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匣ミュと結婚させてくれ/ミュージカル『魍魎の匣』感想

匣ミュと結婚する。
観てからそれしか言ってない。

結論から言うと、ミュージカル『魍魎の匣』…最高の作品であった。

匣ミュが発表されたとき、「え?魍魎の匣がミュージカル?(笑)」みたいな反応が多かったが、私はヨッシャーーーー!!!大勝利!!!優勝!!!!!と大歓喜していた。
ミュージカルに縁遠い人だと、歌って踊って陽気にハッピー!なのがミュージカルだというイメージがあるらしく結構な困惑が見られたが、暗くて重くて地獄で死!なミュージカルもたくさんあるので安心してくれたまえ…と後方彼氏面でTLを見ていた(誰?)
日本版ミュージカル「フランケンシュタイン」のオタクで、公演を観ながら(京極先生に観て欲しい…チケットか円盤を送り付けたい…)という気持ちを抱いていた京極夏彦のオタクなので、もう板垣恭一×京極夏彦×小西遼生というだけで優勝した。そもそも魍魎の匣がフランケンシュタインオマージュの作品でもあるので、合わないはずが無いのだ。


公演を主催するイッツフォーリーズさんは初見だが、ゲゲゲの鬼太郎主題歌作曲家の劇団と聞いて無限に信頼した。

そんなわけで、ヘッダーの京極バレッタ×京極手袋の浮かれまくりな私の写真が爆誕した。どれくらい浮かれていたかおわかり頂けただろうか。

感情が昂るとまともな文章が書けないタイプのオタクなので、めちゃめちゃ浮かれてた!という記録としてこれを記す。そんなわけで猫ちゃんがキーボード押し続けて出来てしまった文よりマシだと思ってもらいたい。今回最高過ぎて中禅寺こに彦の夢女になってしまったのでマジで理性はゼロである。なお私は原作榎木津礼二郎の夢団員(薔薇十字団)である。


以下ネタバレします。


感想

まずプロローグ始まった時点で(あっもうこれ最高のやつだ…板垣先生…感謝…好き…ちゃんとミュージカルの定石踏んだ作品だ…)と開始30秒以内に優勝した。
とにかく曲数が多い!感謝!そして全部名曲!!!小澤先生…感謝…。曲がどれも覚えやすくて聞いてすぐ覚えちゃったのだが、歌ってみようとするとめちゃ難しいんですが…!?

舞台セットに文字を映すという演出だが、匣ステでも文字を映していたので違和感はなかった。
これはもしかして漢字がある国ならではの表現なのではなかろうか。読みを聞いてわからない単語でも漢字を見ればなんとなく意味が掴めるので、言葉の意味をいちいち説明しなくてもいいスピーディーな演出になっていた。重要な単語だけでなく普通の単語も映されるので、それを追って自分の中で取捨選択する作業がミステリを読んでる体験に近く、面白いなと思った。
時系列や場所が行ったり来たりするので、文字を映すことで日にちと場所の説明が自然でスムーズだったと思う。日にちが動くときにスマホのカレンダーアプリを指でサーッと動かした様な動きをするのが気になったといえば気になった。でもアナログな日付の動かし方ってなんだろうな…と考えて特に代替案は出てこないのでこれでいいのかなと思う。
『魍魎の匣』をわざわざミュージカルでやる必要あるのか?という意見を始まる前に見たが、そんなこと言ったらこの世にわざわざミュージカルでやる必要のある題材なんて何も無い。ミュージカルでやりたいからやるだけなのだ。わざわざ映画に、とかわざわざアニメに、と同じ問いである。
敢えてミュージカルにした意義について言うと、喋るより歌う方がスピードが速く、同じ秒数に乗せられる情報量が多いという事が言えるのではないだろうか。伝達する速度が速いので、京極堂が喋り倒すこのシリーズに向いているのだ。ミュージカルの情報伝達速度の速さと京極作品の情報量の多さが上手くマッチングしている。
これだけの情報量を喋る間合いで伝えるとしたら凄く時間が掛かるだろうなと思う。

