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人類終了のお知らせその2。音を立てたら即死だけど映画館の各スクリーンに1体はあのクリーチャーにいてほしいと思った『クワイエット・プレイス:DAY 1』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:60/74
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★★★
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★☆

【作品情報】

   原題:A Quiet Place: Day One
  製作年:2024年
  製作国:アメリカ
   配給:東和ピクチャーズ
 上映時間:100分
 ジャンル:ホラー、パニック
元ネタなど:映画『クワイエット・プレイス』シリーズ(2018-)
公式サイト:https://quietplace.jp/

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
物語は、ひとつの家族を襲ったあの衝撃から471日前、世界が沈黙した日[DAY 1]へと遡る。音を立てるものすべてに襲い掛かる謎の生命体が突如として大都市・ニューヨークに襲来し、猫を抱えた1人の女性は、“即死度MAX”のサバイバルを余儀なくされる。

果たしてこの街に生き残る術など存在するのか。この絶望に、彼女はどう立ち向かうのか。そして、“音を立ててはいけない”というルールに人類はいかに辿り着くのか。

究極のサバイバルの先に、彼女たちが見たものとは…。

【感想】

クワイエット・プレイス』シリーズ第3作目にして前日譚。あの音に反応するクリーチャーが地球にやってきたときのニューヨークの様子を描いた作品。相変わらずジャンプスケアが心臓に悪かったです。。。(笑)

<シリーズごとにジャンルが微妙に異なる>

この映画シリーズ、作品のたびに若干ジャンルが変わっていくのが特徴的なんですよね。1作目は主人公の自宅を舞台にしたクリーチャーからの逃避行で、シリーズの中で最もホラー要素が強いです。2作目は主人公の子供たちをメインにクリーチャーを倒すために遠出をするという攻めの姿勢を見せるアクション映画っぽさが出てきます。で、本作は余命幾ばくもないサミラ(ルピタ・ニョンゴ)が限りある時間を悔いなく過ごそうとするヒューマンドラマ仕立てになっていました。

本作に関しては、Filmarksや映画.comを覗くと絶賛するレビューもありますけど、個人的にはシリーズの中で一番ハマらなかったんですよね。。。理由は案外地味だったから(笑)あのニューヨークの街が瞬く間にディストピアと化し、人類が駆逐されていく様子は楽しめましたけど、舞台が一気に広がり、犠牲となる人々が桁違いに増えた割には、ちょっとこじんまりとしていた印象なんですよ。もっと人々が生々しく襲われ、クリーチャーと軍隊のドンパチがあってもよかったというか、そういうのを期待していたんですけど、、、まあそうなるともう完全に『エイリアン』シリーズ(1979-)と同じになっちゃいますかね(笑)

<もはやクリーチャーありきではない>

さっきも触れましたが、この映画はヒューマンドラマ、もといパニックホラーの雰囲気を持つヒューマンドラマです。病気でいつ死ぬかもわからないサミラと、道中でたまたま出会ったエリック(ジョセフ・クイン)が、サウス・ストリート・シーポートから出ている避難船を目指して行動を共にします(ちなみに、避難船の話は2作目で出てきます)。途中、何度もクリーチャーに襲われる危機に遭いながらも、間一髪のところで何とか逃げることに成功し、港までたどり着くんですが、その中でお互いがどういう人生を歩んできたか、そして、サミラがなぜピザを食べることに固執するのかが明かされていきます。これまでの作品ですと、クリーチャーからの逃避や攻防がメインという感じがありましたが、本作では2人のこれまでとこれからの人生にシフトしている印象を受けましたね。ある意味、クリーチャーの存在がおまけみたいな気さえします(笑)

<ラストは観客の判断に委ねられる>

終盤から最後のオチにかけてはけっこう唐突でしたね~。これまでいろんな映画を観てきた身からすると、ああいう場面ではキャラクターがなぜそういう行動に出るのかをセリフで伝えることが多いんですよ。「俺はもう生きられないから、せめてここは……」とか「あなたには幸せになってほしい。だからここはあたしが……」みたいに。ところが、今回はそういうのは一切なく、いきなり「走って!」ときたもんです。なので、サミラのあの行動の動機は観客の判断に委ねられることになります。このまま逃げても自分は遅かれ早かれ病気で死ぬからとか、父親との思い出が残る場所に残りたかったからとか、そんなところなんじゃないかと個人的には思っていますけど。逃げ続けるだけの人生よりも、自分がどうなろうとやりたいようにやりたかったってことなのかもしれません。限りある時間を悔いのないよう過ごそうとする点においては潔さを感じました。

<そんなわけで>

この映画はホラーとしての怖さはほとんどなく、たまにいきなり出てくるクリーチャーにびっくりするぐらいです(笑)また、前日譚とはいえ、これまでのシリーズで主人公だったイヴリン(エミリー・ブラント)に繋がる話もりません。なので、過去作を観ていなくても問題ないでしょう。むしろ、過去作を観ている人の方が好み分かれそうです。それにしても、あのクリーチャーは一体何者で、なんで地球に来たのか、人々はどうやって音に反応するということを知ったのか、そこらへんの描写は今のところ全シリーズで触れられていませんね。もうそこは大した問題じゃないのかもしれませんが、僕はかなり気になってます!(笑)

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