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『株式会社のおと』# 毎週ショートショートnote

「みんなに応援してもらって、仲間と素晴らしいものをつくるのが株式会社なんだよ」
彼は、自分の質問に父が答えるのを聞いていた。
次の日、テーブルの上に一冊のノートがあった。
「株式会社のおと」と書かれている。
「これはなんだい? 」
「これはね、ママに応援してもらって、パパと僕で素敵なおはなしを書いていくんだよ。だから、株式会社のおとなんだ」

「で、あの時のように、この新しいノートに2人で物語を書いていこうよってことなんだ」
彼の前のノートには「株式会社のおと」と書かれている。
「でも、のおとって書かなくても、ノートでいいんじゃない? もう大人なんだから」
「いいじゃないか、雰囲気だよ。
 ところで、これ、プロポーズのつもりだったんだけど」
「あら、そうだったのね。
じゃあ、私からもひとつ、サプライズがあるの」
「お、なんだい? 」
「あなたは2人でって言ったけど、この物語の登場人物が、もうひとり増えそうなのよ」
彼女は自分のお腹を撫でた。

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