匣ステは「おっ!ここの演出は漫画を、そこはアニメを参考にしましたね!?」というのが結構あり楽しかったのだが、匣ミュは「板垣先生…スゲー演出付けてんな…」と鳥肌が立った。
マジで簡素な舞台セットしかなく、襖と箱しか動かさない。
キャストの存在感と実力を信頼した演出を付けてるのである。余計なものは一切ない。そーいうの大好きですよ。テニミュもそうなんだが、簡素なセット(ネットとベンチ)だけ置かれていて、役者の力だけで舞台の空間を埋めなきゃいけない(物理的な意味ではない)演出、よっぽどキャストの力を信頼して、更に観客の読解力も信じてないと付けられないと思う。
顕著なのが加菜子で、出番も台詞もめちゃめちゃ少ないのに事件の核となる圧倒的で神秘的な存在感があった。「ほう」だけで客席を納得させられる…いや納得させられた。「ほう」で失敗したら台無しな演出、凄いし恐い。本当に凄い歌声と存在感であった。容貌も凄く神秘的で、そりゃ頼子もメロメロになるし神格化するわと思った。

余談だが「フランケンシュタイン」は韓国発オリジナルミュージカルで、同じ脚本家の別作品を観たのだがいまいち私には響かなかった。だからもしかして私が好きなのは日本版板垣先生演出だからであって、韓国版を観てもハマらない可能性あるな…と思ってたのだが、匣ミュでその確信が強くなった。
板垣先生はアンサンブルをアンサンブル(合唱)として置いておかず、一人一人に「人格」を持つように演出されていると感じる。匣ミュで「コロス」という役割で出演されてる方々もコロス(合唱)としての役割をこなしているとき以外は「人格」として動いているし、千鶴子さんや小泉女史として出ている。
プリンシパル以外の人生にも目配りが出来ている演出が私は好きだ。

ところで中禅寺こに彦の夢女になった件だが、私はそもそも京極夏彦先生の夢女なので、京極先生の現場にまあそこそこ通っている。京極先生は講演会や朗読会等が結構あるので、夏なんか毎週現場があったりする。その私が言うのだが、小西遼生の京極堂…めちゃめちゃ京極先生に…に、似ている…。表情の作り方、眉根の寄せ方、目の眇め方、腕の組み方、話し方…色んな要素から京極先生を…感じる…!今までアニメや映画、匣ステで京極堂に対してそんなこと思った事なかったので衝撃を受けた。
原作を読み込んだ結果京極先生に似たのか、役作りとして京極先生を参考にしたのか、板垣先生の指導でそうなったのかどうなのか気になり過ぎるので切実に教えて欲しい。
私の欲目でそう見えているだけなのかも…と思って一緒に観た京極オタク(講演会等参加、原作ファン)にも聞いたが「やっぱり似てるよね!?」という返答だった。いやでも原作ファンの欲目かも!?と思って帰宅後に弟(講演会等連行済み、原作未読)に配信を、母(講演会等道連れ済み、原作未読)に写真を見せたところ、「似てる…」という回答を得たので、私の気のせいじゃなく似ている。
もし良ければ京極先生ご本人による作品PVがございますのでちょっと見てみて下さい。


そして、こにたん「生まれたときから中禅寺秋彦ですが何か?」レベルで本物だったし、着流し着るために生まれてきたのか?というくらい腰から脚にかけてのラインが完璧だった。あのラインを永遠に見詰めていたいのでアクスタ売って下さい。ついでに缶バッジも下さい。円盤もくれ…バクステつきで!(際限の無い欲望)
衣装替えがあると思わなかったので本当に助かりました、有難うございます。寿命が延びました。お足元の裾がほとんど乱れなかったのが最高でした、ガードが堅い!
あとこに彦が出てきたらめちゃいい匂いする…と思ったのですが…気のせいなのかどうなのか、出番前に香水を振りかけるなんていうタカラジェンヌみたいな事をされてたりするのだろうか…。有識者の方おられたら教えて下さい(有識者おられました!香りにはまっておられるそうです)。

原作では榎さんファンな私、キャスト発表になったときに絶対加藤将(でかい、めちゃめちゃ陽気)がやると思ってたので、北村諒と聞いて驚いた。えっあの薬研の人!?確か身長そんなに大きくないのでは!?と(榎さんは大きい)。
いやはや、良かったです、杞憂でした。キャラビジュに拘る2.5だと、身長って結構大事な要素なのだがそこが主題じゃないので違和感が無かった。観ながら鴨居に手が届くんだろうか…とは思ったが(お気付きだろうが私はテニミュの女でもあるので小西池岡加藤に沸き散らかしていた)。
唐突に中禅寺こに彦の夢女になってしまったため、一緒に出てる場面はあんまりきたむー榎さんを見られてないのだが、感想を書いておく。

