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夏の肝試し的な映画にピッタリ!断線した黒電話からの声の主に背筋が凍りつく『ブラック・フォン』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:34/103
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★☆

【作品情報】

   原題:The Black Phone
  製作年:2022年
  製作国:アメリカ
   配給:東宝東和
 上映時間:104分
 ジャンル:サイコスリラー、ホラー
元ネタなど:小説『黒電話』(2004)

【あらすじ】

コロラド州デンバー北部のとある町で、子供の連続失踪事件が起きていた。
気が小さい少年フィニー(メイソン・テムズ)は、ある日の学校の帰り道、マジシャンだという男に「手品を見せてあげる」と声をかけられ、そのまま誘拐されてしまう。

気がつくと地下室に閉じ込められており、そこには鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして断線した黒電話があった。すると突然、フィニーの前で断線しているはずの黒電話が鳴り響く。

一方、行方不明になった兄フィニーを捜す妹グウェン(マデリーン・マックグロウ)は、兄の失踪に関する不思議な夢を見る。

【感想】

毎日暑い日々が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。そんなときにピッタリなのがこの映画です。ほどよくヒヤッとする怖さのあるサイコスリラーです。いや、ホラーでもあるのかな、、、?この2つの定義が曖昧ですが、強いて言うなら、ホラーはゾンビやオカルトなどの超自然現象。スリラーは現実世界の殺人鬼や犯罪者を描いたものであることが多いらしいです。

<『学校の怪談』を思わせる怖さ>

さて、本作について。原作となる小説はあの「ホラーの帝王」であるスティーヴン・キングの息子、ジョー・ヒル。そして監督は『ドクター・ストレンジ』シリーズでメガホンを取ったスコット・デリクセン。5月に観た『ドクター・ストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス』はややホラー感もあったので、この手の映画を手がけるにはうってつけの人物でしょう。

この映画は、誘拐されて密室に閉じ込められた主人公フィニーが、いかにしてそこから脱出するかというサバイバル要素の強い話です。場所は地下で防音加工が施された室内なので、中からの声は一切外には聞こえません。フィニーの目の前には唯一の出入り口。ただ、その扉を出て階段を上ると誘拐犯のアルバート(イーサン・ホーク)が待ち構えているという逃げ場のない状況です。

そんな絶体絶命の状況に陥るフィニーの唯一の手助けとなったのが、壁にポツンと掛けられた黒電話。断線していて通話はできないはずなのに、ある日突然「ジリリリ」と鳴り響きます。「……もしもし?」恐る恐る出てみると、声の主はなんと……っていう、僕が小学校時代に大流行した『学校の怪談』のような設定に背筋が凍る思いでした。

<まるでゲームのような感覚>

いつ殺されるかわからない中で、黒電話からの声を頼りに、身のまわりにあるものだけで脱出を試みる展開は、ゲームで遊んでいるかのような気分にもなれます。限られた時間と空間における脱出劇ってスリルがあって面白いですよね。今回ほぼ何もない地下室ではあるんですが、少ないヒントを頼りにフィニーはあれこれ試します。中から外へ音が出ないというのは、逆に好都合なんですよね。外から中の音も聞こえないので。何をやってもバレません。ただ、不定期に誘拐犯が様子を見に来るので、そこがドキドキするポイントでもありました。

<そんなわけで>

この夏の肝試し的な意味で観るのに最適な映画だなと思いました。まあ結局、誘拐犯の目的はわかりませんでしたし、妹グウェンが不思議な夢を見るという設定もだいぶ都合のいい形に使われてしまったところはありますけど、その分テンポよく進んで観やすかったです!


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