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土方歳三の生き様と新選組の軌跡がダイジェストでわかる『燃えよ剣』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:129/219
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】

時代劇
アクション
ヒューマンドラマ
新選組

【元になった出来事や原作・過去作など】

・出来事
 新選組(1863~1869)

・小説
 司馬遼太郎『燃えよ剣』シリーズ(1964)

・映画
 『燃えよ剣』(1966)

・テレビドラマ
 『燃えよ剣』(1966、1970、1990)

・舞台
 『燃えよ剣』(2004、2013)

【あらすじ】

武州多摩の"バラガキ"土方歳三(岡田准一)は、「武士になる」という熱い夢を胸に、近藤勇(鈴木亮平)、沖田総司(山田涼介)ら同志と共に京都へ向かう。徳川幕府の後ろ盾のもと、芹沢鴨(伊藤英明)を局長に擁し、市中を警護する新選組を結成。土方は副長として類まれな手腕と厳しい法度で組織を統率、新選組は討幕派勢力の制圧に八面六臂の活躍を見せる。

お雪(柴咲コウ)と運命的に出会い、惹かれ合う土方だったが、時流は倒幕へ傾いていく。幕末の動乱の中、剣を手に命を燃やした男たちの知られざる【愛】と【戦い】が、今幕を開ける。

【感想】

土方歳三の生き様と新選組の軌跡を描いた作品ですね。小説は読んでいませんが、1966年版の映画は観ました。

<1966年版との違い>

当然史実に沿ったお話なので、今も昔もストーリーに違いはありません。扱っている時期に多少の違いがあって、1966年版の映画は、池田屋事件のところまでで終わっていますが、今回の映画は土方歳三の最期までを描いています。とはいえ、本作も池田屋事件以降はさらにダイジェスト感が強まり、歴史を知らないと「ふーん」で終わってしまう印象ですね。どちらも面白いと言えば面白いんですが、基本的にこの歴史的事実を知っていることを前提に作られたお話です。なので、幕末の日本についての知識があった方が、より楽しめるかなと思いました。個人的には、土方歳三の人となりは1966年版の方がわかりやすく、新選組の軌跡っていう点では今作の方がわかりやすい印象です。

<殺陣にも違いが>

ダイジェスト感が強いと、淡々と進んでいくよくある伝記的な映画になってしまいそうなのだけど、これは激しい殺陣アクションが途中何度かあるので、いい気分転換になりますね。ただ、昔の映画と比べると、その殺陣もだいぶ変わったと感じます。昔の殺陣は引きの映像が多いからか、全体の動きがよくわかるんですよ。一方、今回の方はアップが多くて、迫力はあるものの、カット数が増えるから、一連の動きがちょっとわかりづらいですかね。どっちがいいっていう話でもないですけど。

<実物に近いキャスティング>

今回の映画においては、配役はけっこう実物に近いんじゃないかなって思いました。教科書とかに載っている写真と比較すると、岡田准一の土方歳三はそれっぽいし、鈴木亮平の近藤勇っぽさもガチハマりしてます(けっこう顔がそっくりなんですよw)。

沖田総司はよく漫画とかで美少年に描かれるけど、実際の写真は、、、(笑)でも、山田涼介が演じたことで、二次元の実写版としてはアリですねー。

あと、顔自体は似ていないんですけど、伊藤英明が演じた芹沢鴨も雰囲気はピッタリでした。彼、かなりのクズ野郎だったようで。。。新選組って好きな人はメッチャ好きだと思いますが、あの中にはいろんな人がいたようですからね。けっこう悪事を働いていた人もいたみたいです。

るろうに剣心 最終章 The Final』で沖田総司を演じた村上虹郎が、今回は岡田以蔵を演じているのはちょっと面白いですね。同じ時代を描いた映画で、違う役を演じるとは。

あと、柴咲コウが演じたお雪。土方歳三の相手役って、1966年版版では佐絵(小林哲子)っていう人なんですが、いずれも架空の人物のようです。土方歳三ってメチャクチャモテてたらしいので、実際のモデルとなった人物がいたかどうかは定かではないようですが、女性に困っていなかったのなら、相手役はいかようにも創作できるのかもしれませんね。

<その他>

総じて、歴史好きじゃないとちょっとハマりづらいかもしれません。僕自身の話で恐縮ですが、僕は、大学受験のときの選択科目は日本史でしたが、特別歴史が好きなわけではありませんでした。だから、新選組を始めとした幕末の話って、何年に何があったかという知識でしか覚えていないんですよ。その背景をストーリーとして学んだわけではないので、結局何となくしかわからないっていう。。。

薩長同盟、尊王攘夷の思想、江戸幕府の置かれた状況などを知らないと、あんまり頭に入って来ないかもしれません。なんで薩摩藩と長州藩だけよく名前が挙がるんだっけとか、なんで急に尊王攘夷の気運が高まったんだっけとか、お恥ずかしながら詳しく知らず。。。日本人なら知ってて当たり前かもしれませんけど、歴史好きじゃない限りは、意外とみんな知らなかったりして。。。いや、僕だけですかね。。。

歴史好き、時代劇好き、殺陣好きにはオススメできるかもしれませんが、そうじゃない限りは、少し根気がいるかもしれません。尺も長いので。


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