いや…まず…木場役の吉田さんのツイートに大・感・謝………(木場榎の民)

舞台上での絡みが少ないので、裏で絡んでるとわかって五体投地………感謝するぜ 匣ミュと出会えた これまでの全てに!!!🫶❤️
私は公演を観てからしか初日映像等を見ない感想も検索しない派なので、劇場で唐突に榎さんの熱帯魚にされて薔薇十字団員になる夢が叶った。榎さんに飼われてるってことは団員ですよね?ありがとうございます!!!
そして榎さんが熱帯魚を飼うのはきたむーが勝手に作った設定だということなのだが、京極先生から「榎木津は熱帯魚を飼うことになっているのでびっくりした」というコメントがあった。

そしてこれ確か読んだことあるな!?と思って読み返したら、『百鬼夜行 陽』に魚を飼いたい、魚の目が好きだという「目競」という短編が収録されていた。
「キャラをよく掴んで頂いてる」と京極先生が仰有った通り、原作を匣以外も読み込まれたのだろう。ちなみにちょうど京極先生による「目競」の朗読動画がありますので良ければどうぞ(隙あらば推しを推していきます)。


きたむーが読み込んでくれていると感じた点は他にもあって、舞台上で榎木津がサングラス(黒眼鏡)を持っているのだが、シリーズ八作目『陰摩羅鬼の瑕』で黒眼鏡を掛けた榎木津が出てくる。今すぐシリーズ全部読み返した訳ではないので、そこが初出かどうかわからないが、他のシリーズも読んでないとサングラスというのは思い付かない小道具だろう。また、シリーズを読んでいたら榎木津が衣装持ちだとわかる。私が確認出来ただけでサングラスは三種類あった。板垣先生が小道具として用意したのか、きたむーの解釈で私物を持ち込んだのか…気になるので教えて欲しい…。
また、増岡さんとの名前を間違えるやり取りが日替わりになっており、今日はどんな間違え方にするのかな?と楽しみにしていた。千秋楽は、なんと間違えなかったのだ。原作読んでるオタクは痺れたんじゃないかと思う。私は痺れた。
軽く原作のネタバレしますので嫌な方は飛ばして下さい。
榎木津は増岡に限らず人の名前を間違えまくるというキャラなのだが、『百器徒然袋 風』収録「面霊気」のラストで散々間違え続けてきたとある人物の名前をフルネームで正しく手紙を書いてきたエピソードがある。いつもはわざと間違えてるのだ。この話を踏まえてないと、敢えて千秋楽に名前を正しく呼ぶというアドリブは出来ないのではないだろうか。
榎木津礼二郎を演じるにあたって『百器徒然袋』シリーズ、特に「面霊気」を読んでるか読んでないかで役の解釈がガラッと変わると思うので読んでて欲しいなと思っていたのだが、おそらく読んで下さってる事が分かって私は震えた。ありがとうございます…。ミュージカル初挑戦とのことで大変だったと思うのに、レンガ本達を読み込んで頂けて感謝しかないです…。

性転換が危惧されてた鳥口と増岡に関してだが、イッツフォーリーズさんは女性が多い劇団という事なのでそうなったと聞いて成程と思った。それなら仕方ない。
いやーーーでも…鳥口も増岡も…本当に良かった…。この公演観て鳥ちゃんのファンになっちゃったね………。
板垣先生の演出を信頼してたのでそもそもそんなに不安を感じてなかったのだが、想像以上に良かった。男でも女でも鳥口くんは鳥口くんだった。
明るくて軽快で聡明、カラッとしてて嫌みが無い。あまりにも自然に「うへぇ~!」って言うから初めは気付けなかったレベル。うへぇ、を自然に言えちゃうのがもう凄い、あんたが鳥口だ。敦ちゃんと歌うところは小鳥の姉妹みたいでめちゃめちゃ可愛かった。
増岡さんも…いやーーー良かった、増岡弁護士だった。
原作の男性増岡は雨宮と対比される立ち位置にいたが、女性になったことで陽子と対比される位置になったのも新たな発見があって良かった。終盤で一瞬でも陽子に寄り添える人がいて良かった。
ツンデレ眼鏡美女とても和みました。
あと里村さんも良かった…好きです里村さん…。
そういえば気になったのだが、二人の里美と靖子という女性名は誰が考えたのだろうか。板垣先生なのかそれとも京極先生に決めてもらったのか…気になる…。

