新参者なのに作品の空気をガラッと変えるカマラの存在感と、とんでもなく大きな可能性を提示してくれたことに歓喜した『マーベルズ』
【個人的な満足度】
2023年日本公開映画で面白かった順位:16/156
ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
映像:★★★★★★★★★★
音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★
【作品情報】
原題:The Marvels
製作年:2023年
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
上映時間:105分
ジャンル:アクション、スーパーヒーロー
元ネタなど:シェアード・ユニバース「マーベル・シネマティック・ユニバース」(2008-)
【あらすじ】
※映画.comより引用。
規格外のパワーと不屈の心を兼ね備え、ヒーロー不在の惑星を守るため幅広く宇宙で活動していたキャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)。そんな彼女のある過去を憎み、復讐を企てる謎の敵が出現する。
時を同じくして、キャプテン・マーベルと、まだ若い新世代ヒーローのミズ・マーベル(イマン・ヴェラーニ)、強大なパワーを覚醒させたばかりのモニカ・ランボー(テヨナ・パリス)の3人が、それぞれのパワーを発動するとお互いが入れ替わってしまうという謎の現象が起こる。
原因不明のこの現象に困惑する中、地球には未曽有の危機が迫り、キャプテン・マーベルはミズ・マーベル、モニカ・ランボーと足並みのそろわないチームを結成することになるが……。
【感想】
「マーベル・シネマティック・ユニバース」第33作目。『キャプテン・マーベル』シリーズ第2作目。毎度おなじみ世界最速0時上映にて!いやー、よくやってくれましたよ!!まさかこんなにも大きなゲームチェンジャーとなる作品で、今後の展開にものすごく期待してしまう内容だとは思わなかったので、、、!!だけど、ディズニープラスのドラマを観ていない勢は割と置いてけぼりを食らうかもしれません(笑)
<カマラだよカマラ、カマラがいいんだよ>
今回の映画は3人の女性が主人公なんだけど、その中で一番推したいのはミズ・マーベルことカマラ・カーンです。彼女はドラマ『ミズ・マーベル』(2022)で初登場したキャプテン・マーベルが大好きなティーンエイジャーのオタク女子。推しが目の前にいて興奮すると早口になるオタクあるあるっぷりがキュートなんですが、彼女がほぼすべて持っていきましたね。アベンジャーズの中では新参者ですが、いい意味で空気を読まず、自分の感情に素直。「キャプテン・マーベル大好き!」っていう純朴なオーラが溢れまくってて、それが作品の空気を支配しているんです。前作の『キャプテン・マーベル』(2019)はシリアスな部分も多かったんですが、今作はカマラ(および彼女の家族)のおかげでコメディ要素がふんだんに盛り込まれて、前作映画とドラマのいいところがうまく合わさっている感じでした。
<初めて見せるキャロルの人間臭さ>
もうひとつ印象的だったのが、キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースに感じた人間臭さですね。僕はアベンジャーズの中で彼女が一番強いと思っているんですが、それゆえか常にひとりで孤高の戦士って印象を持っていました。その圧倒的な戦闘力ですべてを解決し、失敗なんかしない人なんだって。ところが、今作でそれが覆されます。キャロルは前作のラストで「すぐ帰る」とおチビ中尉(幼き日のモニカ)に言ったにも関わらず、その約束を果たせなかったんですよ。ずっと地球には帰らずで、その間にモニカもすっかり大人に成長しました。でも、"帰らなかった"のではなく、"帰れなかった"んですよね。その理由が、これまでのキャロルに対して持っていた印象と180度違うとても人間らしいものでギャップを感じました。そんな彼女が、モニカとカマラといっしょにいることで仲間のよさに気づいていくのもこの映画の魅力ですね~。
<MCUの流れを変えるきっかけを作るモニカ>
そして、今回の映画でゲームチェンジャーのきっかけを与えくれたのがモニカです。大人になった彼女は『ワンダヴィジョン』(2021)で初登場し、スーパワーを手に入れることになります。真面目な性格で、突っ走っちゃうキャロルとオタクなカマラの間でうまく立ちまわってくれますが、今回の映画ではキャロルとカマラがけっこう振り切った感じなので、モニカはやや影が薄くなりがちでしたかね。でも、そんな彼女の身に起こることが、今後のMCUの流れを大きく左右することになりそうです。
<3人揃ってこそ意味がある>
この絶妙なバランスで保たれた3人だからこそ面白いんですよ。性格だけじゃなくて能力も微妙に違うので、力を使って瞬時に体を入れ替え、それぞれのスキルをうまく使い分けながら敵を翻弄していく戦闘シーンは、ものすごく興奮しました!!そういう事象に陥ったからこそ、よりチームワークや協調性が必要になり、結果的にキャロルの変化にも繋がっていったんだなと思います。それにしても、撮影大変だったろうなあ(笑)
<驚愕のサプライズ!!>
忘れちゃいけないのが、最後のオマケ映像です!ここはぜひ多くの人に一刻も早く知ってほしいところ、、、!言いたい、ものすごく言いたい、、、でも我慢。。。ネタバレするわけにはいかないので詳細は割愛しますが、ものすごく可能性に満ちているというか、ようやく前に進んでるなって実感できました。最近のマーベル映画のオマケ映像ってそこまで驚くようなものがなかったんですが、今回だけは別格です。会場がざわつくほどのインパクトで、「これこそMCUだよなあ!」と久しぶりに思える内容でしたね。正直、ここに全部持っていかれたと言っても過言ではなく、それゆえに「本編よりもオマケ映像の方が強いって映画としてどうなのよ」っていう気がしないでもないですが、帰るまでが遠足と言いますか、このオマケ映像まで含めてのMCU作品なので、まあいいかなと。だいぶチートですが(笑)
<そんなわけで>
カマラの存在に癒され、サプライズに心を鷲づかみにされる見ごたえ抜群の映画でした。まあ、正直、ヴィランのダー・ベン(ゾウイ・アシュトン)がいきなり出てきた上に存在感がなかったり、ヤン王子(パク・ソジュン)も唐突すぎて意味不明だったりっていうのもあるんですが、個人的には総じて楽しめました。ここまでシリーズというかユニバースが大きくなってしまうと、映画単体での評価が難しい部分もありますけど、ようやくフェーズ5に入ってMCUらしい作品になったかと思います。本作をもっと楽しむには、ドラマの『ワンダヴィジョン』と『ミズ・マーベル』を観ておくことをオススメします。あと、猫かわいいですよ猫(笑)
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