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『草食系男子に教えられたこと』 # 毎週ショートショートnote

あたしに言い寄って来ない男なんていない。
しっとり濡れた瞳で見つめれば、どんな男もあたしのもの。
ミス〇〇とか、〇〇のマドンナなどと呼ばれても、嬉しくもなんともない。
あたしにすれば、今更何を騒いでいるの。

もちろん、あたしにだって作戦はある。
餌に変身した自分を、肉食獣と化した男たちの前に差し出してやる。
喜び勇んで食いつこうとやって来る男たちの前で、あたしは彼らよりもさらに大きな肉食獣となって、がぶりといただいてしまうのだ。

ところが、あいつときたら。
いくらあたしが美味そうな餌になってやっても、見向きもしない。
あんな男を、草食系男子というのだろう。

ある日、あたしはあいつの腕枕で目覚めた。
えっ?

「草食系男子は恋なんかしないと思ってました?何も食べないと思ってました?僕たちはね、静かにゆっくり草原の草をはみます。そして、心の中心にたどり着くと、そこに咲く綺麗な花をぱくり、といただいちゃうのです」

あたし、いただかれちゃった。


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