この暗くて重い原作を、そのままの暗さ重さでミュージカルにしたら観る方は通いづらかっただろうと思う。原作の雰囲気はそのままに、シリアスとコメディのバランスがちょうどいい塩梅で配置されてるのでとても観やすかった。鳥口くんの「バラバラ殺人」の歌は明るく軽快でとても良い。これは鳥口の性格が明るいことを表現しているからだと鳥口役の大川さんがパンフレットに書かれていたが、多分それだけでなく、メディアや大衆の無責任さというのも表現しているのでは無いかと思った。どんな悲惨な事件があっても、自分に無関係だと判断したら「ひどいもんだね」「なんでそんな事したんだろうね」と流していく普段の私たちの姿勢なんじゃないだろうか。それが良いとか悪いとかではなく、所詮自分に無関係な事に対する姿勢ってそんなもんじゃないかなという事だ。
あと明るいといえば日替わりの青木場イチャイチャタイム。いや…ほんとにイチャイチャしてたな…。バナナ持ってこないんだ!?と思いましたが楽しかったのでOKです。最後「ちょっと!木場さん!」の青木がめちゃめちゃ笑顔でにっこりしちゃった。
というか、池ピーめちゃめちゃコケシ頭を仕上げてきてくれて思わず拝んじゃいましたわ…。どうやってセットしてるんアレ…。
榎木津の日替わりも毎回楽しかった。体感で劇場の客層は5割劇団ファン、3割こにたんファン、2割その他という感じだったのだが、その結構アウェイな中で毎回日替わりをやるのはなかなか大変だったんじゃないかと思う。特にMJネタで滑ったときのリカバリが上手くて感心した。
明るいシーンがあるおかげで本当に通いやすかった。日替わりにめちゃめちゃ2.5を感じた。変わったお仲間ポーズ!が毎回楽しみ過ぎた。

遠征民なのでラスト3日間しか行けてないのだが、ヒューーー!匣ミュ楽しい~!!!最高~~~!!!と目をぐるぐるさせながら通っていた。テンションは完全にテニミュに通ってるときと同じなのに(テニミュは通うと健康になる、健康保険適用すべき)、元気になるどころか気力体力が削られ続けて全然回復しなかった。何故だろう。今も毎日匣ミュのことを考えてるので回復しない。
ていうか公演前後に百鬼夜行のお茶を買いに行ったり、百鬼夜行の香水を買いに行ったりして常に動き回ってたからかもしれない。

原作オタクとして

長い話をまとめるために色んなところが削られているが、原作ファンなのでどこを削ってどこに繋げたかはわかる。しかしそれが初見の人にどこまで通じてるのかは私にはわからないな…と思って観ていた。
木場の話が結構削られてるので、最初の「白黒つけろ」をよく聞いてないと色々わからないんじゃないかなあと思う。そもそも四人がどういう関係なのか全然説明がないので、初見の人にどういう関係に見えてるんだろう…と思った。ズッ友仲良しおじさん四人組だろうか。アドリブで榎木津が木場を同い年と言ったときがあったのだが、それで「えぇっ!?」と思った人が何人かいそうだなと思った。
長いから削らざるを得ないので仕方ないのだが、原作だとこうでこうでこう、と説明されている部分が結論だけバン!と出てくるのでご都合主義的展開に見えてないかな…とちょっと心配になった。
全体の流れがわかってるからそう思うのであって、隣に座っていた劇団ファンのおじさんが「何回か観てやっとわかってきたかも…」と遠い目をされていたので、初見の人の事を思えばそのくらいの情報量にしとかないとパンクしてしまうのかもしれないし、このくらいがちょうどいいのかもしれない。
最初から犯行現場見せちゃいます!って感じの演出だったので(えっ!?いいの!?見せちゃうの!?ミステリーだけど大丈夫!?)とドキドキしちゃったのだが(加菜子の肩に手を掛ける頼子、ガションガションやってるのが見える須崎、探せの場面の陽子の表情、匣の中の娘の雨宮と加菜子など)、情報量の多さを考えるとこれくらい分かりやすくした方がいいのかなと思った。
匣ステは縁の紐が赤色だったり、久保の手袋が黒だったりと何故?と思うことがあったのだが、そういう齟齬が一切無かったので良かった。手袋の色は重要なので…。
ラスト久保の内面がバッサリカットされてたので、何故美馬坂が死んだのかわかるかちょっと不安になったが、機械の意識に反抗した結果だとわかればそれで充分なのだろう。
月光のスポットライトを浴びて立っている陽子に加菜子と頼子のデュエット「月光のスポットライト」を合わせてくるのは唸ってしまった。
かとしょがラジオで久保にも救いがあったと話してくれたが、それが何なのかは教えてくれなかった。まあそこは観客が感じるしかないところですしね。

