション・アドベンチャーの魅力満載なので、先に書いたように『インディ・ジョーンズ』や『トゥーム・レイダー』が好きな人は楽しめると思います。ジャンル的に映画館で観た方がより楽しめると思うので、観るなら劇場へ行くことをオススメします。続編を匂わせる終わり方も気になるし、今後の展開にも期待したいところ。本当に、パンフレットの制作がないのがもったいないぐらいです。