役者の素晴らしさを痛感する『スペシャルアクターズ』
2019年公開映画174本中68位。
『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督の長編第2弾です。
予告の時点から期待していたのだけれど、普通に面白かった。
役者っていい仕事だよなーって素直に思えます。
主人公は緊張すると気絶してしまうという特異体質の持ち主。
弟の勧めでサクラの斡旋も行なっている俳優事務所に所属したところ、
「とある宗教団体に旅館を乗っ取られそうだから助けてください」
との依頼が。
そこで、芝居を通じて悪いやつらを追い払おうという、
「そんなことある?!」って感じの映画です(笑)
今回もまた、出ている人はみんなほぼ無名の役者さんなんだけど、
振り返ってみると、逆にそこがいいなって思うんだよね。
変なイメージを持たずに観ることができるから。
「あの役者がこんなことしちゃうんだ」
っていうギャップを楽しむのもアリだけど、
みんな知らないからフラットに観れるし、そういう楽しみもアリだと思う。
それでいうと、今回も役者の持つ雰囲気とキャラがマッチしていて、
この配役うまいなーって感じた。
お話自体も二転三転する形が面白くて、
「ええ!そうだったの?!」
って驚きが詰め込まれているところがポイント。
正直『カメ止め』があった分、いろいろ覚悟して観てしまうからね、
『カメ止め』ほどのびっくりはなかったけど、
それでも、普通に笑えるし驚くしで、とても楽しめた。
特に、終盤の大茶番劇とかマジでツボで!!
ヒーローモノが好きな人は絶対ハマる演出!!
自分もああいうの、マジでやってみたい、、、!!(笑)
そして、ラスト。
まさか過ぎてちょっと泣きそうになったし。
あれは読めなかったなー。
すごくいい演出。
(個人的には、もう少し兄弟のエピソードがあれば、
完全に泣いてたと思うけどw)
こんな形で、芝居で人を助けるっていう設定が秀逸だよなあ。
例えば、病んでいた人に面白い芝居を見せて心が救われたとか、
そういう心情的な手助けはできるとは思うけど、
今回は完全に物理的に救出していたから、
よくこんな設定と演出を思いつくよなってつくづく感心します。
上田慎一郎監督、自分と同い年ということもあって、
その才能の豊かさに尊敬と嫉妬を感じます(笑)
ちなみに、このプロジェクト元である
「松竹ブロードキャスティング」っての、
前に『ピンカートンに会いに行く』って映画も観て、
それもすごく面白かったから、今後要チェックだと思った!