公演を観てて、キャスト全員から「百鬼夜行シリーズ読んだ!!!!!匣以外も読んだぞ!!!!!楽しい!!!!!」という圧をめちゃめちゃ感じた。というか、匣以外も読んで板に乗せている故の世界観の広がりを感じた。
パンフレットを読むと、皆さんめちゃめちゃ作品について語ってくれているのでにっこりしてしまった。オタクは作品の事を考えてくれる人が好きなので、イッツフォーリーズさんのことが大好きになった(FC入りました)
匣ステは匣ステで、福本くん役の小林さんが京極先生に突撃して福本巡査に下の名前を貰った(それまで無かった)という可愛いエピソードがあるので好きだ。
というかパンフ自体もめちゃめちゃ凝ってて愛を感じた。あのみっしり詰まったパンフ、劇団員の方が手作業で詰められたらしい。凄い。
パンフについての様々なこだわりはこちらで語られてますので良ければどうぞ。
たくさんの愛と手間隙が詰まったパンフ!なんと!イッツフォーリーズさんは通販をされてるので!今からでもご購入可能です!!!舞台写真やクリアファイルも買えます!手厚い!!!買うっきゃない!!!
ちなみにパンフのカバー表面に描かれている京極先生画の魍魎イラストのグッズはこちらでご購入頂けます(推しを推していく)

というか、イッツフォーリーズさん…全員歌上手すぎでは!?!?いやほんと耳福でした…。
こんな高いクオリティの脚本演出で、こんな高いクオリティのキャストで好きな作品の公演が観られるなんてなかなか無いことですよ…奇跡か?いやこの世には不思議なことなど何ひとつないので必然ですね。有難うございます。

キャストが最高

よしキャストさんの感想書いていこう。語彙力が無いので凄い!良かった!最高!の繰り返しになります。

中禅寺こに彦!!!
いや…さっきも書いたけど…また書く。出てくる度に心の中でめちゃめちゃキンブレ振ってブチ上がってた。「バラバラにしているときは極めて正常なもの♪」の登場シーンが好きすぎる。敦ちゃんが下のパートでデュエットしてるのも良い。
人差し指と中指を二本まとめて指差すのが最高過ぎる。変わったお仲間ポーズのキレキレターン&ポーズもっと見せてくれ…!本を読んでるときの顔が最高…。木場修に衿元を掴まれて直す仕草が最高過ぎる。兵衛を追い詰めてるときの流し目の色気が凄いのでそこのブロマイド出してくれ。「それは僕だよ」のときのクックックが好きすぎる。二幕本当にお疲れ様です。なんかもう存在してくれてるだけで最高だった、存在に感謝…。
あと公演前に円陣組んでるツイート見て、「テ、テニミュケーション…!」と思ったんですがもしかして他の舞台も円陣組むのが普通だったりします?千秋楽だけ開演十分前に円陣の声を客席に聞かせてくれませんか???(テニミュ伝統行事)

木場さんの吉田さん。
いやなんかもう好きだった。青木が大好きなのもわかる。草履ありがとうございます。木場の内面がかなりカットされてるので、あの脚本上で陽子への気持ちや自分自身への考えを表現するのめちゃめちゃ難しかったんじゃないかなあと思う。「悪党、御用じゃ」がカットされてたのは見せ場なのにそこを削るのか…!と新鮮だった。
あとちゃんと胸の谷間を描いてくれてたのがテンション上がりました。

榎木津きたむー。
さっきも書いたけどまた書く。前述した以外にも喫茶店、楠本家などめちゃめちゃアドリブというか日替わりが多かった。原作を読み込んだ故のキャラ解釈が安定した日替わりだったのでとても安心して観られました。ありがとうございます。あと髪型が志水アキ先生作画に近くなってて助かりました。マジカルステップは無かったけど探偵ステップがあったので満足です。

