『生き写しバトル』 # 毎週ショートショートnote
世の中には、2人、自分と同じ顔の奴がいるらしい。
いや、3人だったか。
どっちでもいいや。
世界で2人か3人だ。
何十億?80だったかな。
それも、アラスカからアフリカまで含めての2人か3人だ。
普通なら出会うことはないよな。
でも、こいつは何だ。
今、俺と同じようにジャックナイフを構えて、睨みつけていやがるこいつは。
まったく、俺じゃないか。
世界で、2人か3人しかいない生き写しが、こんな狭い町で出会って、しかも、ケンカおっ始めようとしている。
すげえ確率じゃねえか。
「おい」
「何ですか、先輩」
「何ですかじゃないよ。お前また盗作したな。あれだけ、同じ顔作っちゃだめだって言ってるのに」
「いくら神様でも、限度がありますよ。それに、ずっと作り続けていたら、似たような顔も出てきますって」
「でもな、そいつらをバトルさせて遊ぶのは良くないぞ」
「そんなこと言わずに、さ、先輩もこのコントローラーでどうぞ。ナイフの赤いのが先輩ですよ。間違えないで」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?