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もはや韓国はアジアのハリウッド!『ベイビー・ドライバー』×『グロリア』の要素を掛け合わせて超絶大興奮だった『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:1/9👑
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:Special Delivery
  製作年:2022年
  製作国:韓国
   配給:カルチュア・パブリッシャーズ
 上映時間:109分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:なし

【あらすじ】

天才的なドライビング・テクニックを持つウナ(パク・ソダム)が勤めるペッカン産業は、表向きには釜山で廃車処理場を運営しているが、裏ではどんな荷物も配達する“特送”の仕事を請け負っている。

ペク社長(キム・ウィソン)からの指令でウナが引き受けた新たな依頼。それは、海外ヘの逃亡を図る元プロ野球選手で賭博ブローカーのキム・ドゥシク(ヨン・ウジン)とその息子ソウォン(チョン・ヒョンジュン)を港まで運ぶこと。

しかし、違法賭博の元締めであり警官のチョ・ギョンピル(ソン・セビョク)が部下を引き連れて現れ、追い詰められたドゥシクはソウォンをウナのもとに逃がす。依頼人のドゥシクが不在のまま、ウナは身寄りのないソウォンと300億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目に。

貸金庫の鍵を狙う悪徳警官ヤクザ、冷酷非情サイコパスな殺し屋、さらには「脱北」の過去を持つウナを秘密裏に調査する国家情報院までをも巻き込んだ、命がけの追走劇カーチェイスが始まる──。

【感想】

いやいや、メチャクチャ面白いじゃないですか、これ。。。こんなの作れちゃう韓国映画界が本当にすごいですよ。。。完全に圧倒されました。。。

<既存の面白い要素の組み合わせがうまい>

映画好きな方なら予告編を観たときにピンときたかもしれませんが、この映画は過去の2つの映画の要素をうまく組み合わせていると思います。まずひとつが『ベイビー・ドライバー』(2017)です。これはアンセル・エルゴート演じる耳鳴りのやまない青年の神がかったドライビングテクニックがウリの映画ですね。アメリカなら国土が大きく、街の道路も広いのでいくらでもカーチェイスできるじゃないですか。でも、韓国は違いますよね。国土は日本よりも小さいですし、もちろん都市部には広い道もありますが、アメリカほどじゃありません。日本みたいに狭くゴチャっとした道の方が多いんじゃないでしょうか。でも、そんなところでやっちゃうんですよ、、、大迫力のカーチェイスを。。。いや、韓国のアクション映画ってけっこう本格的なカーチェイス多いですけど、今回の映画はその中でも群を抜いています。ギアを即座に入れ替え、サイドブレーキを巧みに操り、華麗なハンドルさばきで狭いスペースを縦横無尽に走りまわる。いつクラッシュしてもおかしくないような走りをCGなしでやってるっていうんだから驚きですよ。そんなハリウッドに匹敵するようなカーチェイスを、冒頭5分からかましてくれちゃうんですから、しょっぱなから心わしづかみされました。

もうひとつは、『グロリア』(1980)。ジーナ・ローランズ演じる中年女性が、ギャングの襲撃から生還した少年を守り抜く話で、これは『レオン』(1994)の原形とも言われている映画です。今回の映画ではウナとソウォンの関係がまさにそれでしたね。マフィアに狙われる身寄りのない幼いソウォン。最初は嫌々ながらも彼の面倒を見ていたウナですが、いっしょに行動するうちに2人は固い絆で結ばれていくという流れです。28歳のウナのことを「おばさん」と呼んじゃうソウォンの年齢感覚にも笑ってしまいますが、この性別や年齢を超えた友情には目頭が熱くなるところもありました。しかも、この2人は『パラサイト 半地下の家族』(2019)に出ていたという縁でもあるんですよね。

<韓国映画ならではのいい部分もプラス>

上記で書いたように、異なる2つの映画の要素をうまく組み合わせたところがこの映画の面白いというか、うまいところなんですけど、本作の見どころはそれだけじゃありません。韓国映画らしいバイオレンスシーンにも注目していただきたいです。流血甚だしい表現は痛々しさが伝わってきますし、終盤の格闘シーンでウナが大暴れするところの臨場感と派手さはものすごくかっこよかったです!!ここまで観客が興奮できる内容を詰め込める監督と脚本家の手腕に脱帽しました。その分、ウナがなぜあんなに強いのか、どうやってドライビングテクニックを身につけたのかなど、彼女の人物背景はあまり深いところまで描かれていないんですが、そんなこと気にならないぐらい目の前に広がるアクションシーンの数々に心奪われます。。。

<韓国ではニールバレットが人気?>

ひとつ気になったところがあって、それは韓国のお金持ちの子供のファッションです。先日観た『非常宣言』もそうだったんですが、子供なのにニールバレットを着てるんですよ。あのイナズマのマークが有名なのですぐにわかりました。今回はフェンディのリュックも背負っていましたけど。パッと見でどのブランドかすぐわかるアイコン的なキャラクター演出がわかりやすくていいなと思う反面、こんなあからさまな服、邦画ではまず着ないよねと思いました(笑)

<そんなわけで>

そんなわけで、アトラクションのようなハイスピードかつスリリングな展開がとてつもなく面白い映画なので、これはぜひ映画館で観てください!ウナの過去とか詳しく語られていないので、続編でその前日譚とかやってくれたらうれしいですね~。

いやー、アイドルしろ映画にしろ、韓国のエンタメのすごさは日に日に増していってる気がします。以前は全然パッとしないイメージでしたが、ここ15年ぐらいでものすごく進化していますよね!日本は完全に追い抜かれてしまったのでは。。。(笑)


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