関口の神澤さん。
キャスト発表で初めて写真見たとき、「!?!?めちゃめちゃ美青年だ!?こんな美青年が関口を!?」と驚き、キャラショが出たとき(……めちゃめちゃ薄い本で見たことある関口だ…)と思ってしまった(すみません)
関口も割と内面がカットされてるのであまり鬱っぽくは無いが、気弱な感じと押しに弱そうな感じがあり、可愛かった。歌が上手い。千鶴子さんが出てきたので、雪絵さんも出るのかな?と思ったら出なかったのがちょっと残念。

鳥ちゃんの大川さん。
何気にめちゃめちゃ歌と出番が多い。滑舌が良くて凄く聞き取りやすい。鳥ちゃんめちゃめちゃ良かったので、シリーズの別の作品やるとしたら絶対続投して欲しい…!鳥口青木益田が揃ってるところを…見たい…!!!益田をミュージカルで受肉させてくれ!!!
鳥ちゃんの「ところが証拠が無い!」を聞く度、最近は裏取りもしないあやふやな内容のお気持ちブログか?みたいな主観的な文でも記事としてネットニュースに掲載されているのよく見るので、職業倫理がしっかりしている…!と感動していた。あやふやな記事と言えば、匣ミュ第一報も中禅寺と関口を幼なじみと報じてオタクを混乱に陥れていた。パンフレットにも特に人物相関図等は載ってなかったので、公演後も「幼なじみだったのだろうか…」という混乱が見られたが、公演前に届いた劇団会報には原作通りの人物相関図が載ってたので安心して欲しい。記者の誤記だったのだろう。
終盤、みんなが上手に逃げてる場面で鳥ちゃんだけ下手にいるので、逃げ遅れたみたいに見えちゃってちょっと気になる。

久保のかとしょ。
かとしょ観るのテニミュ卒業してからは銀英伝のキルヒアイス以来なんだが、まさか9代目青学の中で京極作品に関わるのが彼だとは思って無かった。はちゃめちゃに明るい人なので…。匣ステの久保は不気味さが際立ってたが、かとしょの久保を観て初めて久保の人間味というものが実感できたかもしれない。
かとしょがいるおかげでパンフに「テニスの王子様」と記されていたのでめちゃめちゃ助かった。
素が基本的にいつも笑顔のイメージなので、黙って真顔で立ってられるとめちゃめちゃ怖い事がわかった。威圧感が凄い。新世界で榎木津と相対するところは原作だと威圧感の戦いになるのだが、きたむーとの身長差が凄いので、踏み台に乗ったり写真が裏向けだったりとコミカルな演出になってたのはそれはそれで良かったです。
久保の参考文献として『百鬼夜行 陰』収録「鬼一口」を挙げておきます。

青木の池ピー。
いやーやっぱり海堂は手足がめちゃ長いな…と思って見ていた。飄々としていて良かった。清涼剤だった。木場さん大好きが溢れてて良かった。

頼子の彩春ちゃん。
レミゼ大阪中止になって観られなかったので今回初見。可愛いし上手い。
頼子と加菜子の会話も結構カットされてて、天人五衰や羽化登仙も特に説明がなく、二人の関係を冒頭だけで見せなくちゃいけないから大変だろうなあ…と思った。加菜子が誘拐されたときの顔が凄く良かったです。

加菜子の德岡さん。
さっきも書いたけどめちゃめちゃ上手い。頼子がめちゃめちゃ可愛いので、加菜子はどう来るのかなあと思ってたのだが、浮世離れした容貌で成程な~!となった。十代にしか見えないというか、年齢不詳なのでついつい年齢を調べてしまった。「楠本君 せいぜい月の光を浴びるがいいよ」が無くてちょっと残念。聞きたかった。

