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【国会の楽しみ方①】国会はスポーツ観戦


「国会中継を見るのは面白いよー」

というと、大概の人から「どうして?」「どこが?」「どうやって楽しんだらいいの?」と聞かれます。

もちろん私も、この霞ヶ関業界に来るまでは、国会や政治なんて全然興味がありませんでした。
今もそこまで詳しい方ではないけれど、国会の仕組みが大体わかってくると、国会中継を見るのは、野球やサッカー、ラグビー、レスリング、柔道、相撲を観戦するような感覚で見られるようになってきました。

ラグビーが去年にわかにブームになりましたが、それはルールがテレビなどで解説され、選手の個性やキャラクター、ポジションなどがわかったから、どんどんハマっていった人が多いんじゃないでしょうか?

国会も同じで、国会という試合のルールがわかって、選手(国会議員)のキャラクター(性格も含めた主義主張)やポジション(国会議員の中の重鎮度や役割)、戦い方(議論の仕方)が見えてくると、もうスポーツ観戦並みのライブ感があります。

スポーツがあまり好きじゃない人にとっては、たとえばアイドルの選抜とか○○押しとか、ポケモンやトレカの対戦と思うのもありかもしれません。

ということで、これから数回シリーズで
「国会ってどこが面白いの?」という人のために、私なりの国会の楽しい観戦方法を紹介したいと思います!


まずは、今回は国会の仕組み、つまり、開幕シーズンはいつなのか、どういう試合構成なのかなどをざっくり解説したいと思います。(あんまり詳しくないけれど野球を例にします)

国会の開幕シーズンは長いです。主に2つのシーズン構成になっていて、「通常国会」と「臨時国会」いうのがあります。
通常国会は、1月初旬から約150日間、だいたい6月末頃まで続きます。主に予算の話や法律の話をします。
臨時国会は大体10月か11月頃から、12月中旬までで、緊急のことについて話します。

次に国会開幕シーズン中に、どんな試合があるかについて。
主に「本会議」「○○委員会」に分かれており、本会議は開会式、閉会式みたいな全員そろってのセレモニー感があります。各球団(政党)から選手声明のようなものが読み上げられます。

本番は委員会、というもの。
衆議院、参議院のそれぞれに、各省庁に紐付けされた常任委員会があります。文部科学省であれば文部科学委員会、経済産業省であれば経済産業委員会となります。
ほかに、特別委員会といって、テーマごとに話し合われる委員会があります。
たとえば、東日本大震災復興特別委員会や沖縄及び北方問題に関する特別委員会といったものです。
常任委員会と特別委員会の両方併せると、衆議院で26、参議院で25あります(2019年秋時点)。(※1参照)

そこで、選手(国会議員)は、それぞれどこかのリーグ(委員会)に入り、各リーグのテーマについて話し合います。ただ、予算委員会は政府の予算すべてについてなので、テーマはなんでもありです。予算に関係のない政治家のゴシップについても聞いてきたりします。
だいたい、一つのリーグに所属する選手は20~40人です。選手の出番の回数は、人数の多い政党は多めに出番があるようです。

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一方、国会議員にとっての対戦相手(政府側)は、省庁に紐付けられた常任委員会であれば、基本的にそこの省庁の大臣が対戦相手になります。ただ、予算委員会や特別委員会のような1つの省庁だけで収まりきらない幅広い案件は、呼ばれた大臣や、場合によっては総理大臣が対戦相手です。
政府側は、大臣だけでなく、副大臣や官僚も登場して答えます。官僚は基本的には、数字とか事業内容とかファクトに関すること、守りの堅い守備みたいなものかと。政治家である大臣は「やります!」「こう思ってます!」みたいな、決意表明や考えを言うので、花形ピッチャーみたいなものか。

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そして、委員会の内容はどんな話をしているか。常任委員会でいうと、まずはその省庁が担当するテーマについて。各国会議員が、「これはどうなってんの?もうちょっとやらないとだめじゃない?」みたいなことを聞いてきたり、「こういうのやってよ」みたいなことを聞いてきて、政府側が質問に対してどう思っているか答えます。
大きな目玉は「法案審議」。法律改正もあれば、新しい法律を作ることもあるのですが、これは、与野党の意見が違うとバチバチにやり合うことが多いです。それぞれの政党の考え方も見えて面白いです。そして、法律を通す、通さないの攻防戦も激しいものがあり、色々な戦略が張り巡らされます。この詳細については、また次回に、、、

国会の議論でテレビ放送されるのは、法案審議などの目玉の国会質疑や、何でもありの予算委員会が多いです。目立たない委員会はテレビでは放送されず、インターネット審議中継(※2)などで見られます。それか、ニコニコ動画などでも放送しているものもあるようです。

テレビで放送されるものは、選手(国会議員)も気合い入りまくりですねー。

ということで、今回お伝えした「国会の楽しみ方」のポイントは
「国会はスポーツ観戦と思ってみる」
ニュースになっているような「法案審議」を見るとライブ感がある

個人的には、テレビで放送されない委員会も、笑いやほっこり、選手の人間性が出るときがあって味わい深いなと思うこともありますが、まずは選手がバリバリに気合いが入っているテレビ放送を見ることをおすすめします!

※1 
わかりやすいブログがあったのでリンク参照。
国会の会期とは?【通常国会、臨時国会、特別国会の違い】
https://seizisuki.com/kokkaitigai/
委員会とは?本会議とは?
https://seizisuki.com/iinnkai/

※2
衆議院インターネット審議中継
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
衆議院インターネット審議中継
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
(アーカイブもありますので、みたいものが見れます)