見出し画像

ABD® 3回目にして新たな発見。「中の人」と「外の人」との化学反応

 新しい形の読書会 ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)®を自著『楽天IR戦記 「株を買ってもらえる会社のつくり方」』で行いました。今回で3回目。また新たな発見がありました。

(おさらい)ABDとは、事前に読まなくていい読書会

 まずABDとは何かおさらい。本から抜粋された10ページくらいを配られて、その場で読むんです。こんな感じ。

サマライズ:担当ページを読んで要約を紙に書いて壁に貼ります。30分。
プレゼン:要約者がひとり2分で内容を発表します。
ダイアログ:全員で対話(質疑応答)します。40分くらい。

 前後に自己紹介やまとめいれて3時間くらい。事前に読んでいなくても、他の人の発表や質疑を聞いているだけで、なんとなく全体を読んだ気になります。著者にとっても、自分で書いた内容を人から語ってもらうのは新鮮で面白いです。

今回の特徴は「中の人」と「外の人」の混合メンバー

 ABD、どんなメンバーで行うかによって違いが出ます。過去のメンバー構成は次のとおり。

1回目:IR経験者のみ(記事はこちら
2回目:IR、投資家・アナリスト経験者(記事はこちら
3回目:出版社の編集者、メディア、金融機関、楽天子会社、IR経験者

 今回は「外の人」比率が高かったです。
「外の人」=4割 (出版社でIR(インベスター・リレーションズ)とは無縁な人)。
「半分外の人」=5割 金融機関の人(株のことはわかるけどIRとは触れない)。または楽天の子会社の人(楽天は知ってるけどIRは知らない)。
「中の人」=1割 IR経験者。

 1回目のほぼ「中の人」や、2回目の「中の人」と「中の人と日々会話する外の人」である投資家・アナリストで占められたのとはかなり違いました。

 興味深いことに、その分野を知っている「中の人」ほどまとめに時間がかかり、「外の人」ほど、わからないなりに大筋をつかもうとする傾向がありました。たぶん、人は知っていることほど、細部を大事にしてしまうのかもしれません。

対話で起こる気づき

 こういうメンバーで対話をするとどうなるか。
まず外の人からは、「なぜIRをやるのか?」という本質的な質問が出てきます。中の人が「どうやるのか」という方法論を語りがちなのと対照的です。

 外の人の質問に中の人はハッとさせられ、なるべく普遍的な表現で説明することになります。そうすると、外の人も「IRって要は営業活動なんですね」とか「研究でお金を集めるのと同じなんですね」身近な体験と重ね合わせて理解し、未知であった分野に興味を持てるようになります。これは中の人にとっても既にある知識を再構成して学び直す効果となります。

アクティブな対話(ダイアローグ)の効果
「外の人」:新しい分野に興味が持てる
「中の人」:既にある知識を再構成して学び直す

 外の人からの質問に「理解してもらう」と「買ってもらえる」の差はなんですか?というものがありました。この本の副題に入っている「株を買ってもらえる会社」というキーワードは、目をひくようです。(ちなみにタイトルをつけたのは編集者です。)
 これには回答に少し時間がかかりました。「理解してもらう」とは、たぶん相手の右脳と左脳のどちらか片方しか動かせていないのだと思います。『論語と算盤』にたとえた表現でいえば、論語的ストーリーと算盤的なロジックの両方に納得してもらわなければなかなか「買う」というアクションに至らないのでは、と話しました。しかもそれらが有機的に結合していて、投資の方針やタイミングにも合うことが必要です。きちんと言語化できたという点で新しい気づきでした。

ABDは、早く読める、深くわかる、距離が縮まる

 ABDを体験した後、同じ本の全体をひとりで読んでみよう、という方も出てきます。今回参加された直居敦さんのnoteをご紹介します。

 直居さんによると、大まかな内容を把握しているので、早く読めるし、自分の気になるところがすっと頭に入ってくる感じがするそうです。会話することによってアクティブ・ラーニングのように体験として記憶できる効果もあるのではないかと思います。

 また、最初は見知らぬ人同士で緊張していた人たちが、リレー形式でプレゼンを行ったりすることで、打ち解けてきます。外の人と中の人との共通点が対話の中で見つかることも仲良くなる要因かもしれません。
 個人的に印象に残ったのは楽天の元同僚で、10年以上の付き合いがあった方からのひとこと。
 「IRとは数字の分析などが得意な内向的な仕事だと思っていたので、市川さんや他のIR経験者の方が社交的であることをずっと不思議に思っていました。今回のABDを通じてわかりました。IRとは会社の営業なんですね。」
 そうでしたか。私もそう思われていたことをはじめて知りました。前よりずっと距離が縮まったような気がします。

おすすめのABD活用方法

 出版やメディアに関わる人が多かっただけに、ABDの活用について懇親会で盛り上がりました。本のマーケティングの一環として使えそうという意見も多く出ました。
 私は、ABDは企業のアニュアルレポートや統合報告書を読むのにぴったりではないかと思っています。分厚い内容を読むのは結構大変です。15人くらい集まって、ひとり2~4ページずつまとめて発表し、話し合うと、その会社に対する理解がめちゃくちゃ深まるはずです。上場企業に勤める人なら、自社のアニュアルレポートを読むABDを開催すると、いい研修になると思います。自分の会社のことって意外に知らないものです。中途・新卒にかかわらず新入社員にもおすすめです。

 またやってみようと思います!次は『楽天IR戦記』の特別編の資本コストで「中の人」向けにガリガリにやってみようかな。それとも別の本でやってみようかな。

ーEND-

(写真上:壁に貼られた要約を見る参加者。写真下:ABDに必要な小物、B5用紙、養生テープ、マスキングテープ、付箋)

画像1

画像2


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

IR(インベスター・リレーションズ)の経験などに基づいたテーマで記事を書いています。幅広い層のビジネスパーソンにも読んでもらえたら嬉しく思います!

Thank you very much!!
26
マーケットリバー(株)代表取締役。『楽天IR戦記』著者。楽天、NECグループなどにおいて15年にわたりIR(インベスター・リレーションズ)、資金調達、東証一部上場準備などに従事。アライドアーキテクツ、Strolyにて社外取締役を現任。
コメント (3)
楽しそうですね‼️
本当に楽しいです!何回やっても面白いです!
よかったら僕のnote見てみてください😊
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。