柚木陽子の万理沙さん。
…凄くなかったです?日本にこんなミュージカル俳優の方がいたんだ…!と鳥肌が立った。語彙力無いんで「凄かった」としか言えないんだが、終盤の鬼気迫る凄絶さ、もう目が離せなかった。吸い寄せられた。
木場と陽子が病院で出会う場面がいかにも舞台!という感じで好きなのだが、陽子登場時に鐘が鳴り響ていて最高だった。木場の心の鐘ですね。あの鐘を鳴らすのはあなた…。
衣装も良かった。規模的にてっきり着た切り雀の公演なのかと思っていたら、陽子に三着もあってびびった。陽子の着物については『百鬼夜行 陰』「小袖の手」で読めるのだが、そちらもちゃんと参考にされてるのだろう。だからこそ二幕初めの母への詫び状の場面でわざわざ原作通り和服を用意してくれたのだと思われる。

福本巡査の横田さん。
匣ミュの癒しだった。めちゃめちゃ癒し系だ…と思って和んでると、歌い出したら凄い歌ウマでドキッとしたのでギャップ萌えを久々に体感した。もっと歌声聞かせて欲しい。

敦ちゃんの宮田さん。
見たことあるな…!?と思ったらフランケンシュタインに出られていた。お世話になっております!「かわいいっスね!」と言いたくなるのもわかる可愛さ。

増岡さんの神野さん。
ツンツンしてるけど律儀な増岡さんが好きなので、原作通りの態度の増岡さんで心の中でスタオベしてしまった。好きです…。

楠本君枝はWキャスト(米谷さん・金村さん)だったのだが、どちらも良かった。米谷さんは髪振り乱して憔悴してる様子が迫力だったし、金村さんは御筥様を盲信してる感じが良かった。

須崎の堀内さん。
めちゃめちゃ見た目作り込んで下さってる…。劇団YouTubeで素のお姿拝見したとき、誰役だったのかわからないレベルだった。凄い。

雨宮の浅川さん。
いやーーーーー凄かった…。こんなに優しそうなのに捉えどころのない薄ら寒さを感じさせる…。増岡の説明で出てきた時も既に加菜子しか見てないし、加菜子の後をついていく演出が怖いな…と思った。頼子に面会出来るよう頼んだよ!って言ってるときももう既に怖い。笑顔が怖い。
ラストの「満ち足りた男」…本当に満ち足りてましたね…。幸せならOKです。

寺田兵衛の森さん。
マジカルステップ、ここにありました!パンフを見たら高校で金属工業科だったと書いてあり、えっ!?すご!!!となった。運命的だ…。
『百鬼夜行 陽』収録の「青女房」が兵衛主役の話なので、兵衛が気になった方におすすめです。

美馬坂の駒田さん。
駒田さんレミゼMAメリポピで観たときも凄い…と思ったんだが、「あなたの初恋探します」で一人で22役(!)こなされてるのを観たとき、怖いくらい凄いな…と震えてたので、美馬坂教授が駒田さんと聞いたとき、勝った!!!!!と思った。事実優勝した。
迫力が凄い。いやーーーこんな凄いものを見せて頂いて…感謝…。こに彦とのバトル最高でした…。


再演まだですか?

匣ミュでへー!と思ったのは、「匣の中」を徹底して直接的に見せなかったことだ。匣を開いたら加菜子が振り返ったり、頼子が匣に見立てた四角い背景に立っていたりとイメージで進む。確かに直接見せられるよりもそちらの方が「見たい、気になる、どんなのだろう」と好奇心や想像力が刺激される。見せてしまってイメージを固定するより、そちらの方が舞台ならではの表現でいいかもな、と思った。

終盤のこにたんの京極堂を観ていると、めちゃめちゃ優しくてしんどい。原作読んでてそんな風に思った事無かったのだが、こに彦は全員に優しいしめちゃめちゃ人間が好きなんだと感じる。しんどい。早くおうち帰って石榴にゃんを猫吸いして癒されて欲しい。

ていうかすごく今更なことを言うが、この規模の公演で生演奏って凄くない!?
絶対に録音だと思ってたし、キャストスタッフ詳細が出たときパーカッションとヴァイオリンの表記だけあったので「二つしか使わないのか~、へー!それも面白いかもな」と思っていたら、他は録音でその二つは生演奏と聞いて、その手があったか~!!!と膝を叩いた。舞台壇上、上手にパーカッション下手にヴァイオリンが配置されてた訳だが、指揮者がいないしお互いの動きが見えないだろうにどうやって合わせてたのだろうか…完全に役者の動き判断なのだろうか…。演奏に詳しくないのでわからないけど、もしかしてめちゃめちゃ高度な技を見せられて(聞かされて)たんじゃなかろうか…。

チケット代安いしキャパ狭いし公演日数少ないし客演多いし生演奏だしでこの公演儲け出てる!?大丈夫!?と不安しかない。今からでもランブロとか売りまくって物販で儲けてくれ頼む。

配信があったおかげで凄く助かりました。ありがとうございます!匣ミュ観てホテル帰って配信で匣ミュ見て匣ミュへ行く匣ミュ漬けの日に戻りたい…。
興味を持って配信購入してくれたフォロワーさんもいらっしゃったし、本当に配信は助かる。
スイッチングも勿論だが、全景があったのが良かった。劇場だとキャストを見てしまうので、現場で気付けなかった文字やライトの演出を冷静に見られてとても良かったです。
そして!衛星劇場2月放送!!!ありがとうございます!!!これで生きられる………!!!でも円盤も出して!!!!!お願い!!!!!(強欲オタク)
12/25に放送日出ました!メリークリスマス!!!
2月13日午後5時半からです!!!よろしくお願い致します!!!

正直今すぐ再演発表して欲しい。来年くらいにやって欲しい。
オルタナティブシアターの昇降機でしか行けないハコ感も良かったのだが、素晴らしいミュージカルだし、もうちょっと広い劇場でやれば(これ上手と下手で分けてやればスッキリするだろうなぁ…)と思っていたところが解決するので、日生劇場で1ヶ月くらいやって大阪はドラマシティかブリーゼでやって欲しい。
何なら次は『絡新婦の理』やって欲しい。じょろミュ?くもミュ?
視覚化するのが難しい『姑獲鳥の夏』も板垣先生なら上手く捌いてくれそうな気がするので、夏ミュも正直観たい。全部やってくれ。夏ミュ匣ミュ夢ミュ檻ミュくもミュ支度ミュ始末ミュ瑕ミュ邪魅ミュ鵼ミュついでに百器徒然袋ミュもやってくれ頼む!!!後生ですから!!!!!(コラ!鵼の碑はまだ原作出てないでしょ!!!)(15年出てない)

もう脳内に電極を埋め込んで匣ミュを見続けたい…と思うけども、人間を止めるわけにはいかないので放送を大人しく待ちます。
とりあえず既存動画で命を…繋ぎます…ウッ…!早く私に匣ミュを投与してくれ…!

放送最高でしたね!!!衛星劇場ありがとう…これでいつでも匣ミュが見られるっっ…!!!(2/13)
ところで奥様、「ミュージカル」誌はご覧になりまして?(3/13)


ご存知の方も多いと思いますが、こちらの雑誌、毎年「ミュージカル・ベストテン」というランキングを発表しております。
なんと!こちらに!匣ミュが!ランクイン!して!おり!ま!し!た!!!
すごい!!!!!!!!!ドンドンパフパフ!!!!!!
匣ミュは17位だったのですが、上位は全て四季東宝ホリプロ宝塚アミューズという大手だらけのなか、劇団主催の匣ミュが入ってるの凄い事なのではと思います。というのも、他の大手の公演に比べて観劇機会が圧倒的に少ないからです。
ツアー公演や1ヶ月近くやってる公演はみんな足を運びやすいだろうと思いますが、匣ミュは6日間9公演400席チケット即完売の公演だったので、そもそも投票権を持つ先生方に観に来てもらうのが難しいのでは…と思ってました。あと大手とは資金力が圧倒的に違うというのもありますね…お金を掛けたら面白いものができるわけでは無いですが、お金を掛けないと出来ない事はたくさん有りますし…。
いやーーー嬉しい。小澤先生も匣ミュの音楽で選出されておりました!
ミュージカル誌に小西さんの匣ミュの稽古のお話もちらっと載っておりますので保存版です。


ミュージカル・アワードでも受賞!(3/31)
おめでとうございます!!!
しかしまさかあそこのあの曲がディスコ調だったとは思いもよりませんでした笑


全然何とも思ってなかったけどこれだけ評価されてるの見たら気になってきた!ちょっと匣ミュ見たいかも!?という方、ご安心ください!

4/9再放送です!
まだ間に合います!よろしくお願いいたします!!!


とりあえず再演&続編待ってるぜ…!!!!!!

続編決定やったーーーーー!!!!!!!!!(2024/3/16)
檻ミュ来ました!!!
通います!!!!!!!!!


また何かあれば追記します。


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